10月になりました。今月からスタッフが1名入社しました。座席も変更し、新たな気持ちで臨みたいと思います。最近、金利が上昇してきており、「利上げされた」というお客様も多いようです。いよいよ財務戦略も今までと同じ考え方は通用しなくなるかもしれません。打ち合わせの際にお話しできればと思っております。

 

  さて、今月は、「柏レイソルの財務状況を読み解く」について記載いたします。

Jリーグから、以下のサイトに各クラブの最新の財務諸表が公表されております。

https://aboutj.jleague.jp/corporate/assets/pdf/club_info/j_kessan-2023.pdf

 

  柏レイソルの損益計算書を見ますと、売上高は約44億円となっており、J1平均の約52億円を下回っております。売上高の約44億円のうち、移籍金収入等臨時の収入が計上される「その他収入」の約5億円を除くと、継続的に見込まれる収入は40億円弱といったところになるかと思います。そのうち、スポンサー収入が約31億円になっており、日立グループや三協フロンテアなどからの手厚い支援を前提に成り立っているクラブチームであるということが読み取れます。支出面は、人件費に26億円以上を投じており、これは、J1の平均値を2億円以上上回り、6位の規模となっております。少ない予算を上手くやりくりしているとも言えますが、現状かなり無理をしているとも言えます。なお、ファンからすると本年のチーム編成においては、かなり人件費を節約している印象を受けます。26億円の人件費の内訳については、公表されていませんが、おそらく過年度において選手獲得の際に費やした移籍金を繰延資産として処理し複数年で償却をするため、その分も含まれていると思われます。

次に、貸借対照表の分析についてですが、レイソルはスタジアムを自前で保有しているため、固定資産等の金額が多額(約17.7億円)になります。それに比べて、流動資産が約1.7億円しかなく、緊急の際には、親会社からの借入で補填するスキームと思われます。純資産の分を見ると、コロナ禍に陥った債務超過からは何とか抜け出した様ですので、来期からは補強の予算がもう少し出せるのかもしれません。

 

  全体的な印象ですが、約31億円のスポンサー収入は屈指の多さ(リーグ2位)であり、ここをさらに伸ばそうとするのは無理があると思います。一方、歳出削減も限界まで行なっている印象なので、クラブの規模としてはこのサイズで完成という認識なのだと思います。ファンからすると、自治体との関係を良好に保ち、市からの援助を受けるなどして、新スタジアムの建設などを考えてもらいと願うばかりです。

 

 

では、今月もよろしくお願いいたします。

 

石田