URL http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101230-OYT1T00667.htm


「障害のある子どもが障害のない子どもと一緒に授業を受ける。そんな教室の風景を障害児教育の原則にしようという議論が、内閣府を中心に進められている。

 障害の程度に応じ、特別支援学校などで専門教育を行ってきたこれまでの枠組みが、将来大きく変わることになるのだろうか。

 障害児と健常児が共に学ぶことを理念とする教育は、「インクルーシブ(包容する)教育」と呼ばれ、国連で採択された障害者権利条約にうたわれている。

 日本は2007年に署名し、現在、内閣府の「障がい者制度改革推進会議」が、批准に向けて国内法の整備を検討している。このほどまとめた意見書では、「お互いを尊重する土壌を形成する」と、その必要性を強調している。

 インクルーシブ教育は、多様性を認め合う社会を築く上で目指すべき方向ではあるのだろう。

 しかし、実現するためには、専門教員の養成や施設の充実、それに伴う多額の予算確保など課題が山積していることも確かだ。

 現在、障害の重い子は特別支援学校で専門性の高い教育を受け、比較的軽い子は、小中学校に設けられた特別支援学級で学んだり、通常の学級に在籍しながら、一定の時間、別の教室などで専門の指導を受けたりしている。

 仮に、障害のある子をすべて地域の小中学校で受け入れることになれば、担任を補助する教員や医療的なサポートをする看護師らの配置が必要となる。40人を上限とする1クラスの人数も大幅に減らさねば対応できないだろう。

 文部科学省の試算では、教員らの増員に2兆円、施設整備に10兆円のコストがかかるという。こうした条件をただちに整えることは難しいと言わざるを得ない。

 中央教育審議会の特別委員会は今月、現行の枠組みを維持する方向で意見を集約した。

 教育条件が大きく改善されない中で、個々の子どもの障害の状態などを考慮せずに同じ場で学ばせることは、「適切に教育を受ける機会を平等に与えることにはならない」との理由からだ。

 現行の専門的教育に対するニーズは高い。特別支援学校などの在籍者数は増え続け、教室が不足するところも出ている。

 一方、インクルーシブ教育導入による教室の学習環境の変化を懸念する教育関係者の声もある。

 その導入の適否については、現行の障害児教育を着実に充実させる中で、慎重に議論したい。

2010年12月31日01時16分 読売新聞)」

「40人を上限とする1クラスの人数も大幅に減らさねば対応できないだろう。」

そもそも40人というのが多過ぎるんだから、早急に25人くらいにしてもらいたいね。民主党もそんなこと言ってなかったっけ。やるやる詐欺だね。

「文部科学省の試算では、教員らの増員に2兆円、施設整備に10兆円のコストがかかるという。こうした条件をただちに整えることは難しいと言わざるを得ない。」

ホントにこんなにかかるのかねえ。
「インクルーシブ教育導入による教室の学習環境の変化を懸念する教育関係者の声もある。」

問題はここだよね。教育関係者のみならず、健常児の保護者が、障害児を受け入れる姿勢を示せるか否かだよね。
自分の子供が障害児と一緒に学ぶとなったら、反対しそうな保護者が結構いそうだからね。