明山頂上から竜神川上流を見渡すと、奥久慈や武生の山々が竜神川を取り囲んでいるのが
よく見えます。 なんとなく、湯檜曽川を取り囲む谷川連峰馬蹄形縦走路を思い出し、奥久慈版
の馬蹄形縦走はできないか? と考えました。 奥久慈トレイル50Kmは、今回のコースと類似の
コースを含みますが、奥久慈岩稜の尾根を歩き、周囲をピークハントするような記録は、検索
しても見つかりませんでした。 とりあえず、先週、先々週とコースの下見をして検討したところ、
過去の記録が無い理由として次の2つを推測しました。
(記録が無いのではなく、見つからなかっただけかもしれませんが・・・)
①距離が長い
自分の過去の記録を参考に所要時間を計算すると、12時間30分かかる計算になった。
(昼食休憩30分込)
夏は気温が30℃以上に上昇し、ヤブに覆われる個所もあるため困難になる。
秋~冬は日照時間が短いため、明るい時間帯に周回するのは難しい。
(トレイルなら昼間の周回は十分可能だと思うが・・・)
チャンスがあるとすれば、春頃か?
②コースの半分は舗装された道路
武士林道等の舗装道路を歩く距離が長いため、魅力を感じにくい。
ここで、①と②を合わせて考えたところ、実行できそうに思えてきました。
この時期は日照時間が短いが、長い舗装道路を夜明け前及び日没後の時間帯に歩くように
すればなんとかなりそうです。 スタート地点を竜神ダムの駐車場に決め、夜明前の暗い
時間帯に竜神ダムの遊歩道を歩き、明るくなってきた頃に亀ヶ渕から明山を登る。
あとは、上山ハイキングコースから奥久慈岩稜、奥久慈男体山、白木山、高崎山を経て武生
林道を南下する。 日没は中武生山あたりになるが、その後は再び林道歩きになるので、
ヘッドライトで十分に戻ってこれる。 あとは体力だが、コースの約半分が林道歩きなので、
なんとかなるでしょう。
尚、コースを地図で確認すると、縦に細長くなるので、馬蹄形縦走のネーミングには無理が
ありました。 なので、『竜神峡~上山~奥久慈周回』 に落ち着きました。
<①竜神ダム~亀ヶ渕~明山>
竜神ダムから亀ヶ渕まで遊歩道を歩き、亀ヶ渕から明山頂上を目指します。
竜神ダム駐車場。
周囲は真っ暗で、駐車場にあるトイレに入るのも、ちょっぴり怖い。
ま、そのうち明るくなってくるので、こんなのでビビっていてもしょうがない。
ヘッドライトを点灯し、いよいよ奥久慈周回スタートです。
05:58
ようやく薄らと周囲が明るくなってきた。
時々、闇の中から獣(?)の鳴き声が聞こえ、思わずハッと身構える。
この辺りは熊はいないから大丈夫、と自分に言い聞かせて先を急ぐ。
今日は、トレッキングシューズと間違えて安全靴を持ってきてしまったため、安全靴
で進みます。
V字の隙間から見えるあの山は・・・形からすると最初に登る予定の 『明山』 だな。
だいぶ周囲があかるくなってきた。 もうヘッドライトは必要無いでしょう。
遊歩道脇に東屋が出現しました。
東屋の上(左側)に見える 『明山』 を目指します。
亀ヶ渕に到着。
予定よりも10分程早い到着です。
今日は長距離になるので、計画時の到着時刻より、少しでも時間を短縮しておきたい。
(計画と比べて約10分の貯金)
美しい雑木林の中、大きな岩がゴロゴロした急な坂道を登ります。
ここを歩くのは2年ぶりですが、秋に歩くとこんなに素晴らしいコースだったとは。
明るくなるにつれて、美しい紅葉に囲まれていることを実感してくる・・・。
左へ進み、明山頂上を目指します。
写真の右上の方向に明山の頂上があります。
両手で木の根等を掴み、四足で登って行きます。
計画よりも15分早く、明山頂上に到着。
2週間ぶりです。
2週間前は、ここから今日のコースを眺め、『現実的に無理そうかな~』 と諦めかけましたが、
なんとか実行に漕ぎ着けました。
頑張って奥久慈周回を達成しよう・・・!
