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【センター入試問題・世界史B】美術史的視点で解説します!①

では、2016年実施の 大学センター入試・世界史B
文化史問題の おおまかな解説
いたしました(・∀・)


復習になりますが、
問題文を 要約すると、

「エラスムスは( ア )を著した。」
「肖像画『エラスムス像』を描いたドイツの画家( イ )は、イギリスに渡り、のち宮廷画家になった。」


となり、

選択肢は

① ア…『愚神礼賛(愚神礼讃)』 イ…ホルバイン
② ア…『愚神礼賛(愚神礼讃)』 イ…ベラスケス
③ ア…『天路歴程』 イ…ホルバイン
④ ア…『天路歴程』 イ…ベラスケス


でしたね(`・ω・´)
正解はです!


で、今回は その
ホルバイン先生について
書きたいと思いますグッド!


正直、センター入試として
知っておくべき画家か?といわれると…
どうなんでしょう…
世界史受験の専門家でもないので、
断言はできないのですが

ひとつ、「宮廷画家」という くくりで
西洋の画家をとらえる視点は、
持っておいてもいいんじゃないかな って
しぐは 考えますひらめき電球

実は、この問題の 選択肢
ホルバイン と ベラスケス は
両方とも、宮廷画家になった経験がある
人物なんですえっ

ただし、どの国の宮廷画家か?
それぞれ違う。

ホルバイン ⇒ ドイツ(神聖ローマ帝国)出身、のちイギリスの宮廷画家

ベラスケス ⇒ スペイン出身、のちスペインの宮廷画家


もっと言うと、このふたりは
生きた年代が ぜんぜん違っているので
選択肢を切るとしたら、
年代で判別する という手もあるけど…
次回以降 書きたいと思いますパー


さて


ハンス・ホルバイン(1497年/1498年 - 1543年)は、
ルネサンス期のドイツの画家です
父も同姓同名で 画家なので、よく
ホルバイン(子)と表記され、区別されます

特に 肖像画が有名で、
著名人を数多く 絵にしていますグッド!
実力派の画家ってことですね!(・∀・)

世界史勉強してるひとなら、
こっちの絵のほうが 通りがいいかも?


ハンス・ホルバイン
『大使たち』
1533年 油彩、オーク材

美術の授業で使う 資料集なんかで
見覚えある!という方も
いらっしゃるんじゃないでしょうか
色々 意味深な絵ですねーー目


ほかにも 有名な絵が、



ハンス・ホルバイン
『ヘンリー8世の肖像』
1540年 油彩、パネル


ハンス・ホルバイン
『ヘンリー8世の肖像』
1537年以降? 油彩、カンヴァス

はい(・∀・)
イングランド王 ヘンリー8世ですグッド!
ホルバインは、この王の元で重用され
イギリスの宮廷画家になります

国を越えてヘッドハンティングされたのか!?
というと、まあ、そう…でもなくて、
裏事情めいたものがパー

すごく ざっくり言うと、
イギリスは 長いこと、自国の画家が
いまいち ぱっとしなかった
のだ(…)

なので、ほかの国から
助っ人外国人選手 的なかんじで
だいじな宮廷画家さえも
調達していたんですね走る人

イギリス美術は ほんとうに、
けなげに頑張るんですよパー

ただ、ルネサンスの頃は
美術と言えば イタリア中心、
その後はフランスが中心になり
やがてアメリカが メインになっていく…
という走る人

島国 置いてけぼり感
なんか随所にあるんですよね
イギリス美術がんばれ、ほんとがんばれ


ってなわけでパー


話を ホルバインに戻しますと、
彼もまた イギリスにやってきた
助っ人外国人選手(画家)のひとり
ということですねにひひ

センター問題では
エラスムスの肖像 が
ピックアップされていましたが、
ほかに どんな人の肖像画を描いたか
というと、

トマス・モア(思想家
クロムウェル(政治家
ヘンリー8世(イングランド王
ジェーン・シーモア(ヘンリー8世の3番目の妻


などなど…(・∀・)
宮廷画家のポジションを考えれば
それもまた当然ですが、
そうそうたるメンバーを
描いていますキラキラ


色んな本で ホルバインのことを
調べてみたのですが

なんか… この人、
すごく冷たい性格だった みたいな記述が
結構出てくるんで
((・∀・))
冷血漢だったんでしょうかね?

それは それとして、
肖像画も なんか すげーリアル
対象の人物を 冷静かつ忠実にとらえている感じします
細部描写も緻密で、質感が伝わります
実力は 相当のものですよ


このように ホルバインさんは
渡ったイギリスで 名声に拍車がかかるのですが
上司が あの ヘンリー8世ですから…
ちょっと機嫌を損ねたら不遇の扱いを受けた
なーんて事も あったっぽいですよえっ

むずかしいな 宮廷画家は…。

そんなこんなで、最晩年は
宮廷画家の地位を追われ、
異国イギリスの地で ひとり
ペストで没するガックリ

ちょっと報われないエンド
ホルバイン先生なのでありました(´・ω・`)

そう考えちゃうと、彼の手がけた
貴族たちの肖像画の 見え方も、
なんだか 変わってしまうなーー

権力に振り回された人生だったのかなあ、とか
せつないね(´・ω・`)



では、次回
ベラスケスについて 書いてみますビックリマーク

問題上では フェイクの選択肢ですけど、
どっちかといえば ホルバインよりも
ベラスケスのほうが 知っておいていい名前
なんでは?(・∀・)

そんなこんなです



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