「切ることは料理すること。」、
小山裕久氏は明快に言います。
切ることは日本料理の真髄、
同時に小山氏は、日本料理は引き算の料理ともいいます。
魚を下ろすというが、下ろす動作はない、
一尾の魚から、皮、身、骨、筋を切る、
つまり引き算。
その引き算を繰り返し、魚のうまさを引き出す、それが日本料理だそうです。
西洋料理では、包丁の使い方は、親指、人差し指、中指で押さえ、手首の上下の動きで切る、
しかしそれでは刺身は切れない。
日本料理では、中指、薬指、小指と掌でしっかりとグリップし、手首を固定させ、躰全体で包丁を動かす。
繊維をスパット切ることで、切り口も狭く抑えられ、水分と旨みが逃げないんだそうです。
まさに熟練の包丁さばきによって、魚は「刺身」という料理になるわけです。
NHKの『ためして、ガッテン』で包丁の特集がありました。
その中で紹介された包丁テクニックを紹介すると、
*テクニック 1
刃先を拡大すると、ノコギリの刃のようにギザギザ。
日本刃のように斬るのではなく、ノコギリのように切ることをイ
メージし、切る時の姿勢は、軽く足を開き、斜め45度に構え、
刃の長さを最大限に利用し、肘を引いて腕全体で切ります。
きれいに切るコツは、刃の一部ではなく、長さ全体を使うように
心がけること。
*テクニック 2
皮が固くて大変なカボチャの切り方は、上下のヘタをとり、皮の
薄い裏からヘタの穴に包丁を入れ、柔らかい所を探してテコの
原理を利用して切ります。小さくなったら柔らかい身の方から
切っていきます。
小さめのかぼちゃの時は、電子レンジで1分くらいチンして切る
という方法もあります。
*テクニック 3
刺身を切るときは、背に人差指をのせ、指で切るように、肘を
引きながら腕全体で、手前に引いて切ります。
刃先の方が手元より高くなります。
崩れやすい巻寿司は、包丁を濡らし、ゆっくり水平に動かし
ながら切ると、きれいに切れます。
*テクニック 4
ケーキは、45℃位のお湯に30秒つけ、急がずにゆっくり
水平に動かし、包丁の重さを利用して切ります。
ケーキの直径より長めのものを使い、刃の内側一杯を
使うようにします。
*テクニック 5
食材により、切る方向があります。
・中トロのように筋のあるものは、筋の流れと逆方向(筋が
自分から離れていくように置く)に引きながら切ります。
・キャベツやタマネギは、葉脈を断ち切るよう(葉脈に直角)
に切るとシャキシャキ感が強く、葉脈に沿って(水平に)切
ると、水分を多く感じる食感になります。
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