ツギハギ切断劇場
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今日はもう一つ記事を書いてます。武装神姫です。よろしく。


この記事はジョジョ、西尾維新、刀語、舞城王太郎、九十九十九、ディスコ探偵水曜日を含みます。と言えば周りの人も読んでいただけるかな。お時間いただきます。

さて先日(だいたい三週間くらい前)、清涼院流水の『カーニバル』『カーニバル・デイ』を読み終えました。なんと大学の図書館にあったのです。カーニバルシリーズ
一作目『カーニバル・イヴ』はどうしてかありませんでしたが、あれがほぼ日常回というのは風の噂で聞いているので、とりあえずはいいかな。以下ネタバレあり。ここの読者は興味無いかもだけど、読んで。



知らないひとにざっくりあらすじ;JDC(日本探偵倶楽部)本部ビル、爆発!世紀の「犯罪オリンピック現象」が始まった!一瞬にして次々と破壊される世界各地の名所、正体不明の熱病「アライヴ」、世界中で推理小説級の凶悪犯罪が増加、毎日400万人もの人間が死亡!!!裏で暗躍する巨大秘密結社「RISE」と、組織の擁する巨人「ビリオン・キラー」のトリックとは!?爆発と共に消えた総代・鴉城蒼司。ついに暗殺された超絶メタ探偵・九十九十九。世界中に散らばった名探偵たちは、崩壊しかかったJDCは、人類の絶滅を止められるのか…!?



さて感想ですが。それ以前のJDCシリーズ『コズミック』『ジョーカー』ではまだまだミステリの奇書としての色合いが強かったのに対し、こちらの真相はほぼ完全にSFになってました。さすがにスケール大きすぎて最後自供だったし。いや、人類にそんな能力無いから…

最後の最後、人類崩壊の鍵を握る謎と人物が、萌えキャラ(90年代当時はもちろん現代でも通じるレベル)だったし。恐ろしい。



しかし読めてよかったですよ。かの西尾維新と舞城王太郎がどんだけこの『カーニバル』から影響受けてるか、よくわかりました。

舞城は二作目の『暗闇の中で子供』で名前を出したことから始まり、JDCトリビュートであり舞城ミステリ、舞城文学の傑作『九十九十九』にもしっかりと骨子として生きている。そしてかの最高傑作『ディスコ探偵水曜日』では、根底で語られる世界観が『カーニバル』と全く同一であるという、お前どんだけ影響受けたんだかっわいいなぁという事態に。

西尾維新も、過去作品全体としては影響は薄いものの、かつて清涼院流水の『パーフェクト・ワールド』と共に講談社BOXで12か月連続刊行された『刀語』、あれにかなり影響が見受けられました。だって…あれ…いくら他の現代SFでも使い古された手法とはいえ…四季崎と変体刀、完全にビリオン・キラーのトリックまんまじゃん!

どんだけ一緒に仕事出来たのが嬉しかったのよ!清涼院護剣寺じゃ足りなかった!?いやいやいやいやかっわいいな!

余談ですが、無関係なのに発生した若干の奇跡として『ジョジョ』6部との奇妙な類似があります。どうして取り上げるかって?西尾維新も舞城王太郎もジョジョのノベライズしてるから。それぞれ少しながら影響受けてる、影響受けざるをえない部分が散見されました。ただ、どちらででも取り上げるべきジョジョとカーニバルの共通点が完全にスルーされてたのがちょっと残念。おい。

でも両方の作家(西尾維新と舞城王太郎、清涼院流水と荒木飛呂彦)がこれでより好きになりましたね。吹き荒れるオマージュの嵐、溢れ出す敬愛。最高。彼らが好きでよかった。