朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書は、例えば著者、主人公、偉人、歴史、自分等との、非日常の中での対話だ。

ご縁のあった著者を応援したい!
読書の楽しさ、面白さ、大切さを伝えたい!

366P

高峰は、鷹のような警察人生を送ってきたのだと思う。空高く舞い、常にアンテナを張り巡らせ、獲物を見つけたら急降下で地上戦に入って仕留める。体力と精神力が削がれる戦いこそが狩り(捜査)なのだ。それなのに、ずっと続けていないとだめになってしまいそうな焦燥感に襲われ……鷹も、時には休むことが必要だろう。

歳を重ねたからではない。明日からの新たな戦いに備えてだ。「後輩に道を譲れ」と言われてもおかしくないが、なに、俺がどかないのは後輩たちがだらしないからだ。

俺たちを超えて飛べ-鷹の休息が終わったその日に。

定年を後に控えた同期の2人、捜査一課ナンバー2で理事官の高峰と主に公安畑を歩いてきた目黒中央署署長の海老沢。

飛翔弾事件の容疑者であった4人の被害者は元左翼の活動家だった。

捜一と公安との確執を織り交ぜて、過去の公安事件に関連する被害者の事件を追うこととなった。定年間近の警察人生に想いをはせながらときが過ぎていき犯人を追い詰めていった。

過去の事件から経過した時間が長く、そこまで恨みを長く継続するのは難しいもの。

終わりには解決に導かれていくのだが、変わり映えもなく物語が淡々として流れていった。それはそれでこれでこれでよい刑事ものだった。

 

 <目次>

第一章 過去を殺す

第二章 つながらない糸

第三章 消えた男

第四章 警戒警報

第五章 襲撃

第六章 二十三年

 

堂場瞬一さん

1963年茨城県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞。2013年より専業作家となり警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている

 

パート労働者に課せられる厳しい年収の壁。

夫の扶養内で働きたい人にとって、とても気になります。

 

扶養の仕組みには、税金面での優遇や社会保険の保障、そして扶養手当の受給の関係で扶養の壁が分けられます。

それぞれの判断基準が違っているのでわかりにくいのですが、この本では図表を使って6つの扶養の壁のメリットやデメリットを分かりやすく説明されていました。

 

家族の扶養といえば、妻の収入が「103万円」とだけ捉えていませんか。

扶養手当や妻の住民税の100万円未満、妻の所得税の103万未満や社会保険料の106万未満、配偶者特別控除の関係で夫の所得税軽減可能な妻の130万未満と150万未満や201万未満という壁がそれぞれあります。

 

例えば、手取り額が減るので扶養の壁を越えないようにする方がよいのか、壁を超えると支給額ではなく手取り額はいくらになるか、社会保険をかけると将来もらえる年金額はどれくらい増えるか、いくら稼ぐと扶養を外れても得をするのかどうかなど。

 

家族間で話し合い十分検討したうえで、それぞれの壁を意識しながら自分の意志で働き収入を得ていくことができれば、100年時代を見据えたよりよい賢い生き方につながっていくものと思います。

 

 

 <目次>

はじめに 

第1章 「年収にしばられる働き方」を続けたいですか?妻が扶養でいることは「損」か「得」か?(女性がどう働くか?立ちはだかる扶養のジレンマ、扶養と言えば「103万円」と思ってしまう理由 ほか)

第2章 税金や社会保険…家計から払うお金といつもにらめっこ 「私が悩む理由はどこ?」がわかる6つの扶養の壁(税金、社会保険、手当…扶養の仕組みは「3つ」ある、自分の「所得48万円」が扶養のボーダーラインに ほか)

第3章 チャートとチェックポイントであなたの未来がわかる!迷ってる人の悩みが解決!「扶養を外れる人」はどんなタイプか(「扶養を外れるか否か」妻が持つべき視点とは、扶養を外れる時に夫と話すべきこと ほか)

第4章 「扶養外れ」のメリットとデメリットをおさらい お金も安心で働き方も自由に!扶養から飛び出したら起こること(扶養を外れると、働く人や企業側も選択肢が広がっていく、社会保険に加入すれば「万が一」や「老後」の保障がアップ ほか)

