フィリピン8月集中豪雨による洪水被災者支援の御礼


8月8日~9日の2日間の降水量714

8月月間降雨量504㎜)



86日~10日かけ、先の二つの台風で威力を増した南西モンスーンにより、記録的豪雨がルソン島中部、ビサヤ地方を襲いました。マニラ首都圏、その周辺地域でも甚大な洪水、土砂崩れの被害が出ており、政府からの報告によれば、この豪雨の影響で2400万人が影響を受け、約362300人が避難場所に移ることを余儀なくされ、死者は60名と報じました。

ソルト事業地でも、2009年の台風オンドイの時に被災したカシグラハン地区が、再び被災しました。支援の呼びかけに応じ数々の方からご寄付の申し出をいただきました。心よりお礼申し上げます。


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カシグラハンの裏の川が氾濫


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粗方泥水が引いたセンターの中



10月には現地での支援活動の詳細報告、会計報告をお送りしたいと思いますが、ひとまず現状の報告をさせていただきます。



リサール州、カシグラハン地区での

洪水被害と救援活動

87日深夜


浸水開始。住民は大挙非難。

800家族がイラウ地区の共同施設、約200

家族が近隣の小学校に避難。

ソルトセンターは膝の高さまで浸水。8

水は引き、住民は帰宅を開始。

89日未明


大規模浸水再発。住民は再度避難。

もっとも被害の大きな地区では、泥水は首の高さまで至った。ソルトセンターは腰の高さまで浸水。10日に水は引いた。


10日午後の時点で、カシグラハン地区のライフラインは復旧し、住民は泥水が去った後の掃除や後片付けをしている状況でした。この約1週間に及んだ豪雨被害のため、住民はこの間、夜間から未明にかけての避難で睡眠を十分とることができず、また後片付けに追われ、日雇い、自営の仕事で日々の収入を得ている人は、収入を得られない状況でした。この状況を受け、ソルト・パヤタスでは、8日、マニラ事務局と保護者会代表者数名による災害対策委員会を作り、9日の現地調査を経て、10日、特に被害の大きかったカシグラハン1D地区300家族に食糧支援を実施しました。






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89日、パヤタスのわかば子どもエンパワメントセンターにて、奨学生の子どもたちも参加して食糧支援の準備をしました。米、魚の缶詰、砂糖、インスタントラーメン、コーヒーが入った袋を300家庭分、用意しました。


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810日、カシグラハン地区での配給が行われました。被災度の高い家、病人のいる家庭、シングルペアレントなどを優先に、はじめに引換券を配布しておき、それと交換で食糧が配布されました。



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カシグラハン地区の子ども図書館の中(元デイケアセンター)。今回は泥水が押し寄せる直前に、保護者や大学生の奨学生たちがセンターのほとんどの本を屋根裏に上げて守りました。水が引いた後も、保護者会と奨学生が中心となり、道具類、濡れたプリント用紙を水で洗い乾かし再利用していました。





 820日時点で、カシグラハン地区は、ほぼ正常な生活に戻りました。しかし、その他の地域ではまだ支援を必要としている地域があります。政府は特に被害の大きかった地域の避難場所を中心に支援を行っていますが、十分とは言えません。私たちは、長年フィリピン全国で、災害支援や災害に強い地域づくり、人作りを中心に活動している現地NGO、コンサーンと連携し、まだ支援を必要とする地域のための救援活動、そして今後も予想される洪水被害に備え災害対応力強化のための活動等に、いただいた支援金を使わせていただきます。詳しい報告は10月にお届けいたします。


 この度のご支援、本当にありがとうございました。



事務局長 小川恵美子

www.salt.or.tv/