電気代は下がらない。秘密裏で行っているわけではないけれど国民の目に留まりづらい、分かりづらくやっている政府。

見逃せませんが明後日が締め切りだそうです。


「新たな環境下における使用済燃料の再処理等について(案)」に対する意見募集について

平成 27 年 11 月
総合資源エネルギー調査会
電力・ガス事業分科会 原子力小委員会
原子力事業環境整備検討専門ワーキンググループ

1

目次
1.はじめに ・・・2
2.新たな環境下で生じる懸念や課題への対応の必要性 ・・・ 5
3.安定的な資金確保のための手当て ・・・ 6
4.新たな事業実施体制の構築 ・・・ 8
5.新たな環境下での関係者の責任・役割分担 ・・・11
6.留意事項 ・・・12


2

1.はじめに
我が国は、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度 低減等の観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等 を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針としている。また、 平和利用を大前提に、核不拡散へ貢献し、国際的な理解を得ながら取組 を着実に進めるため、利用目的のないプルトニウムを持たないとの原則 を引き続き堅持する。 こうした方針の下、使用済燃料の再処理等は、これまで、原子力事業 者が設備を共同で利用する共同事業として実施されてきた。しかし、平 成28年4月に開始される電力市場における小売の参入全面自由化をはじ めとする電力システム改革の進展に伴い、これまで原子力事業の前提と されてきた、地域独占・総括原価方式の料金規制による投資回収保証が 失われる。また、平成 26 年 4 月に閣議決定された「エネルギー基本計画」 において、原発依存度を可能な限り低減させるとの政府の方針が決定さ れている。こうした原子力事業をめぐる事業環境に大きな変化が生ずる 中で、原子力事業者が共同で支え合う構造にある再処理等の実施に影響 を与える可能性が生じている。 平成 26 年 6 月に総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会の下 に設置された原子力小委員会においては、こうした環境変化を踏まえた 使用済燃料の再処理等に係る課題への対応策についても議論がなされ、 平成 26 年 12 月に行われた「中間整理」において、「事業者が共同実施し てきた核燃料サイクル事業について、今後、自由化により事業者間の競 争が進み、また原発依存度が低減していく中においても、安定的・効率 的な事業実施が確保されるよう、各事業者からの資金拠出の在り方等を 検証し、この検討を踏まえて、必要な措置を講じていくことが重要」と の方向性が示された。また、第 189 回通常国会における衆議院経済産業 委員会の「電気事業法等の一部を改正する等の法律案」に対する附帯決 議においては「核燃料サイクル事業については(中略)実施主体である 認可法人に対して拠出金の形で資金が支払われる最終処分の仕組みを参 考として遅滞なく検討」を行うこととされた。 本ワーキンググループにおいては、こうした議論を踏まえ、新たな環 境下においても、使用済燃料の再処理等が滞ることのないよう、必要と なる資金が安定的に確保され、適切かつ効率的に事業を実施する体制を 整えるために必要な制度的措置について検討を行った。


