秋は冬に恋をする秋は冬に恋をする 秋は決心した艶やかな重ね着を脱ぐことを 冬に近づくにはこれしかない ためらいながら一枚一枚ときおり風が手伝うのを 冬は静かに見つめている 秋の一途さにうたれ冬は新たな衣の用意を始めた 一枚目は軽やかな白いレース そして 裾の長い純白の真綿のドレス 秋は冬にいだかれて時を超えた時間を過ごす やがて 光がやってきて 春の受胎を告げるまで