ケルン・鎮魂の鐘と光 | 城新聞

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-Japanese castle press-
Trying to find dreams are more precious!
I walk to the horizon and there I find another,
It all seems so surprising and then I find that I know.

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昨年の5月に久慈に行ってきたとき立ち寄った「ケルン・鎮魂の鐘と光」。
「復興のしるべに」との願いを込め、東日本大震災の教訓を後世に伝えるため一昨年の5月に建てられたモニュメントです。


写真の通り、登山の道しるべとなるケルンをモチーフにした円すい形で、高さは久慈を襲った津波高を参考に海抜14.5mに設定。市内で発生したがれきの土台の上に地元の人たちが持ち寄った石を積み上げ、表面には久慈の子どもたちが「絆」や「心ひとつに」などと記した石が組まれています。


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当日の天候は、晴天で穏やか。以前、紹介した遠藤周作の小説「沈黙」の舞台となった長崎の外海とはまた違った趣の、青く静かな久慈の海も見ることができました。



3ケ月後の8月末、久慈は台風の影響で大規模な洪水被害を受けました。

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「あまちゃん」のロケ地にもなった駅付近が完全に浸水している映像をテレビで見たとき、自分が行ったときの久慈の記憶と結びつかなくて、頭の中が真っ白になりました。

この6年間で2度に渡る自然災害。


あれから半年が経過した今の久慈は、被災した多くの住宅、店舗の再建が進み、4月からは道路や河川などインフラの工事の復旧作業が本格化するそうです。



――「ケルン・鎮魂の鐘と光」のモニュメント中央部には、穴が開いていて、3月11日14時46分になると、この穴に太陽の光が入る仕組みになっています。

同地の去年と一昨年の天気を調べてみたところ晴天で、そして今年も晴天でした。きっと光が差し込んだことでしょう。

しかし、いつも晴天とは限らない、海が穏やかとは限らない、自然災害の教訓と被災者の鎮魂という、このモニュメントの精神と地元住民の前向きな姿勢に自分も見習いたいです。


その気持ちを忘れないためにいつも見られるよう、この「ケルン・鎮魂の鐘と光」の写真を今回、スマホの壁紙に設定しました。


被災地全体の一日も早い復興を祈念しています。