おわりに 

 

塚越菜々子さん

保険を売らないファイナンシャルプランナー(CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士)。1984年神奈川県生まれ。税理士事務所に15年間勤務し、500件を超える企業や個人の財務経理に携わる。2017年に独立後、2800人の家計や資産運用のサポートを行う。家計簿なしで貯まる仕組みを作る「家計改革プログラム」を独自に開発。平均的な家計に合わせるのではなく、「わが家」が大事にしている部分にお金を使う家計作りが好評。SNSやYouTube(登録者数9.7万人)で身近なお金について、専門的なテーマをかみくだいて発信。メディア出演多数

 

【No1678】「扶養の壁」に悩む人が働き損にならないための38のヒント 私はいくらまで働ける? 塚越菜々子 TOKYO NEWS BOOKS 東京ニュース通信社(2024/07)

汗牛充棟の坂東真理子さんを真似することは到底できません。

これまでのご自身の諸々の体験を活かしながら、様々な出来事に前向きに取り組んできた様子が伺えます。

読書でからだとこころを作ってきた坂東さんの語りを聞いていると、本を読むことがとてもよいことだとよくわかりました。

彼女のように生涯を通じて本を読んで読んで読みまくって、折に触れ自分の頭で物事を考え抜いて行動していくことが大切だと思いました。

193P 考え方、感じ方、正義感 人生は本なしでは存在しなかった

人生の前半期は本を読むことで知識を得、事実を知り、社会生活の基礎知識を身に着けることができました。しかし熱心に読んだ本の多くは実生活でも学校の試験でも役に立たない文学や歴史書がほとんどでした。人生の半ばからは仕事をするうえで必要な知識を得るため、経済や政治、社会にかかわる本を多く読みました。そして本を書く機会に恵まれて、自分の考えを明確に形作ることができました。本を書いているとよく知らないことに出会う。それでもっと本を読みたくなり、読んだ本によってもっと書きたくなりました。それでも自分が知らないこと分からないことが多く、きりがありません。

私の肉体は食べ物や運動で作られ、私の考え方、感じ方、正義感、人生観、社会観は本のよって形成されました。

私の人生は本なしでは存在しませんでした、私は本を読むこと、書くことによって育ててもらったと思っています。

公務員としての仕事も本を読むことで目的をもって行うことができました。今活字媒体はどんどん影響力を失いデジタル化が進んでいますが、ぜひ若い世代の方々にもたくさん本を読み、そして考えてほしいと心から願っています。

 

 

 <目次>

第1章 好きな本だけ読んでいればいい?―若き日の読書の喜びと後悔

第2章 手当たり次第乱読を続けた大学生活―就職活動で初めての挫折

第3章 「男は仕事、女は家事育児」が当たり前?―仕事を始め芽生えた違和感

第4章 課題解決のヒントは読書にあり―趣味と仕事が一致

第5章 実務に関係ない楽しみがスピーチに活きる

第6章 まだまだ読みたい、学びたい

 

 

坂東眞理子さん

1946年、富山県生まれ。1969年に東京大学卒業後、総理府(現内閣府)に入府。内閣総理大臣官房参事官、男女共同参画室長、埼玉県副知事、在オーストラリア連邦ブリスベン日本国総領事などを歴任。2001年から内閣府初代男女共同参画局長を務め、2003年に退官。2004年から昭和女子大学教授、2007年から同学長、2014年から同理事長、2016年から同総長を務める

 

健康だから働くのではなく、働くから毎日体に気をつけて維持していくので健康になるのです。

年金は、終身一定額もらえるので、将来設計もでき長生きするととてもお得な制度です。

国家が破綻しない限り年金は必ずもらえます。この年金額は、現役から収めている負担額を使って世代間で扶養するような制度なので、もらえる金額の程度は、現役世代が少なく減ってきているので相対的に減るのかもしれません。(運用益や国費分もあるが)

国民年金額と厚生年金額が合法的にできるだけ多くもらえるためにできることとして、年金の繰り下げや節税、70歳まで働きながら厚生年金をかけて年金額を多くもらえるようにして賢く生きていく術などが書かれてありました。勉強になります。

