かなり遅かったものの、

とにもかくにも、一浪の11月にようやく本気で勉強することを決意したのだ。


音楽活動はしばらく休止することを通知して、

それから毎日とにかく机にかじりついた。

遅れを少しでも取り戻すために、

がむしゃらに勉強するしかなかった。


とはいえ勉強法も何もわからなければ、

セオリーを完全無視した順番で勉強したり、

今思えば、かなり空回りしていた。


人との接触を絶って一人で家で勉強するのはつらかった為、

環境を変えるために、図書館での勉強をメインにした。


少しでも、社会と自分の接点を作りたかった。

自分が「社会から遊離した存在」なのだと、

自覚することから逃れたかった。

自宅浪人。

ここまで孤独だとは思っていなかった。


それでも、結局は自分で選んだ道だから仕方ない。


そうして、

何も分からずとにかく勉強、勉強、

今自分がしている勉強に、

何一つ具体的なビジョンを描けないまま、

11月、12月、1月と過ぎ…


浪人して一年目のセンター試験を迎える。


正直何も分からなかった。

ほとんどカンだった。

それでも、私立のすべり止めは受けるつもりはなかった。


センターが終わって地元のラーメン屋で、

友達に向かって言ったことを覚えている。


「俺終わったわ」


それは当然もう一年の浪人を意味していた。




結局、その年のセンター試験は6割にも満たないだろう悲惨な結果だった。


そして新たな決意とともに、浪人2年目が始まった…。

しかし2浪のプレッシャーがどれほどまで辛いものなのか。

このときはまだ分からなかった。


続く