恐るべき鍋で出す店があれば、恐るべき鍋を作る人がいる その弐 | お酒、グルメ、ときどき健康と雑学

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TV東京の、もう終わってしまった番組ですが、「ソロモン流 [賢人:中川一辺陶]」 というのがありました。

そこで紹介された現代の土鍋づくりの名工、一辺陶さんは、呼吸する土鍋を作りたいのだそうです。

だから水にもこだわり、土にもこだわります。

土なんか、掘り出してすぐ使うんじゃなくて、何年か寝かせるそうです。
中には十数年以上寝かせたままの土もあるといって、カメラに見せてくれました、本人が。

焼き物ですから、当然釉薬にもこだわっているんでしょうが、
一辺陶さんは塗り方にもこだわっています。

ふつう、土鍋の底には釉薬が塗られていません。
疑う人は、土鍋を探して、確かめてください。(それほどのことでもないか。
塗ると焼きムラができてるんだそうで、
焼きムラができると火の回りが均一にならなくなるわけですから、料理にとっていいことではありません。

でも、一辺陶さんは塗ります。
ディレクターが塗り方を聞いたら、ヒ・ミ・ツ、だそうです。

ちなみに、釉薬が塗られていない鍋は、底の水洗いは避けたほうがいいそうです。


すっぽん料理一筋、330年以上続く京都の老舗、「大市」の鍋は、
一辺陶さんが作っています。
番組によると、一辺陶さんの土鍋作家としての人生は、
「大市」の土鍋から始まったんだそうです。

「大市」の先代の主が、20数年前、
何人かの陶芸家に、1600℃の高温に耐え、味の出る土鍋を作ってほしいと依頼したそうです。

しかし、何年たっても、依頼にこたえてくれた作家は現れませんでした。