 

・60歳以降も70歳になるまでできるだけ長く働いて厚生年金に加入し年金額を増やしていく。

 

・学生時代の20歳から2~3年間の未納を解消するために、60歳以降に国民年金に任意加入していき、40年間480ケ月分満額加入し将来国民年金を満額でもらえるようにする。

 

・65歳以降も働きながら厚生年金だけもらい、国民年金だけを繰り下げて国民年金額を増やす方法もある。

 

・65歳以降働くことで、国民年金は増えないが、厚生年金は在職定時改定により1年間で報酬比例部分の約1万3千円増える。

 

・夫婦で働いていて収入が安定していれば、65歳から夫の年金分だけをもらって、妻の年金分を繰り下げていくやり方もある。

おすすめは、厚生年金を65歳から受給しながら月額20万円で働き、国民年金の部分を70歳まで繰り下げることだという。

 

・私的年金(イデコなど)を活用して生活を豊かにする。掛け金全額が所得控除の対象であり、運用益も非課税で、受取時に控除もできる。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 年金だけじゃ生活できないって本当ですか?

第2章 リスクなくお金を増やしたいのですがどうしたらいいですか

第3章 定年後も働いたほうがいいのでしょうか

第4章 病気や介護にかかるお金が心配です

第5章 生活費は抑えたいけど、貧しい暮らしは嫌です

第6章 実際にどれだけ増えるのか ケース別にシミュレーションしました

 

社労士みなみ さん

年金をはじめとする「老後のお金」をテーマに情報発信を続ける社労士YouTuber。専門性の高い内容ながらチャンネル登録者数は17万人を超え、200万回以上再生された動画もある。知識や経験のないまま投資を始めて失敗する高齢者が多い現状を変えるべく、「年金最大化生活」を提唱している。かつては大手銀行に勤務し、投資信託などの資産運用のアドバイスを行っていた。自身も20代から資産運用を始め、その運用歴は30年になる。50代に入って子育てが落ち着いたことをきっかけに、社会保険労務士として開業。開業社労士として活動しながら、主婦の経験も生かした生活者目線で専門的な知識をできるだけわかりやすく解説する動画も配信。ファイナンシャル・プランナー2級も保有

 

【No1676】年金最大化生活 もらう×増やす×出費を減らす 社労士みなみ アスコム(2024/08)

 

人は、いずれ死に逝くのは確実なことだが、その心構えはいまからではできない。

夫婦のどちらが先に逝くのかわからないがあとに残された場合の心構えをしておきたいと思った。

どのような心境になるのか。失った悲しみはどうなっていくのか、独りどう生きていくのか、毎日は寂しくはないのか、日々何を思って生きていくのか……など、その時になってしかわからないことをここから学んでおきたいと高尚に思ったのだったが。

 

ぺこりーのさんからぼくの心に届いたことばたちを取り上げてみた。

 

7P

この本を読んでいるあなたに、今気づいてほしい。

あなたの夫が、あるいは妻が、恋人が、もしも元気で生きてくれているなら、あなたはそれだけで幸せ者だということを。

 

58P 食べて寝る、結局人間はこのふたつで生きている

食べて寝ればそれで幸せ

悲しくても……腹は減る

 

128P

亡くなった妻との長い結婚生活を振り返ってみて、幸せを実感したのはふたりで行った海外旅行でもなければ、贅沢な外食でもない。

毎日のささやかな日常だったのだ。

妻の手料理で晩酌をする、きょう一日の出来事をふたりで話す。ふたりで行ったワンコたちの散歩、休日に出かけた公園で飲んだビール。

 

140P 老後の心配は「そのとき」になってからすればいい

 

なくさないうちに当たり前が幸せなのだと気づけたのはよかったなと。

 

 

 <目次>

はじめに ようやく妻が死んでくれた、ついに自由を手に入れた ほか

第1章 男の台所は秘密基地(男の台所は秘密基地、今日も台所から朝が始まる ほか)

