大阪のほうに嫁いだ娘さんの病気見舞いのために奥さんが留守にするということになり急遽ショートステイを利用することになったSさん、「奥さんがいつ帰れるかわからない、1週間くらい」退所日未定での利用開始でした。


Sさん整形外科医院リハビリのために通院しておられますので、ショートステイ利用中にどうされるかお尋ねしたところ、はじめ「行かなくてもいい」と言われましたが「明日また考える」と保留になりました。車椅子のフットレストのネジがゆるく、自操時に落ちてくるのが気になられていたようで、ネジを締めたところ落ちないようになりましたので、しばらくはこれで様子を見ることにしました。


翌日、夜間はよく眠れるか尋ねると「やっぱりあまり眠れないな」と言われましたが、笑顔がよく出て落ち着かれている様子です。通院リハについて相談すると「いいよ、ここで少しはしてもらえるし、ここにそんなに長くはいないだろうから」ということになりました。
塩味大福(しおみだいふく)

3日目、Sさんの希望により、左肩、左ひじ、左大腿部後面にホットパック施行することになりました。ほかに手伝えるところがあればと尋ねると「左腕を上げるのをやってくれたらうれしい」と言われたため挙上訓練施行したところ、最初は拘縮が強く上がりませんでしたが、次第に軽減してきて挙上できました。また、歩行を希望されているとの連絡を介護主任から受けていたため確かめたうえで歩行訓練も行ないました。歩行状態は良くなかったのですが「しばらく歩いていなかったから良かった」と安心したような表情で言われました。


その日夕方になると奥さんから「今帰宅した。すぐに迎えに行きたい」と連絡が入り、予期せぬ事態にバタバタと帰り支度を整えての退所となりました。あわてたため杖や預っていた財布を返し忘れるミスがありましたが、大阪方面の娘さんの病気が心配要らないことが分かり安心されたこと、すぐに帰宅できたことがうれしくてニコニコで帳消しでした。それどころか必ずお断りするように決めてある利用者さんからの贈り物を送って行った介護職員はどうしても断りきれずに持ち帰ったのでした、姫路塩味大福