一つ火、そしてシルクの起源伝説(古事記より) | chinchanのブログ/Mano

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一つ火ってご存知ですか。

ローソクでもなんでも良いのですが、暗闇の中でたった一つだけ灯す明かりの事です。
一つ火は不吉だと言われていますよね。
でも、この一つ火が無ければシルクは生まれてないんですよ。
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これは「古事記」という最も古い歴史書に書かれている事なんです。
古事記
日本の国土は、イザナギ、イザナミという二人の神様によって創られました。
イザナギとイザナミは国生みのあと、どんどん子供、即ち色々な事を司る神様を生んで行きます。
そして、火を司る神を生んだとき、イザナミはやけどをして、それが元で死んでしまいます。
取り残されたイザナギはイザナミを探しに「「黄泉の国」へ向かいます。
丁度現世と黄泉の国には結界があって、そこを入って行くと、明かりはまったくなく、真っ暗闇の世界になります。
そこでイザナギは頭につけていた櫛を取り出して、その羽を一本折って明かりにして先に進みます。
これが「一つ火」なんですね。
やっとのことでイザナミに合う事が出来たイザナギはそこで見てはいけないもの、つまり、腐りかけて蛆やら恐ろしい虫たちに食われている恐ろしい、醜い姿のイザナミを見てしまいました。
怒りとか悔しさとか恥ずかしさとか、あらゆる負の感情に、イザナミは逃げるイザナギを化け物に追いかけさせ、自らも軍隊を率いて追いかけます。
やっとの思いで、結界の外に出たイザナギはそこを大岩で塞いでしまいました。
そして、黄泉の国の不浄なものを全て洗い落とす意味で、川の淵に入り身を清めます。


左の目を洗った水から太陽の神天照大神が、右の目を洗うと、月の神の月讀の命が生まれました。
そして鼻を洗った時にタケハヤスサノオの命が生まれました。

このタケハヤスサノオの命とは、あの須佐之男命です。
この神は海を治める神なのですが、
天照大神の高天原で乱暴狼藉を行った須佐之男命は、天照大神が天岩戸にかくれて、世界が真っ暗になったという大騒動にまで発展した事によって、ヒゲを落とされ、両手両足の爪を剥がされて高天原を追放になります。

改心したスサノオは、天照大神に貢ぎ物をしようと言う事で、イザナギ、イザナミから生まれた食べ物を司る神の「オオケヅヒメノカミ」という神に頼んでお供え物を出してもらいます。
この頼まれた食べ物の神は、色々なものを「鼻」や「口」、「お尻」から出します。
これを見たスサノオは、「食べ物を鼻や口、お尻で穢した」と勘違いをしてこの「オオケヅヒメノカミ」を殺してしまいます。
で、殺された神は食べ物の神なので、そこから基本的な食べ物が生まれます。
いわゆる「五穀」というやつで、
目から稲
耳から粟
鼻から小豆
陰部から麦
尻から大豆
頭から蚕
そう、蚕は頭から生まれたのです !!