会社の『時限爆弾』を実際に発見した場合の対処法 【同族会社の相続税対策】 | 三重県東紀州の税理士日記

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10月19日の回で社長の『会社に対する貸付金』が相続財産になって、多額の相続税が課税されてしまう可能性があることをつづりましたが、


今回は実際にその回収不能な会社への多額な貸付金があった場合の対処法をつづります。


対処法はたくさんあると思うんですが・・・


以下、箇条書きでいくつかをあげてみます。


①債権放棄


一番メジャーなのが、『債権放棄』でしょうか??


 社長が会社に対する貸付金を放棄します。どうせ戻ってこない貸付金ならせめて放棄して相続税が課税されることは回避しましょう!

この際、注意が必要なのが、債務免除した額がそのまま会社の『債務免除益』として収益となり会社に課税されてしまいます。


多額の繰越欠損金があれば、問題ないのですが、そうでない場合は、役員退職金や固定資産の売却損等の多額の損金が計上される事業年度でなければ多額の法人税が課税されます。


②社長の報酬を減額し、その分を社長借入金の返済にあてる

 (会社の業績が芳しくない場合)


まだ社長が比較的若く、相続開始まで時間がある場合、思い切って社長の報酬を減額し、その分、社長借入金の返済にあてます。


そうすることにより、社長の所得税・住民税負担はもちろん会社・社長双方の社会保険料の負担(これが非常に重い)が軽減され、結果、会社も利益が出やすくなるし、社長自身の手取りも増えます。


社長借入金が多額の場合は時間が掛かりすぎるため適していません。


③デット・エクイティ・スワップ(DES)


負債である社長借入金を資本金に振り替えることにより借入金を消滅させます。 

社長借入金を現物出資することにより資本金に代わるため社長の側からすると、『貸付金』が『会社の株式』に変わります。

貸付金で持っていればその帳簿価額がそのまま相続財産になりますが、株式になれば評価が下がる場合が多いため相続税対策として有効です。


さらにDESを実行することにより自己資本比率が改善し銀行の融資条件緩和にも効果があります。



以上、今回はかなり堅めな内容になってしまいました



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