鍼灸臨床勉強会・学校卒業後に臨床で使える知識とコツ

鍼灸臨床勉強会・学校卒業後に臨床で使える知識とコツ

鍼灸学生~卒後3年の方向け。鍼を学ぶ方のための勉強会を日曜日に開いています。鍼灸師として独立・開業するために学校卒業後に臨床で使える基礎知識と、実際の臨床で得られたコツを紹介します。

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【あらすじ】
受講生:「五十肩で手が後ろに行かないときってどこがいいですかね?」
賀先生:「合谷。簡単ですよ。」
とある飲み会での、この会話がすべてのはじまり。
自分も使ってみて実際に効きました。
そこで、なぜ、痛みのその範囲に効くのか考えてみました…というお話。
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こんにちは。島田です。

以前、賀偉先生の勉強会に参加したときのこと。
飲み会の場で受講生の一人と賀先生の間に上の会話がありました。

翌週から自分も使ってみたところ、たしかに効く。
しかも、広背筋絡み。

合谷の位置はここです↓

そう。
手のツボの合谷に鍼をして、五十肩、それも「後ろに手がいかない」に対してアプローチできるというのが驚きだったんですね。
しかも、効いてるというかゆるむのは広背筋絡み。

ツボの名前から、理由を考えてみました。


「谷」の意味

ツボの名前って重要で、解剖学的な位置以外にも働きを示していることがあります。
古典によると、
「谷=大肉が会うところ」※1
とあります。

合谷は「谷が合うところ」。

大肉を大きい筋肉とすると、今回の肩痛の場合は
「肩周りの大きな筋肉が合わさる部分にアプローチできる」
と考えることもできます。(実際には臨床での検証が必要だけど)

肩周りの大きな筋肉といえば、
・三角筋
・大胸筋
広背筋
…強引につなげました(^▽^;)

いや、まだ理由はあるんです。


臂じゅ(ひじゅ)の存在

合谷と同じ経絡で肩(三角筋前縁)にあるツボです。

ここは、
・手足の太陽経(小腸経、膀胱経)
・陽維脈

との交会穴。

大腸経で一番強い合谷の効果が、このツボを経由して膀胱経(背中)にアプローチできたのかなと。
流注は教科書で確認してね。

・ツボの名前(谷)によること
・経絡の交会によること


合谷が背中にアプローチできる理由として一応つながりましたね。
あとは現場でどんなときに応用できるか。


「谷」と「谿」の応用

ちなみに、
「谷」=大肉の会うところ
「谿」=小肉の会うところ

上の考え方がアリなら、
「谷」のつくツボは、大きい筋肉に対するアプローチ
「谿」のつくツボは、小さい筋肉に対するアプローチ


にも使えるはず。
ちなみに後谿は肩甲骨後ろの筋肉に対してアプローチできましたよφ(.. )

「筋肉の起始、停止にアプローチできるのでは?」との見方もあります※2

ご自身の臨床でも試してみてください^^

参考文献
※1 素問 気穴論
※2 "谷"のツボの事/鍼師が描く!東洋医学秘伝帖
移動中はevernoteで読書タイム。
photo:01


きょう脈を学ぶほどに、「空間差」「時間差」のわずかな調整役に結びつけたくなる。

・足関節から登る感覚(深部感覚、温痛覚)それ自体に意味があるのか…。
・絡脈としての役割は?
・もし基底核に絡むならどのレベルなのか?

自分1人じゃ調べられないけど、視点自体は誰かの役に立ってくれるかもしれない。

もう少し練り上げが必要。



iPhoneからの投稿
こんばんは。島田です。

ダンサーさん治療の多い専心良治。
一般人には拾いきれない感覚を拾う彼女たちの治療には奇経八脈との相性がとても良い気がします。

正経でまかないきれないときは特に。

今回は、衝脈の応用が軸改善に使えたお話。

衝脈って、今までは血海とか婦人科ってイメージ強かったです。
が、昨日の賀先生の勉強会で、


上にあがるもの一般
(つわり、喘息、吐き気、鼻血など)
冷えて引きつる、痛い


に有効であるという認識ができました。
衝脈の作用
なので、「なかなか踏めない」が主訴の方に応用してみたんです。
結果は上々。

自信ありげな立ち方になりましたよ^^

使うツボはそれほど変化なくても、深さや組み合わせがよりシビアになるので効きやすいんでしょうね。

もちろんこれだけでは解決しないんですけど、治療の中で「この部分はこの経絡に任せる」ことができるのは臨床上かなり安心φ(.. )

衝脈は応用範囲広そうなので、また別の使い方も紹介できるかも。