一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)/ジョージ・オーウェル
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『一九八四年』
ジョージオーウェル著
高橋和久訳
この作品はすごい。とにかくすごい。
単なる小説として読んでも身震いするくらい面白いが、作中に表れる様々な思想には本当に考えさせられることが多い。
しかもそれは読者の経験や知識などによって様々な意味へと変化する普遍性を持つものであるから、何度読んでも違った体験をすることができる。
とにかくまだ読んだことがない人は一度手にとって読んでみてほしい。
ちなみにオーウェルの代表作である『動物農場』を先に読んだ方が少し繋がりを感じられていいかもしれない。
正直今の自分の頭ではいくら考えても納得する一つの考えにまとめることができず、まともな感想は言えそうにないのだが、一つだけ『動物農場』と『1984年』を通して確実に言えるのは“考えることを止めてはいけない”ということだろうと思う。
考えるには比較する為の材料、例えば歴史が必要となる。そして考える為の言語が必要となる。更にその考えを発言できる自由な場が必要となる。
自由が奪われ言語が消滅し歴史が書き換えられれば、人は考えることができなくなる。それこそ『1984年』の世界になってしまう。
しかし今はまだそれらが残っている。考えることができる。
手遅れになる前に考えなければならない。考えることを止めてはいけない。
今の自分が受け取れたことはこれが精一杯。でもそれはまだ考える余地があるということ。また何年か後に読めた時、何を感じることができるか楽しみである。
という感じで今回はこの辺で。
んではでは!