反撃は倍返し
協調性に欠けると言われる志無巻ですが、最低限のマナーぐらいは尊守しております。
たまに遭遇するのですが、人としての基本的な資質にかける困った人たち。志無巻に
害が無ければ放置しておくのですがたまに非情な攻撃をくらうことがございます。
「志無巻さん、そろそろ辞めたら?」
これはいきなりでした。何の脈略も無く突然です。上司から言われたなら志無巻の無能
不足かと自省の念も抱きましょう。しかしこの発言をしたのは一介の営業マン。ハナシが
さっぱり読めないため、とりあえず理由を尋ねてみたところ「もっと若くてかわいい子が
留守番しててくれるほうが楽しいから」だそうでございます。個人の裁量でとんでもない
発言をしてくれたものでございます。
聞かなかったことにしようかとも思ったのですがそれでは志無巻の腹の虫が治まりそう
にもありません。カチーンときた志無巻の口を突いて出た言葉は「じゃあ、そっちが辞め
たらどうですか?」職場の空気が完全に固まったのを感じましたがもう後に引くわけには
まいりません。一斉攻撃開始!
営「いやー俺は営業だからね。事務方はリサイクルしなきゃ」
志「数字のあげられない営業マンをリサイクルすれば若いコの一人や二人、雇えますよ」
営「え・・・・・・・」
志「退職願の書き方解ります?」
営「・・・・・・いや・・・」
志「あ!会社指定の退職願がありますよ。サインと捺印で受理されますから。はい!」
目線に悪意を込めにっこり笑って退職願の雛形を差し出すと彼はすごすごと営業に
出かけて行きました。周囲の人たちは志無巻を「独り外資」もしくは「独りベンチャー」
と呼んでいます。