写真右下から中央上に走る谷が竜神川です。
左上のピークが奥久慈男体山、中央奥のピークが白木山、同じ尾根上の右のピークが
高崎山、そして一番右の二股の山が中武生山です。
これらの山を周回して竜神ダムに戻ります。
こうして見ると、改めて今日のコースが長距離なのが良くわかります・・・。
奥久慈男体山の手前にかぶっているピークが、多分、籠岩山ではないかと思います。
(もし、違っていたら、御指摘ください)
籠岩山は、この後に目指す山です。
白木山は2年前に1度登っています。
高崎山は、今回初めて登頂の予定です。
計画では、中武生山あたりで日没を迎えることになります。
中武生山も、今回初めての登山になるので、できれば日没前に登るようにしたいです。
(日没後、暗くなった場合には、登山を見送る可能性があります)
武生神社があります。 ここも今回のコース上です。
橋の向こう側が今回のスタート地点及びゴール地点となります。
<②明山~一枚岩~籠岩山>
明山から上山ハイキングコースにて籠岩方面に向かいます。
明山頂上で10分程休憩後、次の目的の山 『籠岩山』 を目指します。
籠岩山までは 『上山ハイキングコース』 を歩いていきます。
写真は、三葉峠付近から烏帽子岩方面に伸びる尾根を写したもの。
素晴らしい紅葉が朝日に照らされ、黄金色に輝いていました。
多分、あの尾根上も歩けるのだろうな。
明山の真後ろから朝日が登っています。
御来光を拝むことができました。
明山~籠岩間の上山ハイキングコースは、小さなアップダウンが多く、歩きごたえ
のあるコースです。 明るい尾根道に美しい広葉樹が生えており、紅葉時は素晴ら
しいコースとなります。 未だ早朝ですが、日中はハイカーで賑わうのだろうな~。
左下の小ピークが烏帽子岩です。 烏帽子岩の裏に亀ヶ渕があります。
右のピークが先程登った明山です。
最初に上山ハイキングコースを歩いた時、ここからの解放感がある眺めに感動しま
した。
一枚岩を後にして、籠岩山を目指します。
トレッキングシューズを忘れたために、安全靴を履いていましたが、コースの下り坂で
両足の親指の爪を痛めてしまいました。 (帰宅後に確認したら、見事な内出血でした)
今日は長距離になるので、下り坂ではスピードを出して時間を短縮したかったが、
この怪我のために、以降、下り坂ではへっぴり腰を強要されることになってしまいました。
安全靴は、全然安全ではなかったな・・・。
美しいのですが、昨年程ではないように思えます。
まだ早いのか、それとも今年はこの程度なのかも。
ここから、籠岩山までの間には高さ10Mのキレットがあります。
このキレットのため、籠岩山までのコースは 『上級者コース』 となっています。
(西上州等の上級者コースとは難度が異なりますが・・・)
奥久慈岩稜を、ぐる~っと周回して、あの中武生山を登る予定です。
垂直な岩壁を、木の弦等に捉まりながら降りてきます。
登った後は、対面の急斜面を登り返します。
もう一度、急斜面の降り・登りを繰り返して、籠岩山頂上につながる岩尾根に到着。
この岩場は見晴らしが良く、絶好の展望台となります。
だいぶ歩いてきました。
頂上からは、この次に登る予定の奥久慈男体山が見えます。
<③籠岩山~大円地越>
籠岩山から奥久慈岩稜裏縦走路にて大円地越に向かいます。
枯葉が積っていて、かなり滑りやすいです。 両足の爪は大激痛・・・。
写真のお2人は籠岩山手前の岩場でお話をさせていただいた方々です。
ここの大モミジは毎年見事です。
左に進むと表縦走路。 釜沢越から鷹取岩を経由して大円地越に向かいます。
直進すると裏縦走路。 竜神川を挟んで中武生山等を見ながら奥久慈岩稜を北上
します。
今回は、竜神川周辺の山々を周回するのが目的でしたので、直進して裏縦走路を
進みます。
籠岩山付近でお話をさせていただいた方々は、表縦走路経由で奥久慈男体山に向
かいました。
左のピークを越えて進んで行きます。
中央奥に見える山は、登山予定の高崎山です。
左に向かうと鷹取岩方面、右へ向かうと大円地越方面です。
右へ向かいます。
今日はハイカーが多く、入れ替わり立ち替わりで写真を撮影します。
足元は絶壁なので、注意、注意・・・。
櫛ガ峰から足元を見ると、眼下には大円地の集落が箱庭のように見えます。
ここから大円地越までの間には、美しいモミジ林があります。
<④大円地越~奥久慈男体山>
大円地越から奥久慈男体山一般コースにて奥久慈男体山頂上を目指します。
犬が向かってきたので、ちょっぴり緊張。
滑落したら命はありません。
奥久慈男体山山頂に到着。 計画よりも18分程早い到着です。
竜神ダムから亀ヶ渕までの所要時間が計画よりも15分早かったが、他の区間は
計画通りのタイムでここまで来ています。 かなり大雑把な時間計算でしたが、
ここまでピッタリになるとは思いませんでした。
左のピークが白木山。 右のピークが高崎山。
明山から見た時よりも、かなり近づいてきました。
社の裏は絶壁で、すばらしい展望が広がっています。
今回は東日本大震災の後なので、社の裏には行きませんでした。
山頂を後にして白木山を目指します。