オリジナルビーダマン物語 第37話 | ユージンの競技玩具とかやる所

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爆砕ショット!ビースピリッツ!!


第37話「暗黒の竜王 コンフターティスドライグ」





 源氏タワーに潜入したシュウとタケル。
 セキュリティシステムを切り抜けて先へ進む二人の前に立ちはだかったのは、難波クウだった。

「大食漢なのはワイだけやない。ビーダマンの食欲も半端やないでぇ!」
 そう言って、クウは懐から三体のビーダマンを取り出した。
「そ、そのビーダマンは……!」
 シュウはそのビーダマンに見覚えがあった。
「あんさんは前にも見た事あるんやったな。嫉妬のエンビー、強欲のアバリス、そして暴食のヴォラシティや!」
「あぁ、よく覚えてるぜ……!」
 その三つのビーダマンはシュウのクラスメイトを苦しめたものだ。忘れるはずがない。
「それで、お前はその三体のビーダマンを同時に扱うのか?」
 タケルが聞いた。
 さすがに一人で三丁流は無理があると思うのだが。
「まさか、いくら欲張りのワイでもそれは無理や。せやけど……」
 クウはニタリと笑った。
「ワイのビーダマンは、欲張りでなぁ。互いに互いの性能を嫉妬し、互いに互いを欲し、互いに互いを貪りあう……」
 クウがそういうと、三体のビーダマンに変化が現れる。
「なにっ!?」
 なんと、クウの手にある三体のビーダマンが融合し始めたのだ。
 融合し、その姿は一つのビーダマンに変わっていく。
「これがワイのビーダマンの本当の姿『エンバリス・ヴォラシティ』や!」
 エンバリスヴォラシティは、両腕にエンビーやアバリスについていた筒状のパーツを装備し
 そして、その両腕は巨大なヘッドパーツの側面と繋がっていた。
「で、デカい……!」
「ヘッドと一体型のアームだと?!あの筒状のパーツは一体どんな機能があるんだ……!?」
 二人が驚愕している暇もなく、クウはヴォラシティを構えた。
「どんなビーダマンかは知らんが、2VS1だ!増援を呼ばれる前に勝負をつけるぞ、シュウ!」
「おう!!」
 ドギュ!ドギュッ!!
 シュウとタケルが、二方向からビー玉を発射する。
「さぁ、いくでぇ!!」
 ドギュンッ!!
 エンバリスヴォラシティからダブルバーストが放たれた。
 どうやら、コアはヴォラシティのままのようだ。
 ダブルバーストは、少し一直線ではなく少しズラされているようで、二つのビー玉がシュウとタケルのショットにぶつかり、相殺する。
「くっ、ダブルバーストか!」
「これなら、2VS1でも十分戦えまっせ!」
「ちぃ!!」
 ドギュッ!ドギュッ!!
 シュウとタケルの二人掛かりの攻撃も、ヴォラシティのダブルバーストの前ではすぐに相殺されてしまう。
 しかも、攻撃しようにもシュウとタケルには攻撃すべきターゲットが無い。
 このまま足止めを食らってしまっては、すぐに増援部隊に捕まってしまう。
「くそっ、このままじゃキリがない……!」
 その時だった。
「おろろ」
 カチッ!カチッ!!
 急に、ヴォラシティのトリガーが空振りしだした。
「あっちゃぁ。もう玉切れかいな。ほんま、燃費の悪いやっちゃでこいつ」
 どうやら、ストックしていたビー玉を使い果たしたらしい。
「さすがにダブルバーストはビー玉の消費が激しすぎたみたいだな」
「よし、決めるぜ!!」
 ここぞとばかりにタケルとシュウが畳み掛けるように撃った。
 しかし……。
「甘いでぇ。ワイのビーダマンは大喰らい言うたはずや」
 クウはニタリと笑い、向かってくるショットに向かってビーダマンをかざした。
「っ!」
「喰らい尽くすんや!!」
 するとなんと、ヴォラシティの両腕に装備されている筒状のパーツにシュウとタケルのショットが吸収されてしまい、
 そのビー玉はダイレクトにコアの中にリロードされてしまった。
「ごっつぁんです!」
「きゅ、吸収された……!」
「今の技って、エンビーやアバリスが使ってた……!」
「三体が融合したと言ったはずや。ヴォラシティのダブルバースト。
そしてエンビーとアバリスに片腕ずつ装備されていたビー玉リロードパーツを両腕にセットしたエンバリスヴォラシティこそ、ワイの集大成や!」
 ズドドン!!
 さっそくリロードしたばかりのダブルバーストでシュウとタケルを襲う。
「うわああああ!!!」
 油断していたため、ダブルバーストによって巻き起こった爆風にシュウとタケルがフッ飛ばされてしまった。
「く、くそっ!」
 シュウは素早く体勢を整えて反撃に出る。
「いっけぇ!!」
 バキュンッ!!
 パワーショットを放つのだが、ヴォラシティにあっさり吸収されてしまう。
