裸足のピアニスト・下山静香のブログ -201ページ目

裸足のピアニスト・下山静香のブログ

オモテの顔はクラシックピアノ弾き。

音楽・芸術を軸に、気になること好きなことを徒然なるままに。

寒くなってきた。

2年前から湯たんぽを愛用しているのだが・・・(別に強調することでもないが、昔ながらのブリキの湯たんぽでなく、今風のお洒落なやつである。ちなみに子供時代、タオルを巻いた湯たんぽで見事に低温やけどを負った)、我が家にはお湯を沸かすポットがなく、やかんはといえば、最近空炊きしてしまい黒こげになったうえ、注ぎ口の蓋部分がとけてポロリと落ちた。・・・というわけで現在、お茶を入れるのにも鍋でお湯を沸かすという事態になっているのだが、困ったことに、この鍋ではあの湯たんぽの注ぎ口にうまくお湯を入れることができない。ような気がする。ここでバレてしまったが、“気がする”だけで試していないのだな。明日あたり、やってみるか(なぜ今日ではないのか?)。


この時間、仕事も佳境に入るという日々である。本当は、深い眠りに身をゆだねていたいが、背に腹は代えられぬ。しかしこんな状況でも、我が欲張りは治らず。石坂浩二さんプロデュースの演奏会(浜離宮朝日ホール)、新橋演舞場での花形歌舞伎、と、ただひたすら家にこもることは絶対にしない(できない)。いいものを観たり聴いたりすることは、どんな状況においてもマイナスになることなどないからである。


石坂さんプロデュースのコンサートはとてもよかった。前半はシューマンの「リーダークライス」を石坂さんの訳で田村麻子さんが歌ったのだが、訳には大変苦労されたとのこと。書いては消し書いては消し、捨てた紙のほうが多い、と。画期的な試みだと思うが、日本語で意味が染み込んでくるので、とても新鮮で印象深いリーダークライスだった。後半は、ゲストにキュウ・ウォン・ハンさんを迎えてのオペラの名曲。最後のキャンディードは圧巻で、私はすっかり田村麻子さんのファンになってしまった。

休憩時間には裏にお邪魔して、久しぶりにお目にかかる石坂さんと少々の雑談。ベルリオーズとシューマンがお好きだったなんて知らなかった、実は私もシューマンが好きな妙な子供だったんですラブラブ!と共通項をアピールしながら、それってやはり双子座の感性なんじゃないだろか、などとまた双子座根性がもたげちゃったのだった(もちろん、シューマンも双子座)。


先日の花形歌舞伎も見応え十分、大いに楽しんだ。河竹黙阿弥の白浪(盗賊)物「三人吉三巴白浪」、そしてたっぷり盛り込まれた踊りが素晴らしい「鬼揃紅葉狩」。菊之助は、以前観た蜷川歌舞伎「十二夜」以来。三人吉三ではお嬢吉三に菊之助、お坊吉三に愛之助、和尚吉三に松緑という配役で、因果がめぐる物語を熱演。「鬼揃紅葉狩」もすごかった。即帰路につくつもりが、興奮してつい黒ビールなど1杯ひっかけてしまい、その夜は完全に徹夜仕事になったのだった・・・。

本番の前日以外、ほぼ徹夜状態が続いている。完徹明け・昼帰りの今日も普通に元気な自分が少々こわい。急ぐのはあまりいいことではないが、とにかくすべてがギリギリなのである。今はこういう星回り、と観念して乗り切るしかない。


先日の「下町クラシック!」、まずはご報告。

今回お出ししたお菓子は、お芋の「興伸」さんの人形焼(こちらの大学芋はクセになる!)。今回も会場の大黒家天麩羅さんには大いにお世話になった。「下クラ」常連のお客様には、コンサート前にこちらの天丼、を楽しみになさっている方も多い。月曜日開催ならばご来場可能な、桜鍋「中江」さんのご主人も常連さんのおひとり。なぜ月曜がOKなのか?というと、基本的に「中江」が月曜定休だからである。、最近、吉原最後の料亭「金村」を買い取り、中江の別館としてオープンさせた四代目。吉原の文化をいい形で伝えていこうとがんばっていらっしゃるので、そのうち詳しくご紹介したいと思う。ああ、久しぶりに上等な桜肉をいただきたくなってきた。


それでは・・・まずは1枚。今回の隠れテーマは「鳥の歌」・・・ということで、さりげなく帯には鳳凰が。

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明日は「下町クラシック!」本番。おかげさまでほぼ満席状態。今回のきものは・・・?お客様だけのお楽しみです( ´艸`)などと言うと嫌なヤツになってしまうので、今回はどなたかの携帯で撮っていただく努力をいたしたいと思う。何を隠そう、私は携帯機種を変更して以来、撮った写真をどうしたらパソコンに移せるのかがわかっていないのである。

