$合作小説【modified library】



小説の書き方講座、第三回です。
ここまでお読みいただければ小説を書くのが大分ラクになるかと思われますbbb

よかったら感想いただけると嬉しいです(◇ω◇)

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プロット

プロットとは、小説を書く説明書のようなものです。これを書くことで自分の小説を上手くまとめることが出来るようになります。概念的にはメモ書きの総まとめ、のように思ってくれて構いません

この先自分の小説がどう転んでいくかについて書く訳ですから、詰めれば詰めるほど、それこそ詰まった小説を書くことが出来ます。ですが、このとき誤解しないで欲しいのは、プロットで設定を縛れば縛るほど、自分の筆が進むのを縛ることとなります。これを我々は「縛りの緩い/きつい」と勝手に呼んでいる訳ですが、ご理解いただきたく思います
プロットを練ることが楽しい、と思うならそういう人こそ油断大敵で、最初にノリで決めてしまった無理・無茶設定に後々縛られていく訳です。縛りの設定を決めるのであれば、自分の身動きを取れなくするようなものは作るべきではないのです

ここからは、プロットの組み方です

・世界観:その小説がどのような世界観で描かれるものなのかについてです
・キャラクタ(登場人物):どんな登場人物が出てくるかについてです
・入れたい場面:どんな場面を折りいれていくべきなのかについてです
・テーマ:その小説がどんなテーマに沿って描かれていくかについてです
・ネタ:その小説にどんなネタをつかうかについてです。入れたい場面と統合することも可能ですが、ここではそれより細かい「小ネタ」について書いています
・その他:専門知識などが必要であれば、プロットにまとめてしまうのも良いです

まずはこんな感じで、これらを埋めるようにプロットを書いていきます。自分の思った通りに書けばいいと思われますが、これを書くだけでも小説を書く際の矛盾がある程度なくなるのではないでしょうか
それぞれの枠が埋まるように、自分の発想力や分析力を駆使してまずプロットを書いていきます

以前執筆部でつくった見本があるので、其れでやってみましょう

・世界観:大学受験
・キャラクタ(登場人物):主人公・男(後輩)、ヒロイン、女(先輩)
・入れたい場面:テーマが別れ話・シリアスというところから→受験戦争で先輩が行ってしまう
・テーマ:別れ話、シリアス、ラブ、秋
・ネタ:恋愛関係が一度自然消滅したあとで、復縁する←ラブ、別れ話とリンク
・その他:二人の仲が趣味によって繋がれているのであれば、恋愛関係

なんかもうこれだけで書けそうな気がしないでしょうか

ちなみに小説家にはプロットを深く決めておかないで書く作家もいます。プロットを書かない小説はライブ感を出すことが出来ますから、それを重視したい作家さんはあえて書かないというのもまたそれはそれで面白いかと思います
ただ、ネタの起承転結の転結だけをあらかじめ決めてしえば、物語の軸はブレませんから。まずはオチを考えて話を書くようにしたら宜しいかと

・魅力的なキャラクタ

ライトノベルの書き方についての説明に近いですが、純文学等でもキャラクタの個性っていうのは出すべきですから、正直意識して欲しいところがかなりあります
初心者はプロットについては魅力的なものをつくる方もいらっしゃるそうですが、キャラクタをつくるのがなんとなく弱い方も多いので、そこについて掘り下げておきます

キャラクタの人数が少ない方がよい、というのはあまりいうまでもないと思いますので、はっきりいって省略したいのですが、あまり小説というのは読者から「クドい」だとか「判りにくい」という風に思われるべきではないです。練りすぎて訳の判らないことになるよりは、あっさりまとめてしまった方がいいです。キャラクタの人数が増えると、それだけに練らねばならない要素も増えますから

なにを魅力的か魅力的ではないかについては厳密にいえば個人の考え方によるのですが、小説とは「伝えなければならない」ので、どうキャラクタを映えさせるか考えなくてはならないです
実際には、キャラクタに感情移入できるように書くことが重要です。感情移入できるように書くことが重要です。感情移入できるような一種の「あるある」をつくることで読者はそれを頼りに物語に入り込めるようになる訳です。共感ともいえるでしょうか

おすすめなのは「キャラクタの弱点をつくる」ということです。初心者はよくキャラクタの「長所」ばかりつくって「短所」を見落としがちですが、正直なところ重要なところは短所なので、寧ろ長所などなくても良いくらいです

