※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#490  春雷の女】

 

(本放送)1971年3月24日

(再放送)2015年8月13日

(脚本)佐々木武観

(監督)伊賀山正光

(協力)警視庁

(協賛)無し

(捜査担当)立石班

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、

鑑識課員(新田五郎)、桃井刑事(轟謙二)、岩井田刑事(滝川潤)、

石原刑事(吉田豊明)、橘部長刑事(南川直)、笠原刑事(伊達正三郎)、

立石主任(波島進)

 

(出演者)

田村奈巳、杉山元、田中淑隆、中千鳥、本多洋子、田川恒夫、葉山美樹、大阪憲、

藤本三重子、日高ゆりえ、瀬良明、黒部進、小山源喜

 

 

(あらすじ・予告篇から)

 ※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

古い洋館の庭で起こった老婆殺害事件。

そこは、貧乏な老画伯と娘が、部屋貸しをしている所だった。

若い女のタレコミ電話とともに、

犯人はそこの住人だと見込みをつけた立石班は、

春雷の響き渡るさなか、直ちに洋館に乗り込み尋問に入る。

金に困った清純な娘に売春を強要したり、

住人の愛の姿をカメラで撮っては脅迫したり、

借金の取り立てのためには職場まで乗り込んだ被害者(ガイシャ)。

一人一人が被害者(ガイシャ)に恨みをいだいている住人たち。

その中で、立石たちの尋問は続けられる、

次第に明らかになっていく犯人!

次回、「春雷の女」に御期待ください。

 

 

(備考)

 

 

(視聴録)

都内近郊のあけぼの荘、住人・樋口きん(日高ゆりえ)が庭先で殺害された。その3日後、「犯行を目撃した」「犯人も知っている」とタレコミ電話が入り、立石班はあけぼの荘に急行する。

あけぼの荘は当主・高村亮介(小山源喜)と息子の嫁・保子(田村奈巳)のほか、住人で、きんのほかに、きんの孫・さよ(本多洋子)、トラック運転手の安田たつお(黒部進)と中西せいじ(杉山元)、学生・後藤ひろし(田中淑隆)、キャバレー歌手・森本茂子(藤本三重子)、喫茶店勤務・岩井春美(中千鳥)が賃借していた。

立石班は、ホールに全員を集め尋問に取り掛かるが、春美は3日前から行方不明、高村は非協力的な態度で席に加わらず、後藤に至っては過激思想の持主と、なかなかうまくはかどらない。しかし、ふとした発見から、事件は解決に動き出すというもの。

 

関係者を1か所に集めての尋問からの解決劇で、回想をうまく交えながらの展開は、なかなか面白かったです。さらに、雨の日のおどろおどろしい雰囲気にもマッチして、時間を忘れるほどでしたが、ラスト8分で大団円とするには時間が短すぎました。

犯人を指摘する証拠も直接証拠と言いずらく、なぜあの現場で殺害に及んだのか描写不足、視聴者の共感を受けにくいラストシーンといい、最後のまとまりが足りないようにも感じました。

 

ラスト8分までの流れは非常に順調なのになぜと思いましたが、ラスト8分を切り貼りしたようすは見られないので、これは脚本自体が最後おっつけ仕事になったのではと感じます。脚本の佐々木武観は、その後「#515  私は許せない」でも前半の積み上げていくサスペンス、関根部長刑事の苦悩を描いていたのに、後半のラスト近くになって、やたら物事をさっさと進めるような印象がありました。時間に縛られることのない、2時間ドラマや劇場用長編映画のほうがいいのかもしれません。

 

描写的には、池(湖?)での後藤ときんのシーン、後藤の部屋の暗示的なシーン、中西が廊下を歩くシーン、などはうまく撮っているだけに、ラスト近くのバタバタは残念です。脚本をある程度肉付けして、現代風にリメイクしてくれれば、2時間ドラマではそこそこいい出来になるのではないでしょうか。ひと昔の「土曜ワイド」だったら、特捜隊ではなく、天地茂主演でつくってくれそうですが(笑)

 

きん役の日高ゆりえ、ドラマ的にもキャラ的にも、全部この人が持っていった感じですが、この人の経歴についてはよくわかりません。特捜隊でも「#481  追憶の街」に出演していましたが、どの場面だったのか恥ずかしながら記憶から飛んでおります。

きら星のように一瞬でも光った女優、それが彼女だったのかもしれません。この後の特捜隊に出てくるか、注意して見てみたいと思います。

 

(2017年11月25日、全面追加)