小林 正観
釈迦の教えは「感謝」だった

分かりやすく、とっても素晴らしい本でした。
今、悩んでいることの大半が、この本を読み、心から実感すれば解決すると思います。

自分が悩んでいることは、自分自身のことではなく他人のことがほとんど。
自分の力で変えられない他人のことで悩むのは無意味である、ということが書いてありました。


具体的に説明すると、
親、夫、子供、同僚 などなど。自分の周囲の人の言動はすべて、受け入れること。

つまり、直して上げようとか、良くしてあげよう、もっとこうなってほしい、こうしてほしい。という欲求は捨てること。
なぜなら、相手をみて足りないと思う部分は、自分の価値観に合わないから感じるのです。自分の価値観に合わないからといって、思い通りにしようと思い軋轢が生まれたり、自分でストレスを起こすこと自体、もったいないという理論でした。

自分の価値観と違う人が悪い訳でも、間違っている訳でもない。自分の価値観を相手にも同じにして欲しいと思うことから悩みは生じる。
だから、相手のそのままを受け入れましょう。そして、自分自身の悩み以外は、悩まないこと。手放すこと。


ということが色々な例をあげて書いてありました。
私の説明では分かりにくいかもしれません。簡単に読める本(だけど深い)なので、買うまではいかなくても、是非、図書館で借りてみてください。

また、感謝することの大切さも繰り返し書いてありました。

ただ、どの方の考えも全て自分と一致する訳ではありません。
また、そうする必要もないと思っています。
私が唯一、これは私とは違うと思ったのは、感謝の気持ちを一杯にすれば、夢や希望がゼロになって生きやすくなる、という部分です。

夢や希望がゼロになると生きやすいというのは、望みがなければ叶わないことにストレスがない。望みがなければ、無理も苦労も努力せず疲れない、という虚無に繋がる気がしたのです。仏教的にはもっと違う教えなのかもしれませんが。
この本だけで受け取ったイメージは、必ずしもプラスには思えなかったのです。

やっぱり人は、目標や夢、希望、楽しみを食べて生きる生き物なのかなと思うのです。

そして、もう一つだけ…。
子供を含めた周囲の人に期待しないのは当然かもしれません。
ただ、夫婦の場合、運命共同体の部分もあるので、全てを一致させる必要はないけれど、夫婦で取り決めたルールは、守らないとうまくいかないんじゃないかと思ったのです。

例えば、夫が早く帰らない → 他人のことで悩むのはダメ。そのままを受け入れる。

とあったのですが、何をしても受け入れる、ということは、相手に全く期待しないことに通じます。
私も執着は好きではない観念ですが、何をしても受け入れる、という部分に納得できない夫、妻はいるかもしれません。何をしてもし放題を推奨している訳でもないのでしょうけれど…。

でも、そこは、もしかしたら、この本だけでは分かり得ない、深い世界なのかもしれません。相手に感謝し、自分らしく生きることで、相手が自然と変わりますよ、という答えなのかもしれませんね。

基本的に私は、相手に期待しない、相手のせいにしない、執着はしないけれど、愛をもって人と接する、感謝する。ということを大事にして生きてきましたし、この先もそうしていきたいと思っています。

色々と書きましたが、実は私はこの本で、子供に対して自分のいいと思う価値観を押し付けて来たのかもしれない、と、思い当たり、すごく反省したのです。
だから、巡り会えて良かったと思う一冊でした。

感謝。