灰で干すことで魚のうまみを最大限引き出す「灰干し」 | お酒、グルメ、ときどき健康と雑学

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魚は天日干しにするとうまみが増すうえ、保存がきくので、日本には数多くの魚の干物がありますが、独特の臭みが残るものがあります。
魚の臭みがない干物に、みりん干しがありますが、みりんの甘さが加わっていますから、魚本来のうまさとはちっとばかり違うような気がします。

干もの独特の臭みは、日干しにするとき、空気中の酸素が悪さをするからなんだそうです。
食べ物の劣化は、ほとんどがこの酸素が原因のようです。

機械乾燥や天日干しでは常に空気に触れているので、特に酸化しやすくなっています。
 
灰干しにはそれがありません。
灰で干すことで、空気に触れないようにしているからです。
 
しかも、魚の表面から乾燥させるのでなく、灰の重みにより魚内部から水分を吸収するので、旨み成分だけを残すことができるのです。
 
灰で干すと何がいいのかというと、灰には脱臭、脱水効果があるんだそうです。
炭に脱臭作用があるのと同じ原理だそうですが、脱水効果で魚の身の中にある遊離水というものを除いてくれるんだそうです。
 
遊離水というものがどういうものかよくわかりませんが、食べておいしくなっているのですから、ないほうがいいに決まっています。

素朴な疑問として、灰で干したら灰だらけになってしまうのでは?

灰干し製法は、1尾ずつセロハン(100%パルプで特殊なフィルム)で包み、灰と灰でサンドイッチ状態にし、冷暗室でじっくりと乾燥させます。 

干すというより、漬けるといったほうがわかりやすいかもしれません。
 
セロハンが付いたままの姿で売っていますから、食べるときは、剥がさなければなりません。
魚に灰はついていませんから、安心です。

そしてセロハンの向こうには、干物以上、刺身未満のプリプリ食感のたまらんうまさが待っています。

お魚好きの方なら、一度食べたら間違いなくリピーターになります。
 
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