2018年夏・アムステルダム訪問記 | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

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羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

 例年夏は2〜3週間、家族で遠出をする我が家ですが、今年は家族それぞれ独立の「バカンスプロジェクト」があったため、全員揃っての旅行はアムステルダム4泊5日のみとなりました。

 

1日目:夕方着

2日目:自転車レンタルして街巡り、アンネ・フランクの家

3日目:風車村・チーズ工房・木靴工房・ワッフル製造等見学ガイド付きバスツアー

4日目:ゴッホミュージアム、運河クルーズ

5日目:王立美術館、夜のフライトで帰国

 

 いろんなハイライトがありましたが、記憶に残るのは、まさかの「暑さ」。

 

 今年の欧州の酷暑は異常事態。オランダも例外ではなく、特に3日目ツアーに参加した日は体感気温35〜6℃。灼熱地獄の中、団体行動で決まったルートを決まったテンポで消化するのはなかなかきつかったです。

 

 さて、今回泊まったのは特に格式高い地区とされるヘーレン運河沿いに建つThe Hoxtonというホテル。建物はクラシカルでインテリアはレトロスタイル。スタッフは全員が若くかっこよくフレンドリー。モデルか俳優の卵さんのように粒ぞろいのルックスに私と娘らはいたく感銘を受け、ルックスが採用条件にあるんじゃないの?なんてヒソヒソやってたのですが、アムス滞在が進むにつれオランダ国民の美形率が高いのだという結論(仮)に至りました。乳製品好きもあり国民の平均身長は世界一(女性171cm、男性184cm!!)、乾燥しがちなヨーロッパにあって至る所が水辺、という環境は湿度もあり絶対お肌にも良いはず。また、彼ら、高身長のみならずスレンダーなんですよね。これは日常生活で自転車をガンガン漕いでいるからではないか、と睨んでおります。アムス市内はボートと自転車が交通手段として大活躍しており、他の欧州の都市に比べ車の量は少なめでした。そしてホテルも街全体もかっこいい若者でいっぱいに見えたのは思い過ごしではありませんでした。なんと、アムステルダムの住民の約半数が35歳以下なのだとか!

 

 自転車はがっしりクラシックな造りで、荷物はがっつり前に載せる式。よくファッション雑誌に紹介されるようなおしゃれに飾られた代物なんぞには全く出会わず、あくまで質実剛健実用第一の自転車が主流です。No frills。アホみたいに重くて太い鎖はヨーロッパでは盗難防止の必需品。それだけで自転車がずっしりと重くなってしまうけど仕方ありません。レンタルする時は、ハンドブレーキではなくバックペダルブレーキ式の「ダッチ・バイク」が割安です。私は安全のため慣れたハンドブレーキ一択でしたが。(自転車についてはこちらを参照)

 

運搬用のカゴは木製だったりプラ製だったり。鎖チェーンをしっかり結びつける

前の木箱は子供を乗せる用

 

 スイスだと自転車用道路は単に車道に線引きされてるだけだったりしますが、オランダはほとんどの道路できっちり分離されています。ただし、スクーターもこの自転車道路を使ってよいらしく、いきなりすぐ脇を追い越されるのは怖かった…。観光客はこの自転車専用道に気づかず歩道のつもりでウロウロしたりしがちだし、道を渡る時も車道の前に自転車専用道路を横切ることになるので注意が必要。レンタル自転車の観光客はノロノロ走行なので地元民が追い越しやすいよう右端に寄って走る気遣いも大切。他にこういう↓面白い乗り物をちらほら見かけました。

 


 

 

 これは一体?とググってみると、身体障害者用の乗り物だそうで、自動車免許は必要なく自転車専用道や歩道を走れるとのこと。持ち主の必要に応じて様々なオプションがあり、出入りが楽なように運転席が外までスイングしたり、後ろから車椅子のまま出入りして運転できるタイプもあるとか!