3

<参考 1>エネルギー基本計画(平成 26 年 4 月閣議決定)(抜粋)
(核燃料サイクルに関する記述) ‒ 我が国は、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減等 の観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用 する核燃料サイクルの推進を基本的方針としている。 ‒ 具体的には、安全確保を大前提に、プルサーマルの推進、六ヶ所再処理工場 の竣工、MOX燃料加工工場の建設、むつ中間貯蔵施設の竣工等を進める。 また、平和利用を大前提に、核不拡散へ貢献し、国際的な理解を得ながら取 組を着実に進めるため、利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を 引き続き堅持する。これを実効性あるものとするため、プルトニウムの回収 と利用のバランスを十分に考慮しつつ、プルサーマルの推進等によりプルト ニウムの適切な管理と利用を行うとともに、米国や仏国等と国際協力を進め つつ、高速炉等の研究開発に取り組む。
(事業環境の在り方に関する記述) ‒ 原子力事業者は、高いレベルの原子力技術・人材を維持し、今後増加する廃 炉を円滑に進めつつ、東京電力福島第一原子力発電所事故の発生を契機とし た規制強化に対し迅速かつ最善の安全対策を講じ、地球温暖化対策やベース ロード電源による安定的な供給に貢献することが求められている。このため、 国は、電力システム改革によって競争が進展した環境下においても、原子力 事業者がこうした課題に対応できるよう、海外の事例も参考にしつつ、事業 環境の在り方について検討を行う。
<参考 2>原子力小委員会 中間整理(平成 26 年 12 月)(抜粋) - 核燃料サイクル事業は、各事業者毎に完結する事業ではなく、事業者が共同 で支え合い、設備も共同利用する構造にある。事業者が共同実施してきた核 燃料サイクル事業について、今後、自由化により事業者間の競争が進み、ま た原発依存度が低減していく中においても、安定的・効率的な事業実施が確 保されるよう、各事業者からの資金拠出の在り方等を検証し、その検討を踏 まえて、必要な措置を講じていくことが重要。電力市場における小売の参入 全面自由化が平成 28 年に開始されることを踏まえ、適切な場において、検 討を進めるべき。 - 具体的には、事業者が拠出金の形で発電時に資金を支払うことで、安定的に 事業実施が確保されるスキームを構築すべき。この際の事業実施主体の在り 方に関して、撤退が自由な株式会社の形態であることの課題を指摘する意見 や、事業の継続的な実施を図るため、例えば認可法人の形式等によって事業 主体を確保すべきとの意見、事業者が責任を持って事業を遂行できる体制と すべきとの意見、国が責任を負った上で民間企業へ業務を委託すべきとの意 見、民間企業の活力を損なわない形とすべきとの意見などがあったが、安定 的な事業の実施と民間活力の発揮を両立させるよう検討を行うべき。

4

<参考 3>電気事業法等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議 (平成 27 年 第 189 回通常国会(衆議院経済産業委員会)) - 原子力事業者が共同で実施してきた再処理等の核燃料サイクル事業や原子 力損害賠償制度については、小売全面自由化により競争が進展し、また、原 子力依存度が低減していく中においても、安定的・効率的な事業実施が確保 される必要があることから、国と事業者の責任負担の在り方を含め、遅滞な く検討を行うこと。特に、核燃料サイクル事業については、民間企業の活力 の発揮を前提としつつ、実施主体である認可法人に対して拠出金の形で資金 が支払われる最終処分の仕組みを参考として遅滞なく検討を行い、電力市場 における小売全面自由化が平成二十八年を目途に開始されることを踏まえ て、措置を講じること。
<参考 4>核燃料サイクルの意義 - 国内にウラン資源が殆ど存在しない我が国において、再処理等により得られ るプルトニウム・ウランを有効利用することは、エネルギー安定供給やエネ ルギー安全保障上、重要な意義がある。 - 軽水炉再処理により、高レベル放射性廃棄物の体積を約 1/4 に低減可能。ま た、一定期間経過後の潜在的有害度を直接処分の場合と比べて大きく低減さ せることができる(例えば、1000 年後に約 1/8 に低減)。さらに、高速炉/ 高速増殖炉サイクルが実用化すれば、高レベル放射性廃棄物中に長期に残留 する放射能量を更に少なくし、発生エネルギー当たりの環境負荷を大幅に低 減できることが期待できる。
<使用済燃料の再処理による高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減について>
※1 数字は(国研)日本原子力機構概算例。直接処分時のキャニスタを 1 としたときの相対値を示す。
※2 上欄は、廃棄物量の潜在的有害度がそれに見合う発電に必要な天然ウラン量のものと等しくなる期 間を示す。下欄は、直接処分時を 1 としたときの相対値を示す。(出典:原子力政策大綱)

