人は、商品を買うのではない。

ショッピングという

体験を買っているのである。

(中略)

自己実現ができるかもしれない

という体験を、買っているのだ。



(p.134「あなたの会社が90日で儲かる!」

 神田昌典 フォレスト出版)




コモディティといわれる

日用品をあてはめると

一概には違いますが、


その場合でも、

多くの種類の同系の商品が

存在するなら、


その中から

一つの商品を選ぶときに、

引用文は有効です。


そこに自己実現があるなら、

例えば、香りの

種類一つにとっても


どんな匂いの自分でいたいか


という自己のイメージが

ポジティブなものになる

必要があるのです。


だからこそ、

美人やイケメンを起用した

コマーシャルは、


自己実現の一環として

商品の使用を同時に

印象付ける効果があります。


福山雅治が

使っているであろう

ブルーレイデッキや車には


中年の男にとって

ダサくないイメージとして

選択しやすいのです。





そういう意味では、

商品を購入した後では


現実に打ちのめされる

体験が必ずあるはずであり、


より良い自己実現のための

新たな購入へ向けて


利便性を超えた欲求を

生み出すかもしれません。


引用元の本では


エモーショナル

マーケティングを

テーマにしているので


やはり現代の購入の

最後の決め手として


「感情」が無視できないことを

よく説明していると感じます。





引用文をよくかみしめるために

もう一度言いますが、


感情ベースにおいて

「自己実現ができるかもしれない」

と“思える”体験、


これをしっかり解釈べきです。


自己実現ができる商品は

そのままでは売れませんし、


その人の自己実現観が間違いで

正しい自己実現を導くとしても

そのままでは売れないのです。


逆に言えば、


その人が「かもしれない」

と思いさえすれば、


自己実現しない

商品でも売れるし、


また悪い自己実現へ

導く商品でも


その人の幸不幸にかかわらず

売れるのです。


詐欺的に感じる

かもしれませんが、


美人、イケメンを

印象操作に使うCMを

すべて告発していたら


ほとんどの商売は

立ち行かないのが

現代の資本主義であります。





だから、この本の

冒頭でも言っている通り、


正しい商品を持っている人こそ

感情のマーケティングを

使いこなして


詐欺師が介入できないように

しなければなりません。


ただし、難しいのは


書籍、雑誌を含めた

情報を売る商売全般です。


情報を受け取る側の

ほとんどは、


自分の信じていることしか

読みたがらないし、


自分の信じていない情報は

どうあっても否定するので、


読み手に迎合するか、

ある種の洗脳的手法でしか

情報を届けることができません。


しかしそれでは、

物的な商品と違い、


正しい情報として届けた

ことにはならないのです。


そこを丁寧にすると

感情を損ねてしまいますし、


妥協点を考えると

キリがありません。


そういう意味で、


僕のブログでは

「伝わる人には伝わる」

というテンションで

続けているわけです。



書影
[オーディオブック版]
影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
著者:ロバート・B・チャルディーニ/著、 社会行動研究会/訳
再生時間:14時間38分
オーディオブック配信サービス「FeBe」