 

 乗り物といえば、一見普通に見えたトラムにも独自色がありました。長い連結車両でドアはたくさんあるのに運転席のドアともう一つ中程にあるドアからしか入れない仕様になっていて、不思議だな?と思っていたら、ドアが開いて現れた中の光景にびっくり。なんとあの狭い車内にビルの受付か?と見紛うような立派な車掌用ブースがデーンと設置されていたのです。その中に座った車掌が、スタバの紙コップを持って乗り込もうとした客に大声で「No coffee!(オランダでは公共交通機関内での飲食禁止)」と乗車拒否したり(汗)、「入り口付近で止まらずどんどん中に詰めて!」とガンガン司令を飛ばすのでした。 

 

 運輸運送手段といえば、パリ・セーヌ川のバトームッシュタイプのガラス屋根付きの観光クルーズ船や、オープンタイプでシャンペンボトルの詰まった氷のバケツをこれ見よがしに舳先に置いたデカダン型ボートなどが運河を行き交う中、一番感動したのはオレンジと赤に塗られたDHLの配達船を見かけた時でしょうか。DHLも運河で配達とはさすがオランダ。そういえばクルーズ船からBooking.com社の建物を見つけた時もおおっ!となりました。オランダに本社があるのは知っていたけれど、なんだかバーチャルな企業というイメージだったので、やっぱり実際に社屋があるんだ…と貴重なものを目撃した気分でした。

 

車両は天然ガス車だそうです

 

 

水上から見たエルミタージュ美術館のアムステルダム分館。こんなのあるの知らなかった

 

 さて、旗を頭上高く掲げたガイドさんの後にゾロゾロついていく観光ツアーなんて…と偏見たっぷりなうちの家族ですが、自分としては今回はぜひ風車を見たかったし効率よく郊外を回りたくもあり、事前にトリップアドバイザーでツアーを探して予約していきました。これがなかなかよかったのですよ〜。サイトのレビューに、出発時間を待たず出発してしまうことがある、という苦情を見たので用心して10分前には所定の場所で待機していましたが、出発2〜3分ほど前にツアー名を書いたプラカードを掲げた赤い制服のおばさまガイドがおもむろに現れたかと思うと「はい、このツアー参加の人は私についてきてねー」とあっさり一言、人数確認するわけでもチケットを見るわけでもなく、ほんとにさっさと歩き出してしまったのですw オフィスからバスの乗り場までは離れているので、マジで1分集合に遅れてもアウトでした。彼女の後をあわてて追った参加者らは、のっけから時間厳守が死活問題に関わると身に染みたはず。実際、7時間にわたり時間厳守で遂行されたツアーはほんとに終了予定時刻ぴったりに解散したのでした…。

 

 アストリッドさんという名のそのおばさまはめちゃくちゃ有能でパワフルなガイドさんでした。英西独の3ヶ国語を流暢に操り、猛暑の戸外でも暑そうな様子も見せず豪快に笑い、喋り、テキパキと、しかし楽しませながらプログラムを進めていくプロ中のプロでした。そして、ザーンセスカンスの風車小屋やフォーレンダムの郷土博物館にチーズ工房、マルケンの木靴工房など、各所のスタッフに「なんでここで働いてるんだろう…」と思うような俳優・モデルばりの美男美女がいたのはやはりさすがというべきか(どうしてもそこに注目してしまう私たちw)。

 

ザーンセスカンス

 

足元はよく見ると砂ではなく貝殻だった。干拓前は海の底だったことが分かる


 

フォーレンダム博物館の特別コーナー。この装飾は意外な物でできている

 

近くに寄ると…

 

実は葉巻のラベルなの。ポケモンカードのように大人が夢中になって収集した挙句このようなことに

 

フォーレンダムは変わり者が多い土地らしく、その博物館も面白すぎた

ランダムな人形を展示に多用

 

