■時代の押し花

■時代の押し花

日々世の中に送り出される新聞広告は｢時代の花」とも言われます。
いま最も新しい価値を、いまを生きる人たちの心に
印象深く伝えられるよう創意と技術が凝らされ、
ひとつひとつ胸張るように、煌めくように紙面を飾る。

広告制作の世界においても新聞広告は、やはり花です。
新聞そのものへの信頼性とあいまって、
企業や商品の信用とステイタス性を大きく高める。
なによりも圧倒的な発行部数。そして、高額な媒体費。
それらを背に負い、発想を１枚の紙面に落とし込むことを
担う制作者は、紛れもなく第一線の力量を
持つ人に限られ、しかも、テレビCMとは違って
関わる人数が少ない分、意志がピュアに表出する。
制作者にとっては、手がけてみたい高嶺の花でもあります。

しかしながら、その寿命の短さにおいても、
新聞広告は花のたとえの通りです。
企業や広告制作者たちが心血を込めて生み出し、
文化としても見るべきものの多いそんな新聞広告も、
紙媒体ゆえの保存性は持ちながら、
切り抜くなり手元に置いておく手間をかけない限り、
おおむね次の日には古新聞の束に重ねられ
廃棄されればふたたび読まれる機会はほぼなくなってしまいます。

その儚さを、いまの時代なら、ウェブの力によって
過去のものにできると思いました。
新聞広告が厳しい環境にある中、
それでも何かを伝えたいと出稿される企業様の意気、
そして優れた広告表現の数々を残したいと思いました。

「新聞広告のイノチを、１日で終わらせない」。
サイトオープン時、トップに掲げさせていただいた言葉には、
そんな気持ちを込めています。

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