日本初のインディーズレーベル、「マッシュルームレーベル」 | 川添象郎オフィシャルブログ

日本初のインディーズレーベル、「マッシュルームレーベル」

先日、ボクが深夜のパトロール中の西麻布で内田裕也氏に偶然会ったことは
前回の象のblogでお伝えしたが、
今回はボクと裕也さんの接点である「マッシュルームレーベル」について
少し語りたいと思う。(と言ってもボクの話はいつも長くなっちゃうけど、、、)


彼とボクは1971年に立ち上げた日本初のインディーズレーベル、
「マッシュルームレーベル」を立ち上げた。

因みに創立メンバーは彼とボクを含めて全部で5人います。
他の3名とは、、、


村井邦彦;

「翼を下さい」他、HIT曲が星の数程の昭和の名作曲家であり、
ALFA RECORDSという伝説的レコード会社の創立社長、現在L.A在住。
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※写真右


ミッキー・カーチス;

歌手、俳優、彫金家、落語家、カーレーサー、名ボードビリアン、レコードプロデューサー(矢沢永吉、ガロ等)
そして、戦後日本初のアイドルスターです。
          
この男はケシカラン事に齢72歳で34歳も若い女性を白金のプラチナ通り(この呼び名は小生の命名であ~る)
でナンパ結婚、しかも彼女の名前はウチのかみさんと字まで同じ「陽子」さん!
ほとんど犯罪的行状だと思いませんか!?コラ!
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※ミッキーと奥さんの陽子さん


木村英樹;

元は美大の先生だったのに突如筆を捨て、
1960年代~70年代の京都では知らぬ者無しの革命的EVENT を巻き起こし、
若者達は勿論、京都財界の経営者たちにも信頼されていたこれまた、カリスマ的不思議人物である。

60歳になったとき突如「ワシはまた絵を描くのじゃ~」と宣言、
書き始めた彼の絵画の素晴らしさは観なきゃ説明不可能だが、
ゴーギャンでさえも40歳頃からだから、この人物のエネルギーはただ者ではないのだ。
通称/キーやんと呼ばれてます。
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この五名の共通点は、反逆精神、冒険好き、人間好き( 多分?) 、外人コンプレックス皆無、
要は前衛的アナーキストと括っちゃえば宜しいんじゃないかと思います。

こんな五人で始めたレーベルがそこら辺の
ダサイ音楽など創る訳がない。

1972年ごろからレコーディングを始めて
出来上がった作品は、その頃の日本音楽界とはまるでかけ離れたもので、
当初は全く売れずマシュルームレーベルは風前の灯火になってしまった。

しかし、われわれはなんせ怖い者知らずの脳天気で、
それが幸いしたのか、奇蹟が起きちゃったのだ。

ガロという3人組のユニットが歌った「学生街の喫茶店」
という作品がメガヒット!

土俵際、逆転うっちゃり現象である。
我々がしつこく創り続けていた作品群に時代が漸く追いついたのだ。

その後、ユーミン、小坂 忠、そしてマシュルームの創る音楽に最も重要な役割を果たしてくれた
細野晴臣、林辰夫、鈴木茂、松任谷正隆、山下達郎、吉田美奈子、大貫妙子、ハイファイ セット他
優れた才能が結集し、まるで水滸伝の梁山泊のような集団に成長していく。

日本音楽界は我々の創る音楽を「ニューミュージック」
という訳判らないジャンル名をつけた。

そうです! 清く正しい老若男女の皆さん!!
ニューミュージックの原点はこのマシュルームレーベル
だったんですよ!!




川添象郎



※おまけ
小坂忠 / しらけちまうぜ
上記のミュージシャンが多数参加してます。