 ところで、フォーレンダムの港のレストランでのランチ中に次女が頭痛を訴え始めました。彼女、視野狭窄を伴う偏頭痛持ちなので事態は結構深刻です。それなのに薬を持ってきていないというので、私と次女はランチ後のワッフル工房見学はパスして、まずは水を買いに出かけました。暑い中、少し歩くとデリカテッセンがあり、そこで飲み物をゲット。店の若い女性に事情を説明して薬局が近くにないかと聞くと、角のドラッグストアでジェネリックのパラセタモール(欧州でポピュラーな鎮痛薬の有効成分)が買えるとのこと。ツアー御一行はワッフル工房見学後、ボートに乗り込み次の目的地に向かう予定だったので死んでも遅れるわけにはいきません。とりあえず次女だけをワッフル工房に向かわせ、私はドラッグストアを探しに急ぎました。幸い店も薬もすぐに見つかり、少しレジに並ぶと自分の番に。財布から20ユーロ札を出して払おうとする私に、レジのお姉さん、なんと「1ユーロ」だと言うではありませんか。1ユーロ?へ?50錠入りの頭痛薬がこの値段? 確かにスイスはヨーロッパでも医薬品の値段が飛び抜けて高いことでよく問題になるけれど、この値段はさすがに…ほんとに効くのか心配になるレベル。スイスの10分の1以下では?思わず「わんゆーろ!?」と叫んだ私に他の客が「安いでしょw」と。20ユーロ札は引っ込め1ユーロコインを出し、半信半疑で店を出たのでした。このクソ暑い中走るなんてトホホ…となりながらワッフル工房に駆け足で急ぐとちょうど見学が終わり一行がゾロゾロと船着場に向かうところでした。ちなみに薬はちゃんと効きましたw

 

めちゃウマなチーズたち。工房の売店で試食しあまりのウマさに慌てて購入

 

 後半2日間は気温も下がり、少々雨に降られたりもしたものの観光にはいい気候。毎日1万5千歩歩きましたよ。普段1000歩行かないことも多い人が。その他「ワインを150〜180mlとたっぷり注いでくれるのが嬉しい(スイスは100ml)」「みんな英語が流暢だしネイティブよりアクセントがなくわかりやすい」「そしてドイツ語にも似ているので書いてあることがなんとなくわかる」など楽しい思い出を胸にオランダを去ろうとしたのですが、最後の最後でトラブルが。通過するドイツの悪天候のためにフライトが土壇場でキャンセルになってしまったのです。やむなく急遽エアポートホテルに部屋を取りもう1泊する羽目に…。やはり最後まで異常気象に祟られた。もともと直行便で1時間で着くはずが、翌日の振替便はフランクフルト乗り継ぎになってしまったため何時間も余計にかかりました。そしてやっぱりドイツはまだ気流が不安定だったのか、一度機体が激しく揺れてジェットコースター化し、乗客の飲み物が噴水となって天井に噴き上がり雫が落ちてくるという事件までオマケに付いてきました。乗客はみんな「おおっ」となった後は笑ってましたけどw

 

 国外旅行前にはその国について書かれたものを読んで準備バッチリな人も多いと思いますが、自分は行って興味を惹かれたこと、気になったことを後から調べるタイプ。干拓の歴史などオランダに関しては知りたいことが山ほど湧いたところで、スキポール空港内の書店で偶然見つけたこの本「Why the Dutch are Different」。オランダに移住した英国人ライターの文章がユーモラスで小気味よく、今夢中になって読み進めています!

 

機内で早速読み始める。スイスインターナショナルはワインもスタイリッシュにボトルでのサービス。

スターアライアンスグループだよ♪

 

 

色々知っていると面白いアムステルダム豆知識

 

XXX(本当は縦並び)はいたるところで見かけるアムステルダムの市章。「ペスト」「火」「水」という市の3大災厄の象徴らしい。

 

多くの建物の正面が前に傾いているのは家具などを屋根の下についた滑車を使い窓から出し入れする時外壁を傷つけないため

アパート内部はエレベーターもないところが多く、階段も急で狭い

 

しかしこの建物の歪みはおそらく埋め立てで地盤が緩いせい