5

2.新たな環境下で生じる課題や懸念への対応の必要性 今後、電力システム改革による競争の進展や原発依存度の低減といっ た事業環境の変化により、使用済燃料の再処理等の実施に当たって、(ⅰ) 安定的な資金の確保、(ⅱ)確実な事業実施の担保、(ⅲ) 適切かつ効率 的な事業実施の確保の観点で以下のような課題や懸念が顕在化するおそ れがある。
(ⅰ)安定的な資金の確保に関する課題 現行の積立金制度では、積み立てた資金は各原子力事業者に帰属して おり、日本原燃株式会社(以下、「日本原燃」という。)に対する法律上 の支払義務も課されていない。電力システム改革に伴って地域独占・総 括原価方式の料金規制による投資回収保証が失われた競争環境下にお いては、原子力事業者が破綻した場合など、使用済燃料の再処理等に必 要な資金が安定的に確保できなくなる可能性がある。
(ⅱ)事業の実施体制に関する課題 これまで、使用済燃料の再処理等の事業は原子力事業者の共同事業と して実施されてきたが、電力システム改革の進展に伴い互いに競争関係 となることや原発依存度の低減など、これまで前提とされてきた環境が 変化することによって事業の実施が滞る可能性がある。
(ⅲ)事業運営の在り方に関する課題 再処理等の事業は、実態上、競争環境に置かれておらず、特殊な環境 下で事業が実施されており、事業全体が効率的な運営がなされているか、 課題に適切に対処しているかといった観点からのガバナンスが働きに くい。
一方で、使用済燃料の再処理等は新たな環境下においても滞らせるこ とのできない事業であることから、政府においては、本報告を踏まえ、 これらの課題や懸念に対応するために必要な措置を適切に講じるべきで ある。 ただし、検討に当たっては、原子力事業者が使用済燃料を発生させた 主体として、発生者負担の原則に沿って、引き続き、責任を果たすこと を大前提とすべきである。


6

3.安定的な資金確保のための手当て
(1)積立金制度の拠出金制度への変更 現行制度下において、原子力事業者は「原子力発電における使用済燃 料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律」に基づき、 発電量に応じて、使用済燃料の再処理等の実施に必要な費用の一部を電 気料金で回収しこれを積み立て、必要に応じて積立金を取り崩し、現業 を行う日本原燃等に対して支払いを行っている。 今後は、再処理等に必要な資金を確実に確保するため、この積立金制 度を改め、原子力事業者に対して毎年度、発電量に応じて再処理等の実 施に必要な費用を再処理等の実施に責任を負う主体(以下、「新法人」 という。詳細は 4.参照)に拠出することを義務付け、拠出された資金 を新法人に帰属させる制度(「拠出金制度」)に改める。 その際、拠出金の額は、新法人において事業全体に要する費用を精査 した上で毎年度の発電量に応じて拠出すべき額を決定し、各原子力事業 者に通知・徴収することを原則とする。なお、将来的に何らかの事情に よって事業全体に要する費用が変動した場合には、その費用の精査を行 った上で原子力事業者間の公平性等にも留意しつつ、将来の拠出金額に 適切に反映することで、全体として長期的に安定して必要な額を確保す ることとする。 これにより、毎事業年度ごとに、その時点で原子力事業者が負うべき 費用負担の責任(義務)を確実に果たさせる。 また、拠出金制度への移行に伴い、これまで原子力事業者ごとに管理 されていた資金を一括して管理・運用することにより、より効率的な資 金運用を可能とする。
<参考 5>資金の流れのイメージ

7

(2)拠出金制度の対象となる資金の範囲 現行の積立金制度においては、一部の使用済燃料が積立の対象とされ ていないが、新たな事業環境の下においても、使用済燃料の再処理等が 滞ることのないよう、必要な資金を将来にわたり安定的に確保し、適切 かつ効率的に事業を実施する体制を整えるという今般の措置の目的に 鑑み、拠出金制度においては、現行の積立金制度の対象となっていない 使用済燃料も含め、全ての使用済燃料を対象とする。(※) また、再処理工場での工程と不可分な関連事業(MOX 加工事業、廃棄 物処分等)の実施に要する費用についても、制度の趣旨に鑑みて拠出金 制度の対象とする。これにより、万一、原子力事業者が破綻した場合に も関連事業を含めた事業全体について確実に資金を確保する。
※現行制度下においては、現時点で各原子力事業者が六ヶ所再処理工場にお いて再処理を計画している使用済燃料が積立の対象となっている。
<参考 6>拠出金制度の対象イメージ
(3)制度移行に伴う措置 拠出金制度への移行に当たっては、既存の積立金や積立金制度の対象 とされていなかったものに係る資金が円滑に拠出されるよう以下の措 置を講じる必要がある。
①既存の積立金の扱い 現行の積立金制度に基づいて積み立てられた資金※については、制 度移行に伴って、過去に発生した使用済燃料の再処理等に係る資金と して一括して原子力事業者から新法人に対する拠出金として移管す ることとする。ただし、その際、資金運用等の実務に支障を来さない よう、適切な措置を講じる必要がある。
※平成 26 年度末時点の積立残高は 2.4 兆円

