カルピスの呪い | ■■ 無職牛乳 ■■

カルピスの呪い

日本には中元・歳暮という文化がございます。このお中元・お歳暮に関して志無巻は幼少の

頃からどうしても答えの見つからない疑問を持っておりました。


「なぜ志無巻家にはサラダ油と洗剤しか届かないのか?」


今となってはどちらも捨てがたい詰め合わせなのですが、何ら子供の興味を引く要素の

ない商品セレクト。学友たちの話を総合するとお中元やお歳暮には、もっとワクワクする

ようなものが届くというではありませんか!その中でも志無巻の心をガッチリ捕らえたのが

「カルピス・セット」でございます。セットというからには白カルピスだけでなくフルーツ味も

入っているに違いありません。あぁ憧れのカルピス詰合せセット!


これは神様にお願いするしかない!一念発起した志無巻は祈り続けました。「神様お願い!

志無巻家にもカルピスセットを届けてください!」届けてくれるのは宅配便のお兄さんですが

そこは純粋な子供のこと。お祈りするなら神様です。そして迎えたお中元シーズン!来い!

カルピス!志無巻の元へ!カルピスセットを夢に見た志無巻が目にしたのは…例年通りの

サラダ油と洗剤という名の現実でございました。


しかし神様は志無巻を見捨ててはおりませんでした。翌年の夏休み。夏休みに突入してすぐ

志無巻は交通事故に遭遇してしまうのでございます。そして事故の相手からお見舞いとして

届けられたのが…憧れのカルピス詰め合わせセット!たかがカルピスごときで夏休みを丸々

棒にふってしまった志無巻。あまりに図々しいお祈りは呪いとなって自らにかえってくる事を

学習。それ以来、余程のことが無い限り神頼みの儀式は執り行わないことにしております。