「ごっつぁんです!あんさんらのショットはエンバリスヴォラシティにとってはただのごちそうでっせ!」
 ドンッ!!
 吸収したビー玉ですぐにショットを放つ。
 シュウは間一髪でそれをかわした。
「くそっ!攻撃を仕掛けたらそれがこっちに返ってくる……!」
「奴のビーダマンは玉切れだ。こっちがやられる心配は少ないが、逆に突破も出来ない」
「ええい!迷ってる暇はねぇ!男だったら攻撃あるのみだぁぁ!!」
 ズドドドド!!
 シュウはありったけの力で何発かパワーショットを放つ。
「無駄や無駄!!」
 ゴックンッ!ゴックンッ!!
 シュウのショットは全て吸収されてしまい、クウの持ち玉となってしまう。
 ヴォラシティは、ビー玉をリロードした瞬間素早くショットを放つ。
(あいつ、吸収したビー玉はすぐに撃っている……?)
 それを見て、タケルはある確証を得た。
「このままじゃ、打つ手なしか!?」
「いや、攻撃あるのみ。あながち間違ってはなさそうだ!」
「え?」
「シュウ、こいつを使え!」
 タケルは懐からパーツを取り出してシュウに投げ渡す。
「うぉ、っとと!」
 それは、サイクロンマガジンだった。
「これは?」
「サイクロンマガジン。回転する巨大な投入口を持つマガジンだ。これで大量に連射が出来る」
「連射って?」
 タケルもサイクロンマガジンをセットした。
「それから、カウンターレバーのパワーチップを一番弱い物に付け替えろ!」
「なんでだよ!そんな事したらバスターブレイグの性能が発揮できねぇじゃねぇか!」
「良いから言われた通りにしろ!負けたいのか!?」
「わ、分かったよ……」
 タケルに言われ、シュウはしぶしぶと言うとおりにセッティングを始めた。
「これで、本当に良いんだな?」
「あぁ!奴に向かって一気に超連射を叩き込むんだ!」
 タケルとシュウが銃口をクウに向ける。
「なんやらこそこそやっとったけど、今のワイには何をしても無駄やでぇ!全部食い尽くしたる!」
「食えるものなら食ってみろ!いくぞ、シュウ!」
「おう!!」
 タケルとシュウがありったけの力でクウに向かって超絶連射を放った。
「いただくでぇ!!」
 シュウ達のショットがどんどんヴォラシティに吸収されていく。
「ごっつぁん!!」
 そして、ダブルバーストが放たれる。
「うわぁ!やっぱダメだ!」
「怯むな!!奴の撃つ速度よりも俺達二人の連射速度の方が速い!このままいけば……!」
 ドンッドンッ!!
 三人が間も空けずにビー玉を撃ち続ける。
 その時だった。
「むっ!そろそろ限界や……!」
 ガチンッ!!
 ヴォラシティが、シュウ達のショットを吸収しきれず、ビー玉を取りこぼしてしまった。
「なんだ?あいつが食い切れなかった?」
「あぁ。おそらくあの筒はビー玉をリロードする分のスペースしかなく、ビー玉を溜め込むことは出来ない。だから奴はリロードした瞬間にすぐビー玉を撃っていた。
だが、奴のショットを上回るスピードで連射をすれば、いずれ奴のビーダマンの胃袋は限界を迎える!」
「ぐぐ……!」
 バチーーーーン!!!
 ショットを吸収しきれなくなったヴォラシティは、シュウ達のショットに弾き飛ばされ、クウの手から離れてしまった。
「しもた!」
「おっしゃぁ!」
 ヴォラシティは、地面に力なく伏してしまった。
「俺達の勝ちだな」
 クウはガクッと膝をついた。
「ワイの胃袋は宇宙のはずやのに……」
「宇宙にも限界はある。広がり続けてはいるが、決して無限ではない!」
 タケルに言われ、クウは項垂れた。
「ワ、ワイの負けや……」
 しかし、意気消沈していたのもつかの間、クウの肩が小さく震え、笑い声が漏れ出した。
「くくく……」
「な、なんだよ!何がおかしいんだよ!!」
「確かにバトルはワイの負けや。せやけどなぁ」
 ダッダッダッダ!!!
 シュウ達の元へ大人数の足音が近づいてきた。
「っ!」
 気が付くと、トゥループワイアームを構えた大勢の源氏派ビーダーやドラゴンビットがシュウ達を取り囲んでしまった。
「時間稼ぎは十分成功やな!」
 クウが顔を上げてドヤ顔をする。ムカつく顔だ。
「ちっ!時間をかけ過ぎたか……!」
「ど、どうする、タケル!?」
 四方八方敵だらけ。いくらシュウとタケルとは言え、この物量には手も足も出ないだろう。
「これだけ集められたら、どうしようもないな。せめて一ヶ所でも突破口があればいいんだが」
 八方塞とはまさにこの事だ。どこを見回しても抜け道は無い。
 源氏派ビーダーは投降を促すような言葉を投げかけてくる。
「いい加減観念しろ!」
「お前らはもう袋の鼠だ!」
「ただで帰れると思うなよぉ!!」
 皆血の気が荒い。
「万事休すか……」
 そう思った時だった。
 