8

②積立金制度の対象とされていなかったものの扱い これまで積立金制度の対象とされておらず、今般の措置に伴って新 たに対象となるものについては、過去に発生した使用済燃料に係る資 金の拠出を追加的に原子力事業者に義務づける必要がある。このよう に過去の時点に遡って原子力事業者に対応を義務づける部分につい ては、例えば、適当な期間での分割拠出を認める等の適切な激変緩和 措置を講じることとする。
※現行の積立金制度の導入時には、制度導入前に発生した使用済燃料に係 る積立金について、平成 17 年度~平成 31 年度の 15 年間以内に積立を行 うこととされた。
※積立金制度から拠出金制度への移行に伴い、必要となる財務・会計等に 関する措置についても、制度移行までに適切な対応が必要となる。
4.新たな事業実施体制の構築 (1)新法人の創設 使用済燃料の再処理等を滞りなく実施するためには、新たな環境下に おいても確実に事業を実施することができるよう、以下を踏まえて、事 業の実施に責任を負う法人を設置する必要がある。
①新法人が備えるべき性格と法人形態 再処理等はこれまで民間主体で事業が実施されてきた経緯があり、 関連する技術や人材が民間に集積していることなどから、引き続き、 民間を主体として事業を行うことが適切である。一方、使用済燃料の 再処理等を滞りなく実施し、その責任を確実に全うさせるため、新法 人は、独自の判断によって解散ができない法人であることに加え、例 えば、拠出金を強制的に徴収する権限を付与するなど、資金を確実に 確保するために必要な措置を講じることが必要である。 こうしたことを踏まえ、新法人は、民間主導で設立される一方で、 国が必要な関与を行うことができる(解散を制限することができる) 「認可法人」として設立することが適当である。

9

<参考 7>主な法人形態の比較
②新法人の業務 拠出金制度への移行後、新法人が再処理等の実施に責任を負うこと は既述のとおり。一方で、現在、我が国で再処理等を実施している原 子力事業者は日本原燃のみであり、再処理等に係る技術、人材、設備 等は特に日本原燃に集積されている。これらを散逸させることなく有 効に活用することは、再処理等を適切かつ効率的に進める上で重要な 視点であり、これらを最大限に活用するため、新法人が実際の事業実 施を民間事業者(日本原燃を想定)に委託することも可能な仕組みと する。 こうしたことを踏まえ、新法人が行う主な業務は、以下の 3 つの業 務とすることが適切である。
(ⅰ)関係する事業全体を勘案した実施計画の策定 (ⅱ)拠出金額の決定、拠出金の徴収・管理 (ⅲ)再処理等の実施又は実施する事業者の選定、管理・監督
③新法人の安定的運営のための方策 新法人が業務を実施するために必要な費用は、原子力事業者から徴 収した拠出金によって賄うことを原則とすべきである。しかし、新法 人の資金需要は、再処理施設等の設備投資等に必要な資金に依存する ため、設備の更新等に伴って一時に巨額な資金が必要となった場合に は、その時点までに拠出された資金では一時的に現金が不足する可能 性も否定できない。

10

こうした事態が生じた場合にも、事業の実施に影響を及ぼすことが ないよう、新法人自らが資金調達を行うことが可能となるよう適切に 措置を講じることとする。
(2)新法人の適切な運営を担保するための手当 新たな環境下においても、新法人が滞りなく再処理等を実施できるよ う適正なガバナンスを働かせる観点から、以下のような措置を講じる必 要がある。
①外部有識者を構成員に含む委員会による適切な運営の担保 実態上、競争環境に置かれているわけではない再処理等の事業全体 が適切かつ効率的に運営され、かつ、長期にわたる事業の技術的課題 等に適切に対処しているか等を、透明性を向上させつつ、客観的に継 続してチェックする必要がある。このため、新法人に、再処理を含む 原子力事業や関連する技術、経営・金融、プロジェクト・マネージメ ントの専門家等の外部有識者を構成員とする運営委員会(仮称)を意 思決定機関として設置し、拠出金額の決定や実施計画等の重要な事項 の意思決定、実際の事業実施を委託する際の管理・監督等に関与する 仕組みとする。また、併せて新法人の事務を担う事務局を設置する。 なお、新法人の業務執行に責任を負う役員と業務を監督する役割を 担う外部有識者が重要な意思決定に関し、同一の場で議論を行い、結 論を導く観点から、役員を当該委員会の構成員に加えるべきである。 その際、外部有識者の意見が適切に反映されるよう、委員の人数構成 等については適切な配慮を行うことが適当である。
②国による適切な運営の担保 新法人による拠出金額や実施計画等の重要事項の決定、役員や外部 有識者の人事等については、国が承認・認可等を行うこととする。ま た、国が重要事項に関して一定の命令権限等を持つことにより、新法 人の適切な運営の担保を図る。
③原子力事業者のコミットメント、日本原燃に関するガバナンスの確保 原子力事業者は、使用済燃料の発生者、日本原燃の出資者として、 原子力事業者の共同事業である日本原燃の事業が着実に実施できるよ う経営に関与するとともに、技術・人材などの必要な支援・協力を行 うことで、むしろ、その運営にこれまでにも増してコミットするべき である。 その上で、新法人が日本原燃に業務の委託を行うに当たっては、技 術的課題等への対応を含め、適切に事業が実施されているかに留意し つつ、例えば、日本原燃に効率化を行うインセンティブが働くような 契約形態とするなど運用面で工夫を行う必要がある。

