TOTAL RECALL
監督: ポール・ヴァーホーヴェン
原作: フィリップ・K・ディック
音楽: ジェリー・ゴールドスミス
出演: アーノルド・シュワルツェネッガー、レイチェル・ティコティン、シャロン・ストーン、マイケル・アイアンサイド、ロニー・コックス
1990年 アメリカ映画

 


平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・

 

 

 

SF作家「フィリップ・K・ディック」の短編小説「記憶売ります」をベースに、ポール・ヴァーホーヴェン監督がバイオレンス描写をたっぷり盛り込んで作ったSFアクション。
シュワちゃん演じる機械技師が、どうしても火星に行きたいという願いをヴァーチャル体験で叶えようと、
それを売り物にしている会社を訪れます。
そこから、何者かに狙われる羽目になり、実は自分は火星にいたことがあり、
現在の記憶は植え付けられたもの、さらにには妻だと思っていた女性は、

実は技師が記憶を取り戻さないようにする監視役だった・・
ということから分かり、舞台は火星へと移って行きます。
さすがキワモノ監督だけあって、ロブ・ボッディンによる特殊メイクがSFにしてはToo Much。
宇宙空間に放り出されたおじさんの目玉が外へ飛び出して「どおくまんプロ」の漫画みたいになるわ、
腕がちぎれるわ、悪党が鼻から脳天まで鉄の棒突き刺されて死ぬわ、好き放題やってます。
こんな仁義なきSFバイオレンスですが、本作はアカデミー特殊効果賞を受賞しています。
シャロン・ストーンが悪女を演じるのは、このころはまだ珍しかったのではないかと思います。

 

 

 

 

音楽は、巨匠ジェリー・ゴールドスミス。
シュワちゃんが活躍するアクション作品なので、ゴールドスミスはここでは得意のアクション路線の「燃え」スコアをガンガン書いています。
オープニングからいきなりヒロイックな活劇スコアで「燃え」ます。
メタリックなパーカッションと、地鳴りのように響く弦楽器、高揚感あるブラス、かなり「燃え」度の高い名曲です。
ただこの曲、イントロがシュワちゃんが出た「コナン・ザ・グレート(音楽:ベイジル・ポールドゥリス)」の「クロムの鉄床」にそっくり。
世間ではパクったと言われていますが、僕はパクったんじゃなくて、パロったと見ているのですがどうでしょう?
ナショナル・フィルを起用したスコアでは、全編に渡って重厚でダイナミックな演奏を聴くことが出来ます。
でも、本作以降、「ロシア・ハウス」等に見られるドラマ重視の大人しいスコアにシフトしていったように思います。
御大も遂に守りに入ったかと悲しんだ90年代前半でした。
そういう意味でも、90年代当時は御大最後の「燃え」スコアだと思って愛聴していました。
サントラは10曲入り約40分収録のもの(青ジャケ)でしたが、その後27曲入り約70分の長尺盤(赤ジャケ)が発売されました。

その赤盤が完全盤だと思っていたのも束の間、今度は2015年にquartetレーベルから2枚組完全盤が限定3000枚で発売されました。

まさかもう出ないだろうと思っていたので、ちょっとショック、でも悲しいかな、また手が伸びてしまいました。

この盤は、1枚目がエンド・クレジットなどこれまで未収録だったトラックを含む77分のフィルム音源。

2枚目が従来のサウンドトラックにソースミュージックなどを加えた67分のもの。

題して”25th Annversary Expanded Edition”。

個人的には、めでたくEnd Creditsが収録されたのが嬉しい。
ただ、3分ちょっとで終わってしまうので、そこはちょっと残念かなあ。



・・・と、ここまでが過去記事。

その後、またまた2020年になって、Quartetから25周年記念盤と同内容のジャケ違い盤が30周年記念盤として発売されました。

さらに、現在ではダウンロード版も発売されています。

やはり人気盤は違いますね。