第2章 築40年ボロマンションを城にする(今日から自宅は小さなテーマパーク、想像力は情報が少ないほうが鋭利になる ほか)

第3章 年金11万円で人生を楽しむ(老後の貯金、あなたは老後をどう生きる、年金11万、自由であることが一番の幸せ ほか)

第4章 老後は小さく豊かに暮らす(老いの美学、友だちはいらないとずっと思っていた ほか)

第5章 夫婦について(あなたの人生を後悔で埋め尽くさないために、タイムスリップ、贈り物、いつか天国で再会した時のために)

おわりに

思えばひどい妻だった

 

 

ぺこりーの さん

1957年生まれ、熊本県天草出身。長いサラリーマン生活を経て、60歳でフリーのコンサルタントとなる。現在は、東京で愛犬とふたり暮らし。好きな言葉は「人生とは今日1日のことである」

 

 

【No1675】妻より長生きしてしまいまして。金はないが暇はある、老人のひとり愉快に暮らす ぺこりーの 大和書房(2024/05)

公園でスケッチブックを下げた老人とある女子高生との出会いから物語が広がっていく。

関わりのあった人物たちの視点で少しずつ闇が明かされていく。

そして関係する人たちのそれぞれの思いが縺れた糸を少しずつ解くように進んでいく。

人は独りではけっして生きていけない。頼り頼られて生きていけるもの。

不幸やタイミングが悪くてどれだけすれ違っても、弱く細い糸でも切れずにちゃんと繋がっていく。人と人とがつながっていくのは読んでいても心が動かされるものだ。

一生における出会いと別れや繋がりの意味を問われるおはなしです。

 

主人公ではない登場人物に、こういうかっこいい内容を言わせれるところがとてもにくいほど素晴らしい。

177P 

「男とか、女とか、意識しなくてもいいんじゃないか」

不思議そうに、瀬尾が俺を見た。

「お前に男らしさを求めている相手と一緒だと、生きづらいかもしれない。だけど、お前のその細やかさや丸みのあるやさしさを必要とする誰かはどこかにいるはずで、そういう相手と生きていけばいい。これだという相手に応えれば、お互いに、しあわせになれるんじゃないか」

 

 <目次>

一章 ひまわりを花束にして

二章 クロッカスの女

三章 不器用なクレマチス

四章 木槿は甘い

五章 ひまわりを、君に

エピローグ

 

町田そのこ さん

1980年生まれ。「カメルーンの青い魚」で、第15回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞。2017年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞した

 

続編の「成瀬は信じた道をいく」を先に読んでいたので、また成瀬あかりに会いたかった。

成瀬は、他の女の子とは違って断定的な物言いをする。しゃべることばと書き言葉には彼女らしい特徴がある。頭を坊主にしてくるなど彼女の普段の行動は他の人よりはっきりと目立っている。突拍子もないことを真面目に考えて、それが天然であり冷静であり胸に秘める熱量がものすごくて応援したくなる。一度近づいてみたら彼女に目が奪われてしまう。

「レッツゴーミシガン」の西浦航一郎君のように目についたら気になって仕方がない存在になるだろう。

 

「西武大津店の営業終了まで毎日通う」という目標を立ててもそれっきりにせずに、すぐ行動するところが好きになる。

祖母のためにも挑戦し続けた成瀬。

いつか大津にデパートを建てる成瀬の目標が叶うような気がしてしまった。

 

世の中には思っていてもやらないとか、思っていてもやれない人がいるのにもかかわらず。挑戦はできるようでなかなかできないものだ。

小さい目標の達成の積み重ねがいつかの大きなことを成し遂げる糧や経験となる。

何か大きなことを成し遂げる人は、こんなような感じかもしれない。

成瀬あかりは、ほんとうに天下を取るかもしれない!そんな予感がした。

 

154P

「成瀬さんの目標は?」

「わたしは二百歳まで生きようと思っている」

「さすがに二百歳……大変そうだね」

「昔は百歳まで生きると言っても信じてもらえなかっただろう。近い将来、二百歳まで生きるのが当たり前になってもおかしくない」

成瀬さんは生存率を上げるため、日ごろからサバイバル知識を蓄えているそうだ。

「わたしが思うに、これまで二百歳まで生きた人がいないのは、ほとんどの人が二百歳まで生きようと思っていないからだと思うんだ。二百歳まで生きようと思う人が増えれば、そのうち一人ぐらいは二百歳まで生きられるかもしれない」

