こんばんは!

アメリカから帰国して職場復帰。

時差ボケがいまだ続いていて、すごーーーーーーーく辛い・・・。というより疲れがとれていないんでしょうね。

ああ、すでに週末が待ち遠しい・・・。




さて今回は、

不定冠詞 a と an の使い分け

についてお話しましょう。




皆さんは学校でこう習ったと思います。


後ろの名詞が母音(a, e, i, o, u)で始まるときには、a ではなく an になる。



例えば、

× a apple

○ an apple

という具合です。


なぜ a ではなく an になるかというと、a だと後ろの名詞とくっつけて発音しづらいためです。

a はそれ自体母音なので、後ろにくっつく名詞も母音から始まると、同じ母音同士がぶつかることで発音しにくくなるのです。


言語学(音声学)では、このような母音がぶつかる現象を 「母音衝突」 と呼んでいます。


英語では母音衝突が回避される傾向にあります。


そのため、不定冠詞の最後の音を子音にすることによって、母音同士の衝突を回避するのです。



× a母音) + a母音)pple <a + a という、母音衝突が起きています>



○ an子音) + a母音)pple <-n + a になり、母音の衝突が解消されています>

(an の -n は母音ではなく子音なので、後に続く名詞の始めの母音 a- と共存できます)




さて、では以下のような名詞ではどうなるでしょうか。考えてみましょう。


a をつけるか、an をつけるか?

university 「大学」

European culture 「ヨーロッパの文化」

UFO 「未確認飛行物体」

useful tool 「役に立つ道具」






正解は、

すべて a をつける

です。



× an university

○ a university


× an European culture

○ a European culture


× an UFO

○ a UFO



× an useful tool

○ a usefiul tool



え?母音で始まる名詞の前には a ではなく an がつくのでは?と思った方もいるかもしれません。


確かにそうですが、ポイントは、

スペリングではなく、発音

ということです。


つまり、

始めが母音で発音される名詞の前には、a ではなく an がつく。

ということなのです。


冒頭でもお話しましたが、a が an になる理由は、発音上の問題(母音衝突の回避)からでした。


そう、スペリングではなく発音のためなのですから、当然語の始めが母音で「発音」される名詞には an がつくのです。


university、european culture、UFO、useful tool などは、確かにスペリングは母音で始まる名詞ですが、発音はどれも母音では始まりません。



university /jùːnəvˈɚːsəṭi/ 

(あえてカタカナで表現すると、「ユニバーシティ」)


european /j`ʊ(ə)rəpíːən/

(あえてカタカナで表現すると、「ヨーロピアン」)


UFO /júːfoʊ/

(あえてカタカナで表現すると、「ユーフォ―」)


useful /júːsf(ə)l/

(あえてカタカナで表現すると、「ユースフル」)




語の始めの「発音」が母音でないなら、当然 a が an になる必要性などあるはずがありません。

よって、

a university

a European culture

a UFO

a useful tool

という風に、an ではなく a がつくのです。


ちなみに、a がつきそうで an がつくような名詞もあります。

これらも当然、「発音上」語の始めが母音で始まるためで、スペリングではないことに注意してください。

× a honest man

○ an honest man 「正直な男」 (honest /άnəst/ )


× a hour


○ an hour 「一時間」 (hour /άʊə/ )



× a MA student


○ an MA student 「修士号の学生」 (M /ém/ )



× a SOS

○ an SOS 「エス・オー・セス」 (S /es/ )


⇒ すべて名詞の始めは母音で「発音」されます。




いかがでしたか?

不定冠詞の a と an の使い分けは、続く名詞の発音に従うようにしましょう!