アメリカ人の肥満と市場原理優先資本主義 | 天夜叉日記

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ひとりの医師として、そして父として、最愛の我がこどもたちのため、日本が、そして医療が荒廃していく記録を残しておこうと思う。

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米国では肥満が社会問題になっている。

米国疾病対策センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)によると、20~74歳の成人で肥満の人の割合は約33%(2003-2004年度)、6~19歳の子供の肥満の割合は約18%になるそうです。

http://www.cdc.gov/nccdphp/dnpa/obesity/index.htm

私も3年以上米国に住んでいますが、信じられないくらいの肥満の人をみつけるのに苦労しないので、この数字には実感があります。3年前の数字ですから、現在はもっと割合が高くなっていると思われます。

最近までこの原因は、米国人の不摂生な食習慣が原因であると思っていました。しかしながら、ふたつの映画「世界を動かす砂糖産業」「スーパーサイズ ミー」をみたのちに、考えがかなり変わりました。

前者は、米国の砂糖産業がドミニカ共和国でハイチ人を奴隷のようにこき使い、さらには米国政府に対するロビー活動を通じて、砂糖産業に莫大な補助金をださせ、加えて多くの米国食品にふんだんに砂糖を使用するよう、各方面に働きかけているという内容です。

後者は、モーガン スパーロックという米国人が一日3食、30日間、マクドナルドのファーストフードを食べ続けたらどうなるかを記録したものです。スパーロックは当時33歳、身長1.87m、体重84.1kg、体脂肪率11%、健康体で肥満ではなかった。ところが、マクドナルドを食べつづけた結果、30日後には、体重は11.1kg増え(13%増)、体脂肪率は18%になり(7ポイント増)、躁うつ、性欲減退、かなり深刻な肝炎が発症したという内容です。

これらの映画をみた結果、米国人の肥満は、利益を追求しようとしている企業がその多くの原因をつくっているのではないかと思いました。

もちろん、そういう店にいって食事をするものの自己責任もあるでしょう。しかしながら、米国で生活するとわかりますが、ケーキやお菓子などについていえば、砂糖でいっぱいの激甘食品がどこのスーパーにいってもほとんどを占めているといっても過言ではないでしょう。それに砂糖が多く含まれている清涼飲料水がミネラルウォーターよりも安いのも問題です。私自身も日本食のスーパーマーケットがなければ、生活できていたかかなり疑わしいのです。

みなさんもぜひ、下記の映画をご覧ください。企業が利益を追求することはあたりまえのことですが、その活動がときには社会をおかしくする原因になるということを考えさせられます。

世界を動かす砂糖産業(前編) さとうきび農場の奴隷たち
http://video.google.com/videoplay?docid=-6033628080691752474&hl=en
http://video.google.com/videoplay?docid=6290186296330599451&hl=en
世界を動かす砂糖産業(後編) 肥満を招く甘い誘い
http://video.google.com/videoplay?docid=-7978167863626508416&hl=en
http://video.google.com/videoplay?docid=9074558364968442445&hl=en
スーパーサイズ・ミー(日本語吹替版)
http://video.google.com/videoplay?docid=-7130482643714821649&hl=en
http://video.google.com/videoplay?docid=1442033518754341567&hl=en
http://video.google.com/videoplay?docid=4028112564989520796&hl=en
http://video.google.com/videoplay?docid=8966752673586249549&hl=en
http://video.google.com/videoplay?docid=6951997816531705533&hl=en