唐突に、成瀬さんが好きだ、と思った。認めた、と言ったほうが正しいだろうか。もっとそばにいて、もっと話を聞いていたい。このままずっと、ミシガンが琵琶湖の上を漂ってくれればいい。

 

 <目次>

ありがとう西武大津店

膳所から来ました

階段は走らない

線がつながる 

レッツゴーミシガン

ときめき江州音頭

 

宮島未奈さん

1983年静岡県富士市生まれ。京都大学文学部卒。2018年「二位の君」で第196回コバルト短編小説新人賞を受賞(宮島ムー名義)。2021年「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞。同作を含む本書がデビュー作。

子育ての施策で全国に先駆けて「明石モデル」で成功を収めたことを聞いていた前明石市長の泉房穂さん。

かれは、政治家や議会、官僚、マスコミなどの四面楚歌の中でも、明石市のために変革を断行した人だった。

また、特定の集団への利益誘導ではなく、サイレントマジョリティーの一般市民の生活目線に合った政策を強行にすすめたことにあったことがわかった。

 

177P ものを買う側に光を当てる

今、政治に一番求められていることは、ものをつくる側に偏ることなく、ものを買う側にも光を当ててお金を回していくことです。市民がお金を使えるようになって初めて、社会全体で経済が循環していくのです。

モノを作る側だけで潤沢に資金を回して内部留保で肥太り、需要側であり働き手でもある一般市民のお金がむしろそちら側にグーっと引っ張られ続けて疲弊してきた。そういう状態です。

だから、一般市民にとっては、物価が上がり保険料も上がる、負担は上がるけれども給料は上がらない、使える金がないから物を買わない、その結果、社会全体にお金が流れないという負の連鎖。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 理不尽な社会に「復讐」を誓った日(人生の原点は「貧困」と「差別」、障害を持って生まれた弟 ほか)

第2章 役所という伏魔殿(漫然とした「官僚政治」が続いてきた悲劇、官僚に寄生する政治家とマスコミ ほか)

第3章 議会は本当に必要なのか?(「三権分立」はフィクション、議会は「個別利益」代表者の集合体 ほか)

第4章 国民不在のマスコミ報道(「財務省は正義」という幻想、マスコミが維新の会を批判できない理由 ほか)

第5章 「常識」という言葉に騙されるな(「ものを買う側」に光を当てる、「子育て支援策」重視への異議と抵抗 ほか)

おわりに

 

泉 房穂 さん

1963年、兵庫県明石市生まれ。兵庫県立明石西高校、東京大学教育学部卒業。NHK、テレビ朝日でディレクターを務めたあと、石井紘基氏(2002年、衆議院議員在任中に刺殺される)の秘書を経て、1997年に弁護士資格を取得。2003年に民主党から出馬し衆議院議員に。2011年5月から2023年4月まで明石市長を務めた。18歳まで医療費無料など「5つの無料化」や養育費立替に代表される子ども施策のほか、障害者支援、高齢者福祉などにも注力し、市の人口、出生率、税収などを伸ばして「明石モデル」として注目される、社会福祉士の資格も取得している。

 

感性が研ぎ澄まされたセンスがよい生き方の知恵のようなものが語られていました。

このなかで自分にとって良いと思われたことを早速取り入れていきたい。

 

 

150P 64「みんなと仲良くしない」

気持ちがいい人は、人づき合いがシンプルです。人間関係で悩んでいるというイメージがありません。

自分にとってなにが大切かわかれば、おのずと人つき合いも絞られます。

まず自分の思いを大切にする人が、ほんとうの意味で人も大切にできるのです。

 

 

 

170P 73「書類はA4用紙1枚にまとめる」

時間をかけるべきことと、捨ててもよいことがわかるようになります。自分の時間だけでなく、仕事相手の時間も労力も節約することになります。センスというのは、「なんでも自由に」ではなく、何かの節約や目的があるからこそ方向が明確になり、研ぎ澄まされていくのです。

