広島・呉の社会保険労務士 杉田です。

 

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先日、私どもの事務所で障害年金申請の手続をさせていただいた依頼者の方に、障害基礎年金

2級決定の通知が届きました。

 

初めに申請のご依頼を受けたのはもう2年半も前になります。

 

その方は現在40歳台で、20歳前障害での請求だったのですが、20歳前に病院に通っていたと

いう証明を医療機関で取ることができませんでした。

 

それで、小学校の担任の先生、友人などに幼少の頃から発病していて病院に通院していた旨の申立書を書いていただき、それを初診日を証明する資料として障害年金の請求を行いましたが、20歳前に初診日があったことを客観的に証明する書類とは認められないとして、請求は棄却されてしまいました。

 

その後、審査請求、再審査請求まで行いましたが、結局請求は認められませんでした。(再審査請求が終わるまでに2年ちょっとかかりました。)

 

しかし、再審査請求の結果を待っている間の平成23年12月に、「20歳前障害による障害基礎年金の請求において初診日が確認できる書類が添付できない場合の取扱いについて(年管管発1216第3号」が発表され、20歳前障害による請求に限り、初診日の証明がとれない場合であっても明らかに20歳以前に発病し、医療機関で診療を受けていたことを複数の第三者が証明したものを添付できるときは、初診日を明らかにする書類として取り扱うこととされました。

 

この取扱いは平成24年1月4日以降新規に請求されたものに適用されることになっていたため、残念ながらその時点で再審査請求中であったこの請求には適用されないとのことでしたが、その後新たに請求をやり直したところ、1回目の申請と同じ内容の第三者の申立書が初診日を証明する書類として認められ、この度ようやく支給が決定したのです。

 

ご本人、そしてご協力いただいた方のお気持ちが報われてとてもうれしく思います。

 

ご本人も喜ばれていましたが、2年半にわたり関わらせていただいた私どもも一緒に喜ばせていただきました。

 

1度目の請求の時点からこの取扱いが認められていればその分早く障害年金を受給できていたのに、という思いもありますが、逆に今回の取扱いがなければ、障害等級2級に該当する状態でありながら、この先も障害年金を受給することができていなかったのかと思うと、良かったなという気持ちです。

 

20歳前障害で過去に初診日の証明がとれないために請求が棄却された方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

第三者の証言が取れれば新たに申請し直すことで請求が認められる可能性もありますので、心当たりの方は是非再度の申請をしていただきたいと思います。



広島・呉の社会保険労務士 杉田です。


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障害年金の診断書を記入する医師は、法律上特に限定されていません。


しかし、精神の障害用の診断書については、傷病の性質上、精神保健指定医または精神科を標ぼうする医師が記入したものでないと原則認められないことになっています。


ただし、

てんかん、知的障害、発達障害、認知症、高次機能障害など、診療科が多岐に分かれている疾患については、小児科、脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、老年科などの医師であっても、精神・神経障害の診断、治療に従事している場合は記入が可能です。


なお、どちらの場合も、初診日の証明は何科であっても問題ありません。





広島・呉の社会保険労務士 杉田です。


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障害年金の請求には必ず医師の診断書が必要です。


診断書は障害年金請求用の専用の書式となっており、以下の8種類があります。


①眼の障害用

②聴覚・鼻腔機能・平衡機能・そしゃく嚥下機能・言語機能の障害用

③肢体の障害用

④精神の障害用

⑤呼吸器疾患の障害用

⑥循環器疾患の障害用

⑦腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用

⑧血液・造血器・その他の障害用


基本的には1つの傷病について1枚の診断書を提出します。


しかし1つの傷病で複数の障害が出現している場合など、状況に応じて複数の診断書を提出することもあります。

障害の状態がより的確に伝わるよう診断書を提出することが大切です。



広島・呉の社会保険労務士 杉田です。


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前回の「永久認定と有期認定 」でも触れましたが、一度障害年金の受給権を得ても、障害の程度が軽くなり障害等級に該当しなくなったときは、障害年金の支給が停止されます。


支給停止は受給権自体が消滅するのではなく、障害等級に該当しない状態にある間の年金の支払が停止となるだけですので、その後再度障害等級に該当する状態になったと認められた場合は、支給停止が解除され、障害年金を受給できるようになります。


一方、受給権自体が消滅することを失権といい、障害等級3級に該当する程度の障害の状態にない受給権者が65歳に達したときに失権となります。


ただし、65歳に達した日において、3級に該当する程度の障害の状態でなくなった日から3年を経過していない場合は、65歳に達した日には失権せず、3年経過したときに失権します。


つまり、少なくとも65歳になるまでは失権はしないということになります。






広島・呉の社会保険労務士 杉田です。


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障害年金は一度認定されたからといって、永久に支給されるものではありません。


切断等、医学的に症状に変化がないと思われるような障害については「永久認定」されることもありますが、ほとんどの場合は「有期認定」となります。


認定の期間は1年~5年で、各個人ごとに異なります。


障害年金の支給決定時に発行される年金証書に「次回診断書提出年月」が記載されており、その時期に診断書の提出を求められます。


その時の障害の程度によって障害等級が見直されますので、等級が変更になる場合もありますし、障害等級に該当しないと判断され障害年金が支給停止になる場合もあります。