「ルシファー、カーブモード!!」
 シュンッ!!
 どこからか弧を描くような軌道で頭上にビー玉が飛んできた。
「なんだ!?」
 バチンッ!
 そのビー玉は、天井に備えられているスプリンクラーに激突した。
 プシャアアアアアアア!!!!!
 天井から大量の水が降ってきた。
「「「うわあああああ!!!!」」」
 いきなりの出来事に源氏派ビーダー達は戸惑う。
 そして、ドラゴンビットも水を浴びてショートした事によって次々に爆発していった。
「うぉ!一体、なんだこれ!?」
「なんで、スプリンクラーが!?」
 シュウとタケルも戸惑っている。
 そんな二人を導くように、更に声が聞こえる。
「今のうちに、走りなさい!」
 その声は、シュウにとって聞き覚えのあるものだった。
「この声、どこかで……?」
 しかし、今は考えている場合ではない。
「シュウ、何がなんだか分からんが、とにかくいくぞ!」
「お、おう!!」
 シュウとタケルは、戸惑う源氏派ビーダー達の間をすり抜けて奥にある登り階段を駆けて行った。
 
 階段を駆け上がっている途中、シュウとタケルの前に一人の少年が立ちふさがった。
「手間のかかる人達だ」
 少年が見下ろしながら言う。
「お前は、確か……メアシ?」
 かつて河原で戦った事のある少年、メアシだった。
「会った事あるのか?」
「うん。前に戦った事があるんだけど。まさか、さっきのはお前が?」
「全ては救済のため。さぁ、ここを進みなさい」
「相変わらずわけわかんねぇ。けど、助かった。一応感謝しとくぜ」
 シュウとタケルはメアシの横を通り過ぎようとする。
 その時、メアシが忠告するように口を開いた。
「その先に、源氏派ビーダー最強の男が待っている。必ず倒しなさい。あなた方の救済は、その後です」
「最強の……?」
 シュウが怪訝な顔をしたが、メアシはそれ以上は答えずに下の階へ降りて行った。
 それ以上構っている暇もないので、シュウとタケルは階段を上りきった。
 上りきった先には、さっきと同じような薄暗く殺風景な部屋が広がっていた。
 その部屋の真ん中に、一人の少年が仁王立ちしていた。
 黒い服装に逆立った髪型をしたその少年は、全身から瘴気を放っているかのような雰囲気を感じさせた。
「貴様は、あの時の……よもやこのような形で相見える事になろうとは」
「え?」
 シュウは少年の言っている意味を理解するのに少し時間が掛かった。
 が、黒い少年はシュウに構わず言葉を続けた。
「しかし、まさかここまでたどり着くとは、多少は腕の立つビーダーのようだな」
 そう言って、黒い龍のようなビーダマンを構えた。
「完成したばかりのコンフターティスドライグのテストには打ってつけだな」
「コンフターティスドライグ……って、そのビーダマンどこかで……!そうか、お前あの時の!」
 シュウは、第3話で自分とこの少年がぶつかった事を思い出した。
「お前、源氏派のビーダーだったのか……!」
 あの時は源氏派の『げ』の字も知らなかったから、さすがに忘れていた。
「名乗るのが遅れたな。俺の名は『大原タクマ』。今の源氏派のボスを務めている」
「大原?どこかで聞いた名字だな」
 タケルが怪訝な顔をする。
「今は亡き大原源氏は、我の祖父。我は孫として、祖父の意志を継ぐ。そのために源氏派を統率しているのだ!」
「けっ、なんだって関係ねぇぜ!ようはお前が一番偉いって事だろ。って事は、お前をブッ倒せば源氏派を潰せるって事だ!」
 シュウがタクマを睨み付ける。
「シュウ、あまり踏み入ろうとするな。俺達の目的はあくまで琴音を取り戻す事だ」
