三間飛車 第57期王位戦予選 藤井猛-村山慈明 棋譜検討(▲石田流△1四歩) | 将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

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オールラウンドプレイヤーを目指す序盤研究ブログです。最近は棋書 感想・レビューのコーナーで、棋書の評価付けもしています。

検討したい形が多すぎるので、
分身して研究して、合体して情報共有したいな。

【棋譜でーたべーす】
第57期王位戦予選 藤井猛-村山慈明

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先手:藤井猛
後手:村山慈明

▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △1四歩(下図)

▲1六歩と受けるか▲7八飛と無視するか、作戦の岐路。

▲1六歩と受けると、
△5四歩▲6六歩△4四角▲7八飛△2二飛(下図)

▲1六歩と受けるのは、上図のような相振り飛車が課題の一つ。
持久戦だと端攻めを警戒して金無双になりそうだし、
▲7四歩と動いても△6二銀で、端攻めの道具(歩)を渡しそう。

以前、先手が矢倉を目指す甲斐-上野戦 も研究したけど、
ちょっと危険な味がありましたよね。

△1四歩以下
▲7八飛 △8八角成 ▲同 銀 △3二銀(下図)

上図では▲1六歩と受けたいけど、
△4五角▲2二角△1三香で乱戦になる。
これは先手があまり楽しくなさそう。

上図以下
▲5八金左 △1五歩 ▲4八玉 △4二玉 ▲3八銀(下図)

上図▲3八銀では▲3八玉が一般的。
1筋の位を取った後手に対し、先手は左辺でポイントを稼げるかどうか。
その時、▲3八銀なら▲2八玉の一手を省略して、
左辺の充実に手を費やす事が出来る。

しかし、村山七段はそれを許さなかった。

上図以下△2八角(下図)

しかし、この角には有名な反撃策がある。

上図以下
▲7四歩 △同 歩 ▲5五角 △3三桂 ▲8二角成 △同 銀
▲1八飛
(下図)

この手があるからこその▲3八銀だったのだ。

しかし、次の一手は初めて見る筋だった。

上図以下△1七角成(下図)

えー!そんな手が・・・

上図以下
▲同 飛 △1六歩 ▲1八飛 △1七歩成 ▲同 桂 △1六歩(下図)

こう進むと、△3三桂が利いて▲2五桂が無く、
先手が身動き取れない。うまいなぁ。

△1七歩成には▲同 飛と取りたいけど、
△同 香成▲同 香△1八歩は先手が悪いか。

上図以下
▲1三歩 △同 香 ▲4六角 △1七歩成 ▲8二角成 △1八と
▲8一馬 △2八と
(下図)

こうなると先手ギブアップですね。

先手は一瞬角得なので、
何か無いかと思ったのが研究の動機だったんですが、
びっくりするくらい手が限られてますね。
▲7八飛が取り残されているのが痛いのかー。

△1七角成、勉強になりました。

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そういや、戸辺先生の新刊が出ましたね。


石田流を指しこなす本【相振り飛車編】

私、もう中身を読んだんですが、
相振り飛車で攻めるのが苦手な方や、
相振り飛車の空気、セオリーを学びたい方にオススメです。

基本的には級位者~初段くらいが対象なのかと思いましたが、
有段の方でも「その攻め方は知らなかった」という事もあるんじゃないですかね。

相振り飛車はどんどん激しい方向へ向かっていますから、
攻めのバリエーションを増やして、時代の波に乗れるようにしたいです。
とりあえず目を通して損は無いですよ。

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