 

 

178P 77「なるほど、そうきましたかとピンチにつぶやく」

ピンチのときに人は劇的に成長し、感覚が研ぎ澄まされる。

ピンチで光が見えないとき、どうすれば光を取り戻すことができるか、1300年以上の前の(天照大神が天岩戸に隠れた)神話が教えてくれています。そう、ピンチのときは笑い、踊りましょう。

困難を楽しみ、面白がったときに、最大の結果がもたらされるのです。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 センスのいい暮らし

第2章 見た目で感じるセンス

第3章 センスのいい人のお作法

第4章 言葉が伝えるセンス

第5章 センスのいい人は遊びがうまい

第6章 センスのいい人づき合い

第7章 仕事だってセンスよく

おわりに 

 

有川真由美さん

作家、写真家。鹿児島県姶良市出身。台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的存在として書籍や雑誌などで執筆。46カ国を旅し、旅エッセイも手がける

将来の介護や看取り、相続問題の対処のために、もったいない世代の親が元気なうちに取り組めることが理想です。

片づけのプロでも実家を片づけるのは勝手が違ったというが。

モノを片づけると家の中の安全性が高まります。つまづきや転倒などけがのリスクが減ります。思い立ったら吉日。いきなりではなく、親と十分話し合ってからやり始めるのです。

実家片づけは、「大事なモノは捨てない。大事なモノを知るために片づけをする」という観点が気に入りました。

 

親からの三大言い訳に対しての子どもからの説得の言葉です。

自分自身もこんな風に周りに言っているのかもしれません。

「もったいない」→「売れるかどうか、調べてみよう」

「いつか使う」→「誰がいつ、どんなときに使うの?」

「置けるから置いている」→「ごみの処理費が上がっているよ」

 

また、絶対に言ってはいけないNGワードです。

これらを言ったらトタンに前に進めなくなります。

「(頭ごなしに)捨てて!」

「こんなの、いらないでしょう」

「なんでこんなことをしてるの?」

 

「終活」ではなく、これからの人生を楽しむために片づけるのです。

実家片づけは、暮らしを再構築するためです。

親が新しい思い出をまだまだたくさん作って、さらに充実した人生を送ることができます。

 

101P

最低限、「親が安全に暮らせるスペースを確保できる」「(いつか将来の相続のため)子どもが金目の紙やモノを選別・把握できる」という目標さえ達成すれば、押し入れの中が詰まっていても、物置状態の部屋があったりしても問題ありません。愛着のある服や、思い出の紙まで捨ててもらう必要はありません。

 

 

 <目次>

はじめに

第1章 他人ごとではない!「実家片づけ」を甘く見てはいけない

第2章 「片づけたくない」親との向き合い方

第3章 親が元気なうちにやっておく「実家片づけ」基本の7ルール

第4章 いざ実行!実家片づけ「モノ」篇

第5章 いざ実行!実家片づけ「紙」篇

第6章 こんなときは、どうすれば?Q&A

第7章 実家片づけで「介護・看取り・相続」の不安が消える!

おわりに

 

 

石阪京子さん

片づけアドバイザー。宅地建物取引士。JADPメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。大阪で夫と不動産会社を起業、夢のマイホームを手に入れても片づかないことで理想の暮らしができないと諦めている多くの人に出会い、家の片づけを提案。独自のメソッドは、一度やれば絶対にリバウンドしないのが特徴で、これまで様々な方法を試したり、プロに頼んではリバウンドを繰り返してきた人たちの「最後の駆け込み寺」となっており、直接指導した人は1000人を超える。現在は、収納監督、片づけレッスンほか、片づけ、家事、お金、メンタルなどくらしまわりにかかわるトークイベントやオンラインセミナーを開催の説得方法から実践スケジュールまで親が元気なうちに片づける完全ノウハウ。

 

【No1670】実家片づけ 介護看取り相続の不安が消える! 石阪京子 ダイヤモンド社(2024/08)