 タケルがシュウをたしなめようとするが、シュウの意志は変わらない。
「同じだぜ。こいつは倒さなきゃならない。そして、こいつを倒せば源氏派は潰せる。源氏派がなくなれば、ことねぇだって戻ってくるんだ!」
 理屈としては間違ってない。
「良いだろう。この際だ、互いの派閥の存続を賭けるつもりで戦うか」
 そう言って、タクマは指を鳴らした。
 その音に合わせるようにどこからかシャドウボムが出現し、タクマの足元で停止した。
「条件を提示したうえでのバトルなら、公平なルールが必要だろう。お前達は我のシャドウボムを狙うがいい」
 その申し出はありがたかった。
 源氏派とはいえ、相手のビーダマンを破壊したくないシュウ達にとって狙うべきターゲットが用意されていないのが一番戦いづらいからだ。
「後悔すんなよ!」
 ダッ!
 シュウが駆け出して、狙いやすいポジションからショットを放つ。
「いっけぇぇぇ!!」
 バシュッ!!
 バスターブレイグのパワーショットがまっすぐタクマのシャドウボムに向かって飛んでいく。
 この威力なら止められる事は無いだろう。
「はぁぁ!!」
 バーーーン!!
 だが、強力なパワーショット二発によって、シュウのショットはあっさりと止められてしまった。、
「くっ、なかなかやるな……!」
「あのビーダマンはパワー型か?だったら!」
 タケルがシュウの所に駆け寄る。
「一点に集中して、パワーショットを連射するんだ!物量で攻めれば奴が取りこぼしたショットがシャドウボムに当たるはずだ!」
 どんなに力が強くても、多数に対応出来るというわけでは無い。
 しかもシュウもタケルも強力なパワーショットの持ち主だ。その二人が数で攻めれば一人では対応しきれないはず。
「「いっけぇぇ!!!」」
 ズババババ!!!
 連射型ビーダマンほどではないものの、二人同時に連射すればかなりの数のビー玉が発射される。
「ふん……ドライグ・ワンハンドモード!!」
 タクマがそう叫ぶと、ドライグのトリガーが変形し、片手持ちが出来るグリップが出現した。
「なに!?」
 その効果によって、タクマは二人同時ショットに負けない連射で放って防ぎきってしまった。
「変形して性能が変わりやがった……!」
「まだだ!だったらシメ撃ちしてパワーで勝負だ!!」
 ドンッ!ドンッ!!
 さっきより数は減ったが、より強力なパワーショットが数発タクマに襲い掛かる。
「パワーウィング展開!!」
 今度は、トリガーの前部供えられたウィングが展開した。
「はぁぁぁ!!!」
 片手撃ちにも関わらず、強力なパワーショットの連射が放たれる。
「なにぃ!?片手撃ちのまんまなのに、パワーが上がった!!」
「くっ!」
 もちろんそのせいで連射力は多少落ちているようだが、それでもシュウとタケルのパワーショット数発を難なく防ぎきってしまった。
「両手撃ちのパワーシューターかと思えば、片手撃ちでスピード連射、更に片手撃ち連射でパワーショットだと……!一体どうなってるんだ、あのビーダマンは!?」
 3段階以上の性能の変化を見せられてしまい、タケルとシュウは動揺した。
「我がコンフターティスドライグのために新開発されたトリガーは、グリップの変形によって両手撃ちと片手撃ちを使い分けられ、
更にパワーウィングによって二段階のパワー調整を可能としている。
そして、トリガーユニットとホールドパーツに内蔵されたベアリングによってストロークもスムーズにしている。
パワー、連射、コントロール。全てを備えた究極の龍王だ!」
 
