今まで、私の移動出来る範囲はとても小さく狭いものだった。
理由もわからず、言いようのない不安を感じて単独では、ほんの数回程度の遠出しかしたことがなかったかもしれない。

今年の春頃、友人との旅で初めてその言いようのない不安の原因を知ることが出来た。
なんと!私の移動範囲は学区⁈(笑)

子供頃に知らずに超えてしまった学区の境。
一緒にいた共犯者?(笑)もたくさんいたにもかかわらず、私の中では重大な罪になっていた。
その罪は、恐ろし過ぎて記憶の彼方へ押し込まれていった。
年月が過ぎ、中学になれば学区は広がって自分が超えてしまった境は学区の外ではなくなる。
更に罪の意識は、忘れさられていった。

だんだん成長していくにつれて、範囲は広がっていったものの、何故か一人で遠出をするとザワザワする。
旅行に行くと、罪悪感が増大して楽しむことに集中出来なかった。


今回、それに気づいてから初めて一人で遠出。
罪悪感もなく楽々と移動出来た。
車窓から見える景色は、ほとんど変わらない日本の風景なのに、県が変わったら国境越えだなんて、今にして思えば笑える。
でも、ほんの少し前の私にはそのくらい遠くて大変なことになっていた。

遠出の不安理由が、学区だなんて!考えもつきません。
なんて小さい!
そして、なんて些細な思い違い!
しかも親に怒られる、悪いことをしたと強く思っていたけれど、親は知らない。
本当は神にはバレている、罰せられるという恐れだったのだと思う。

こんな過去の記憶に今が左右されているんだ。
それを消して行けるのが、赦しのいいところだな。