志無巻が行く in 巴里 ~三日目~ | ■■ 無職牛乳 ■■

志無巻が行く in 巴里 ~三日目~

パリ三日目。そろそろ緊張感の欠けてきた志無巻と小麦粉嬢。この日はピカソ美術館と

国立近代美術館を有するポンピドゥーセンター、そしてルーブルの夜間営業を〆とする

美術館巡りへと出かける予定になっておりました。芸術の都へきたのですから骨ばかり

ではなく美術館にも出かけなくてはなりますまい。しかしここで問題勃発。普段の運動不足

プー太郎生活がたたったものか小麦粉嬢の腰が激痛に襲われたのでございます。対処

としてカフェでの休憩をいれつつ3スポットを回る案を採択。途中薬局でシップを購入する

という小麦粉嬢と共にお買い物ゾーンであるマレ地区へと足を踏み入れたのでありました。


マレ地区突入後すぐに薬局を発見!店番はフランス人のいかすおば様でございます。
店内を見回すと、歯ブラシ・歯磨き粉・うがい薬・バンドエイド・石鹸・キャンディー・サプリ。

この程度しか判別がつきません。臭いで判断しようと各棚を嗅いで回るもそれらしい臭いは

発見できず。フランス人ってシップいらないの?自力発見は不可能。さりとて言葉もわかり

ません。ましてや「腰痛」や「シップ」でございます。さて、どうする?志無巻が何かいい案は

ないものかと思案し始めたその時、小麦粉嬢が動きました。


「ちょっとジェスチャーで説明してくるわ!」


頼もしい言葉でございます。しかしジェスチャーというからには動きで腰痛とシップを説明

するということ…いかん!そんなものを見た日には面白すぎて再起不能になってしまう!

危険を感じた志無巻は小麦粉嬢に背を向けて目から入る情報をシャットアウト。究極の

自主規制でございます。しかしとっさに目は塞げても耳は塞げず。志無巻の耳は


「ボンジュール!エーット…ヒュ~、バーン!イタイイタイ!ココ、ココ!」


完全なるカタカタを聞き取っておりました。イタイもココも日本語ですから。自主規制が無駄

だったことを悟った志無巻が振り返ると、どうやら意思の疎通はできたらしく飲み薬か塗り薬

の選択を迫られる小麦粉嬢。ここまできたら、どうでもシップ薬を手にいれなくては!手で

四角形をつくり「ペッタン!ペッタン!」と説明するも首を横にふる薬局のおばさま。意味が通

じないのか該当商品がないのかは解りませんが大人しく塗り薬を購入したのでありました。


この塗り薬無色透明、無臭のゲル状。あまり効き目なし。帰国後パッケージに書かれて

いたフランス語を訳してみた結果、打ち身・捻挫の塗り薬ではあったようでございます。薬は

あまり効きませんでしたが、小麦粉嬢のジェスチャーはかなりの効き目でございました。樹上人