中国上海証券報が、13日報じたところによると、中国人民銀行(中銀)金融政策委員の樊綱氏は、中国経済が近く底入れする見通しは薄く、現在の調整期から脱却するには少なくとも2─3年はかかるとの見通しを示したようだ。
 
 上海証券報によると、樊氏は11日にフォーラムに出席し、欧米諸国の経済は現在リセッション(景気後退)の初期にあるため、中国の輸出に深刻な影響を及ぼすとの見方を示した。
 
 また中国では、在庫と過剰生産能力の調整が続いており、この過程は2011年まで続くと予測した。今後の見通しについては「基本的に、世界的なリセッションは3─4年は続くとみている」と述べた。ただ中国では景気の調整は欧米よりも速いペースで進み、2007年末の開始から3年ほどで調整が終わるとの見方を示した。

 しかし「世界経済の急速な回復は期待できず、中国経済は速いペースでの成長は達成できない」と述べた。ただ「当局は適切なマクロ経済政策を導入しており、中国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は相対的に良好だ。このため、今後1─2年以内に経済は底入れするだろう」と述べた。
 
 中国人民銀行(中央銀行)は11日、3月の人民元建て新規融資が単月としては過去最高を更新したと発表。新規融資は第1・四半期だけで、2009年通年の目標の下限である約5兆元(7320億ドル)に近い水準に迫っている。

 中国では、現在、楽観論、悲観論が入り乱れている。