神戸の夜
今日は神戸に単独出張中。
ひとりで夜飯も寂しいので、ビジネスホテル近くの居酒屋に行く。
カウンターに座り、大将や、隣りのお客さんとしゃべってりゃ楽しいかな?というもくろみだ。
戸を開ける。
思ったより広い店内。
客は一人もいない…。
所在無さげにカウンターに座る。
ビールと海老フライとつくねを頼む。
大将は無駄口をきかない。寡黙だ。
「この店は長いんですか?」
「間口に比べて中広いですね。」
「景気はどうすか?」
沈黙に耐え兼ね話を振るが、なんも広がらない。
ビールを3杯、芋焼酎ロックを飲み干した頃、横顔が金子賢に似ている男が入って来た。
常連らしい。急に大将が饒舌になる。
いたたまれなくなり、会計をし退席。
無性に切なくなった。
俺の事を誰も知らないこの土地でひとり…。
帰りのコンビニで缶の水割りウイスキーを買い部屋に戻った。
ナカシマケンタ
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