「一機のビーダマンで、全てのタイプの性能を備えているって言うのか……!」
「くそぉ……だけど俺達だってこのままじゃ終わらねぇぞ!うおおおおお!!!」
 バギュウウ!!!
 シュウが渾身のパワーショットを放つ。
「ふん」
 タクマは難なくそれをかわした。
「その程度か?」
「んなわきゃねぇだろ!!」
 ビュウウウウ……!
 と、さっきのショットの衝撃でブレイグのヘッドパーツが振動し、シュウの周りに風が吹いた。
「吹き荒れろ!フェイタルストーム!!」
 ドギュッ!!!
 ブレイグから空気の膜を纏ったショットが放たれた。
「なにぃ!?」
 タクマはドライグを両手撃ちモードに戻して渾身のパワーショットを放ったが、あっさりと弾かれてしまい、そのままシャドウボムにヒットしてしまった。
「おっしゃ!まずは先手を取ったぜ!!」
 先手を取られたショックからか、タクマは黙りこくっている。
「どうした?ひょっとして、怖気づいたのか?」
「……貴様」
 タクマが、ゆっくりと顔を上げてシュウを見据えた。
「エアリアルバイザー、だな」
「え?」
 なぜ、タクマがそれを知っているのか、シュウは一瞬面食らった。
「く、くくく……!」
 そして、タクマがさも嬉しそうに笑い出した。
「なるほど、道理で我が組織に楯突くわけだ。こんな所で真の仇に出会えるとは……」
「な、なんだよ?」
 急にわけのわからないことを言い出され、シュウは戸惑った。
「良い物を見させてもらった。礼をするぞ」
 言って、タクマもパワーショットを放った。
 バシュッ!!
 そのショットはシュウの頬を掠めて後ろに壁に激突する。
「っ!」
 外した。しかし、そのショットは本命ではないようだ。
 ガクガクガクガク!!
 さっきのショットの反動で、ドライグのヘッドの上顎が激しく振動している。
「なっ、まさか、そのビーダマンもブレイグと同じ……?」
「同じではない。我こそが真の使い手だ」
 ビュワアアアアアア!!!
 ヘッドの口から白い靄のようなものがまっすぐ一直線に伸びて、シュウのブレイグにぶつかった。
「こ、これは?」
「空気の膜か?!まるで、トンネルのように伸びて……!」
「闇へ帰れ……ドラゴニックブレス!!」
 
 バギュウウ!!!
 ドライグがショットを放った。
 そのビー玉は空気のトンネルを通ってまっすぐシュウのブレイグへと迫ってくる。

「う、う、うわああああああああああああああ!!!!」




      つづく

 次回予告

「大原タクマにコンフターティスドライグ。とんでもない強敵の出現だぜ……!
だが、そのバトルの行方は予想もしなかった展開になってしまった。
そして、ついに俺達の前に姿を現したことねぇは一番聞きたくなかった言葉を……。
 
 次回!『決別!さらば仲良しファイトクラブ』
 
熱き魂で、ビー・ファイトォ!!」