宇宙係長 | ■■ 無職牛乳 ■■

宇宙係長

志無巻がまだ大阪にいた頃、正社員としてお勤めしていた会社。こちらの会社ネタの

人材宝庫であったのですがその中でもダントツのナンバーワン!数々の奇行を繰り

返す宇宙係長が存在したのでございます。日本語が伝わらないレベルにまで達して

おりましたので極力近寄らないようにはしていたのですが、業務上の必要に駆られ

話しかけなくてはならないこともございます。
 
「製品Aの納品書、どうしましょうか?」
 
こう聞いた志無巻。宇宙課長からのお答えは何故か製品Aを納めている得意先の社長

婦人に関する情報でございました。社長婦人の趣味は日本舞踊。そんなこと聞いてません。
これでは会話が進まないばかりでなく、仕事も滞ってしまいます。しかし!ここでキレては

社会人失格。ぐっとこらえて、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。「どうしましょうか?」

などという曖昧な聞き方をした志無巻にも非があるのではないか?2択ないし3択で答えを

選ばせればいいのです。イッツ・グレイト!これならばきっと欲しい答えが得られるはずで

ございます。


「製品Aの納品書、今月あげていいですか?来月にします?」


改めてこう切り出した志無巻。これならば答えは今月or来月しかありません。しかし…

志無巻の甘い期待を他所に宇宙課長からのお答えは「製品Aの成分について」の講義で

ございました。志無巻が欲しい答えは今月か来月かただそれだけ。何故に製品Aの成分に

ついて語るのか。


「今そんなこと聞いてません!!今月なの?!それとも来月?!!」


眉間にしわを寄せ詰め寄る志無巻、止めに入る営業マンたち、そして怯える係長。怖い

のはこちらの方でございます。「上司と上手に付き合う方法」も「「職場の心理学」も強敵

宇宙係長の脳内小宇宙には太刀打ちできず。それから志無巻がビジネスハウツー本を

手に取ることはとんとなくなってしまったのでございます。