第498号伊勢が坪城

1222年、熊谷直時によって築城されたと伝えられています。前年の1221年、承久の変で討死した熊谷直国の功績により、息子である直時は安芸国三入荘の地頭に任ぜられ、現在の埼玉県熊谷市からこの地に赴任したことから始まりとされています。やがて室町時代から戦国時代にかけて熊谷氏は、次第に勢力を拡大していき、熊谷直経により比高220ｍに及ぶ峻嶮な要害堅固な場所である三入高松城に遷城。代わりに隠居所として以後使用されていたと云われています。その後、1600年の関ヶ原の戦い後、毛利氏の防長移封に従い、当主である熊谷元直は、三入の地を離れ、萩へと移り、その際、廃城となったそうです。ちなみに熊谷氏は、一ノ谷の合戦で平家討伐に活躍し、関東御家人の熊谷直実は、武士の鏡として徳川家康も尊敬していたそうです。

登ってみたところ、比高30m程なので小高い丘といった感じでした。根の谷川に面し、堀切もあったようですが、同時期の中国地方の地頭たちの居城と比べるとたしかに籠城には適していないように見受けられました。ただし、こじんまりして隠居所にはいい感じかも。

【近隣の高校】
広島県立可部高等学校

2012年11月に創立100周年を迎えた歴史ある高校で、現在は、全日制 普通科（定員280名）、定時制 普通科（定員40名）からなります。アーチェリーの強豪校として有名で毎年全国大会に出場し、過去に優勝経験も何度かあり、トップ選手の輩出もしています。2008年、河川拡張工事により、寺山地区に全面移転しましたが、これまでに２万人もの卒業生を送り出し、地元産業界をはじめ広く各界で活躍しています。