早朝、ハムスター達は寒さと地面の硬さに耐えかね目を覚ます。





正確には痛すぎてほとんど眠りにつく事ができなかった。


最悪な居住空間は各自に悪夢を見せたらしく、うめき声が聞こえた。


窮屈なテントから抜け出し、周囲を見回す。





ゴツゴツとした岩山に囲まれた水辺は朝霧に包まれ幻想的な風景が広がっていた。


暇だし軽く釣りでもしようとキャスティング用のスピニングタックルを用意し、数十メートル先の水辺へ向かう。





ゴールドカラーのスプーンを魚が溜まっていそうなポイントに遠投し、ゆっくりと巻く。


未知の水辺でのファーストキャストほどドキドキする事はない。


「一体どんなサイズの魚が釣れるのだろう」とかニヤニヤしながら妄想が先行するのだが、だいたい釣れない。


世の中そこまで上手く行くはずもなく、今回もいつものように魚の反応もない。


強いて言えば足元手前までスプーンサイズの小魚が付いてくるのみだった。


ポイントを変えようと坂道を登って良さげな場所を探すも、斜面が急すぎてとてもじゃないが行ける気がしない。


再度元いた場所へ戻り、釣りを再開。


そして再開直後の数投目にドスッと重い引きがロッドに伝わる。





ウソ!?魚が来た。


ロッドから伝わってくる感覚からして中々のサイズかもしれない。


隣でロッドを振っていたタイシを呼び、魚がヒットした事を伝える。


中々寄って来ない魚にタイシもサイズが気になるようだ。


恐らく8キロ位のサイズじゃないかと憶測で言っては見たが近づくにつれ魚影が見え隠れする水

面に息を飲んだ。


特長的な面長の顔、間違いないマンガルだ。


しかもデケー!!!!


皆を起こすようタイシに指示し、左右に泳ぎ回るマンガルをうまくいなしながら岸に近づける。


正直、信じられない。寝起きでトロフィーサイズのマンガルがヒット、しかも試し釣りで釣れるなんて。


信じられなかった。フォービドゥンプレイス半端ねえな!!!





岸際まできたマンガルを湖の中へ無我夢中で入り分厚い唇を手でがっちりと掴みランディングした。


ファーストフィッシュは20kgのマンガルだった。


うおおおおお!!!かっけー!!!かっけーマンガル!!!


感動した。









あっさり釣れすぎて拍子抜けした。


こうして俺の旅は終わった・・・・。円は閉じたのだ。


メインのボートフィッシングが始まる前に俺の旅は終を迎えたのである。


今の気持ちを言葉で表現するとすればこれしかなかった。


「早く日本へ帰りたいっ!!!!(泣)」





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