11

また、日本原燃には、新たな体制の下、事業の執行を主体的に行う ことが求められる。
<参考 8>新法人に係るガバナンスの在り方のイメージ
5.新たな事業環境下での関係者の責任・役割分担 上述の使用済燃料の再処理等に係る制度や体制の変更を検討するに当 たっては、新たな環境下において、原子力事業者、新法人、国の三者間 の責任・役割分担を、これまでの経緯や新たな環境下での懸念や課題等 にも十分に留意のうえ、再確認する必要がある。具体的には、以下のよ うな責任・役割分担の下で事業を実施することが適当である。
(ⅰ)原子力事業者が担うべき責任・役割 使用済燃料を発生させた主体として、発生者負担の原則に沿って、使 用済燃料の再処理等が適切かつ効率的に実施されるよう、引き続き責任 を果たすことを大前提として、再処理等に必要となる費用を拠出金とし て負担し、機微な扱いを要する物質等を適正に管理する。

12

また、既に蓄積された技術・人材を散逸させず最大限に活用する観点 から現業を担う日本原燃の経営に関与するとともに、技術・人材等の面 での必要な支援・協力を行うことで、その事業運営にこれまでにも増し てコミットすべき。加えて、新法人に対しても必要な支援・協力を行う。
(ⅱ)新法人が担うべき責任・役割 原子力事業者から受け取った拠出金に係る使用済燃料の再処理等の 適切かつ効率的な実施に一義的な責任を負う。加えて、関係する事業全 体を勘案した実施計画の策定等を通して、総合的なマネージメントを行 う。
(ⅲ)国が担うべき責任・役割 適切かつ効率的な事業運営を担保するため、新法人のガバナンスに関 与する等、必要な関与を行う。また、再処理等の事業を適切に実施する ことができるよう制度面で必要な措置を講じる。
6.留意事項
使用済燃料の再処理等は、事業期間が長期にわたり、巨額な資金を要 する特性を持つプロジェクトであり、電力自由化が進展した事業環境の 下、将来的に、著しい事業環境の変化など現時点では想定されていない 事態が生じる可能性も否定できない。今般のスキームに関しても、その 妥当性を不断に検証し、必要に応じて一定の追加的な措置を講ずること も含め検討する必要がある。 例えば、およそ新法人や事業者が予見し難い事態によって追加的な費 用が必要になるような場合には、その原因や費用の性質等に応じて、競 争中立的な方法で当該費用を確保する方策を含め、必要に応じて適切な 措置を検討していく必要があると考えられる。 また、使用済燃料の再処理等を推進するに当たっては、立地自治体等 関係者の理解と協力が不可欠であり、引き続き今後も立地自治体等関係 者との信頼関係の下、連携して進めていくことが重要である。 さらに、今般の制度的対応を進めることと並行して、原子力・核燃料 サイクル政策の推進に当たり、国及び原子力事業者など関係者は引き続 き、広く国民一般がより理解を深められるよう分かりやすく適切な情報発信に努めていくことも重要である。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620215019&Mode=0
ページ下の方の「新たな環境下における使用済燃料の再処理等について(案) PDF」
(PCに保存させてみるようにしているあたりも胡散臭いでしょ。)