たとえば物語のヒロインが、天才で運動も出来る、顔がよくて男にも女にも人気がある、家が金持ちでなにひとつ不自由なく暮らしていて、絵でも音楽でもなににおいても才能を発揮できる、人柄も面白く冗談が上手く、etcetc...こんなキャラクタはっきりいって、どこに共感すればいいのか判らなくて面白くないです

それなら寧ろ、短所ばかりでいいというものです。その方が個性が出ますし、共感要素が多くあります。小説のキャラクタがある理由ははっきりいって読者が共感するためですから、物語の軸に縛られていてはだめでしょう

たとえば、頭がよくて格好いいのに女が苦手な主人公だとか、毎回テストで百点とってるのは実はカンニングの常習犯だからだとか、そのあとのサクセスとしても組み立てやすいですから、キャラクタをつくる前にはとにかく読者が共感できるようなところ(特に短所)を意識してつくるのがポイントです


.中二病

キャラクタの項目でも述べたように、小説とはあまり「クドい」といわれるべきものではありませんが、俗に中二病というのは「完全なる自己満足で終わってしまう」小説のことをいいます。読み手のことを考えないでつくってしまうとこのようなことが起こるのですが、オナノベなどという罵り言葉があるようにはっきりいってしまえば読者からすると最も読んでいて納得しがたいシナリオです

展開が常識から外れるのは大いに結構ですし、寧ろそうしてもらいたいとすら思うのですが、それでもやはり読者をおいていってはなりません。読者は「読ませている」のではなく「読んでもらっている」のですから、そういった失礼はできる限り避けるべきです

ではどうすればそのようになってしまうことを避けることができるのか。単純に物語を判りやすくすることは重要ですが、やはり共感要素は大変重要となってきます
読者が読む原動力としているのは「共感」という要素ですから、キャラクタの心情描写を細かくしたり、専門用語が出てきたなら逐一説明するくらいの形で書いた方がちょうどいいです

これはなにも、世間一般から外れた展開に持っていくな、ということではありません。そもそも近頃メタノベルというものが流行るくらいですから読者の目も相当に肥えています。ですから先ほど述べたように、常識から外れるのは大いに結構ですが、やはりその一線を越えるのなら、越えさせるだけの土台を読者のために用意しなければなりませんから、過分なほどの言い訳が案外必要だったりします。もちろん、伏線やどんでん返しは物語に不可欠なものですが、それでもこの土台を踏ませてからそれを明かしていくようにした方がいいです。読者がついていけませんので

・うまい文章/初心者がよくやる失敗

もちろん物書きたるもの、文章のうまい下手というものがあります。説明の主語述語がうまく噛み合っていなかったり、誤字脱字があったりなども悪文といえば悪文ですが、みなさんはそんなケアレスミスは理解しているというテイでこれを読んでもらっていると思っております。なのでそんな国語的な解説は省略して、述べたいことを述べることとします

よくあるのが四文字熟語辞典や諺辞典を脇にキーボードのタイプを進めつつ、自分の語彙力に酔いしれるということ。難しい言葉ばかり使って読者に知識の違いを見せつけようという、なんともキ○ガイめいていて微笑ましい馬鹿のすることなのですが、この手の人間は正直自分の価値観でしか物事を考えられない馬鹿です。ほかの誤りならまだ可愛いと思えるものの、こんなものただの大人になっても続いている中二病(自己満足)なだけですから、是非ともやめていただきたい

シナリオには層があります。もちろん読む層・読者層のことですが、作者陣はこれを裏切ることはあってはなりません。例えばライトノベル作家としてありたいのであれば、ライトノベルを読む年代、中学高校生向けの文章であるべきですし、純文学等を書くとすれば万人が(層を絞ることもありますが)読めるような形にするべきです。小説のその形とは読者を考えてつくっていくものですから、自らの自惚れを導くためになどあってはいけません。そんな文章を書きたいのであれば「大学教授以下の学歴の人間は読んではなりません」とでも書いておくべきです

自分の感情を高ぶらせるためではなく、人の感情を高ぶらせるために文章を書くと非常によろしいです。そうすればおのずと自分の表現したいことから、使うべき語彙が見えてきます