昨日のBSテレビ番組(「本と出会う」再放送)を観てくださったとのご報告がちらほら、土曜の朝からありがとうございました。もう再放送も終わったのでネタをバラすと(なんて大げさなものではないが)、「私の一冊」とは宮本武蔵の五輪書だった。そして私の中での関連書として「花伝書」(風姿花伝)。なんてことはない、HPなどに載せているまんまだったのである。


さて本番前日の告知記事が続くというのも不本意(?!)なので、最近伺った演奏会のお話。先日、人気ギタリスト・大萩康司さんのリサイタルへ。レオ・ブローウェルをテーマにしたプログラム。


東京文化会館小ホールに、ギターの美しく表情豊かな音が響く。ソロなら、ナマ音で十分なのである。ギターはやはり、基本的には電気を通さないほうがよい、とあらためて思った。

前半は、ブローウェル編曲によるサウメル、スカルラッティ、ルコックの作品。ギターでのスカルラッティ、よかった。使用されていたのは、スカルラッティなどの時代に使われていた楽器に比較的近い音がするという、古くて小振りのギターだった。(確か200年くらい前に制作されたものだったかと思う)大萩さんいわく、普通のギターとは、例えばピアノとフォルテピアノくらい感覚の違う楽器なのだそうだ。


後半は通常のギターでブローウェル作品。滅多に聴けない「円柱の都市」(迫力!)、そして美しい「11月のある日」、神秘的な「永劫の螺旋」、聴きごたえある「ソナタ」というラインナップ。。「円柱の都市」は、ブローウェル本人から楽譜を預かった福田進一さんが、大萩さんに日本での演奏を託したという経緯があるようだ。徹夜続きで本当は伺うのを迷ったのだが、無理をしてでも足を運んだ甲斐があった。「ブローウェルが様々なスタイルに挑戦しているところに興味を持った」とおっしゃっていたが、それが本当によくわかるプログラムだった。大萩さんは数回マイクを持ってお話をしてくださったのだが、そのお話の仕方は音楽の流れを遮断することなく、そして適度にくだけていて、大変心地よかった。曲の順番を忘れて客席に質問していたところなど、大萩さんでもやるんだ!とひそかに嬉しかった。私もたまに、客席に訊いてしまうのだ、「次は何でしたっけ?」って・・・σ(^_^;)

演奏中(もちろん弱音で演奏しているときだ)に客席で携帯が鳴ったことにもアンコール前に触れ、ごくさりげなく注意喚起も感じさせながらも、そのとき丁度演奏していた「永劫の螺旋」の曲調と似ていたため「縁を感じます」とおっしゃって笑いをおとりになったことに、ただ者でないお人柄を感じたのだった。



先日、高校からの同級生に電車でバッタリ。

「どうしてるの?」の問いに、つい、毎日超短眠生活を強いられているともらしてしまったら、

「あなたってさぁ昔からそうだったよね・・・」、と半分あきれ顔。

・・・そうだったのか。一体何をしていたんだろうか。伴奏・室内楽のハシゴをしていた頃のことかな?

それにしても。慢性的な睡眠不足はアルツハイマーになりやすい、という研究結果が発表されたではないか。せめて5時間は寝たい、と思うが夢のような話。昨日の本番後もほぼ徹夜、明けて朝から夕方まで仕事・打ち合わせを渡り歩いたのだが、以前からお約束していた夜の会にはどうにも出席できなくなってしまってやむなくお断りしてしまったら、鞭とろうそくを準備しておくから覚悟せい、と。申し訳ありません・・・しょぼん

11月10日(火)夜、新大久保駅徒歩5分の管楽器専門店DAC地下「スペースDo」にて行われるシュガーハウス特別企画<スペシャルコンサート>vol.4 に、佐藤裕子さんとの連弾(お互いのソロもあり)で出演いたします。
ウィーンに学んだ佐藤裕子さんから、今回、連弾という色々な意味で“難しい”ジャンルの相方にお誘いをいただきました。この2人での連弾は初めてだったのですが、お互いのスケジュールを縫ってのリハーサルでは非常にスムースに音楽づくりができ、あっという間に本番が近くなってまいりました。
会費は3000円、盛りだくさんの演奏に加えてワインやおつまみなんかも振る舞われてしまう楽しいイベントです。
10日夜新大久保だったら行けそう!という方、ワインにつられて・・の方、連弾の王道作品をまとめて聴きたい!という方・・・どうぞお気軽にお寄りください。プログラム詳細は以下の通りです。


11月10日(火) 19時開演(18時半開場)
スペースDo 管楽器専門店DAC地下

~連弾とソロによるピアノの祭典~ 佐藤裕子&下山静香

*連弾*
モーツァルト:連弾のためのソナタ ハ長調 K.521
ドビュッシー:小組曲
ブラームス:ハンガリー舞曲集より
ビゼー:「カルメン」序曲
ヨハン・シュトラウス:「こうもり」序曲・・・プチ・サプライズあり!
+ソロ
リスト:2つの演奏会用練習曲 ~佐藤裕子
ファリャ:「恋は魔術師」より ~下山静香