オリジナルビーダマン物語 第23話 | ユージンの競技玩具とかやる所

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爆砕ショット!ビースピリッツ!!


第23話「アルティメットSHB 激闘!バスターブレイグ!!」



 選手控え室。次の試合に向けて仲良しファイトクラブがいろいろと準備をしていた。
「う~ん……」
 彩音はノートパソコンのモニターとブレイグを交互に見ながら、せわしなくキーボード操作をしている。
「ふぅ、分析終了……。さすがは師匠、凄い設計だわ……」
「やっぱ、凄い?」
「うん。このバスターブレイグは、ストライクブレイグと比べて全体性能が向上してるのもそうだけど、何より性能バランスがストライクブレイグと殆ど同じなの。
これは、そのままストライクブレイグと言い張っても支障がないレベルよ」
「……そっか、やっぱりお前、ブレイグなんだな」
 シュウは嬉しそうに、慈しむようにバスターブレイグを眺める。
「確かに、あのパワーは凄かったからなぁ」
 タケルも、前回の試合を思い出して、畏敬の念を込めてつぶやく。
「うん。ちょっとやそっとで出せるパワーショットじゃないよね」
 琴音もあのパワーショットには驚いているようだ。
「俺だって最初撃った時はビックリしたぜ。でも、撃てば撃つほどに分かるんだ。こいつは間違いなくブレイグだって。今はそれがすげぇ嬉しい」
「シュウ……」
「シュウ君……」
 よかったな。と一同は心からそう思った。
「今までのブレイグと殆ど変わりないって事は、戦い方とか注意する点とかも今までと同じで良いのかな?」
 シュウはふと思いついたように彩音に聞いた。
「ええ。エアリアルバイザーも健在だし、フェイタルストームも使えるよ。ただ、発射抵抗が前よりも大きいから撃つたびに体力の消耗が激しくなるかな」
「なるほど。まぁ、基本的に同じなら良いや!後は俺がこいつの性能に合わせて強くなれば良いだけだし」
「だな。次からもしっかり頼むぜ、シュウ!」
「おう!バンバン撃って、バンバン勝ってやるぜ!!」

「それはそうと、彩音さん、次の対戦相手の情報って入ってる?」
 タケルが、話題を変えて彩音に振る。
「うん、ちょっと待って、今調べてるところだから」
 彩音は早くも次の作戦会議への作業をしていたようで、キーボードをカタカタと打っている。
「出た。えっと、次の相手は埼玉県出身のガード・イズ・ストロンガーって言うチームみたいね」
 彩音が相手チーム名を読み上げる。
「ガード?」
「ガードが強いって事?」
「ビーダマンで防御重視ってどういう事だ?」
 一同、頭上に?マークが浮かんだ。
「ちょっと待って……これが、相手チームのビーダマンね」
 モニターにビーダマンが映し出される。彩音はそれを見せた。
「随分と、ゴツイね」
「あぁ、なんか硬そうだ」
「装甲を強化してるのか?」
「えぇ、見た感じこのビーダマンの装甲は私達のビーダマンの約5倍の強度を誇るわ」
「うっひゃ~、5倍……」
 その数値に、シュウは感嘆する。
「でも、ビーダマンでそこまでの強度って必要なの?」
「このチームは、メンバー全員が大柄で、かなりのパワーを持ってる。ビーダマンはそのビーダーのパワーに耐えるために強度を上げてるみたいね」
「ビーダマン自身のパワーじゃなくて、ビーダーのパワーに耐えるための性能なのか……」
「だけど、パワーだったら俺とタケルだって負けてねぇぜ!!」
 シュウはグッと力瘤を作ってみせる。右腕に、小学生にしては大きい膨らみが浮かぶ。
「そうだな!こっちには新型のバスターブレイグもあるし、俺と琴音も調子は上々だ。次も気合入れていくぞ!」
「「おう!!」」
 
 そして、そろそろ試合時間になった。
 試合会場に、仲良しファイトクラブと、ガードイズストロンガーが入場する。
「っひゃ~、リアルで見るとマジでけぇ~!」
「そうだな……かなりのパワーがありそうだ」
 タケルとシュウが、実際にガードイズストロンガーのメンバーを見て、仰天する。
「ふん、貴様らが仲良しファイトクラブか。調べた所なかなかの手練れのようだ」
「だが、われわれは貴様らに負けるわけにはいかぬ!ビーダマンで勝つために常に過酷な特訓をしてきたのだからな!」
 ガードイズストロンガーがシュウ達に話しかけてきた。
「過酷な特訓?」
「ああ。我々の出身地は、彩の国埼玉。それに合わせ、我々もサイを相手に過酷な筋力トレーニングを積んできたのだ!!」
 サイの突進を受け止めたり、サイを抱えてウェイトトレーニングしたり、サイを背中に乗せて腕立て伏せしたり……そんな特訓をしていたらしい。
 そりゃ、筋肉もつくわ。
「彩って、そのサイじゃないでしょ……」
 思わず突っ込む琴音。
「だが、奴らの特訓は本物らしいな。油断するなよ!」
「分かってるって!」
 しばらくすると、ビーダマスターの実況が響いた。

『さぁ、関東大会団体戦も第二回戦だ!対戦カードは、埼玉出身ガードイズストロンガーVS東京都出身仲良しファイトクラブだ!!
屈強なガードイズストロンガーに、これまで数々の功績を残した仲良しファイトクラブのバトル、これは見物だぞ!』
 
 ワーーーーー!!

『そんじゃ、今回のフィールドの紹介だ!フィールド、オン!!』
 ビーダマスターが合図すると、会場にフィールドが出現する。
 ステージは、巨大な池の上に埋立地のようなコンクリートと港を模したものがあるステージだ。
『今回のフィールドは、東京湾に浮かぶ埋立地をモチーフとしている!基本はコンクリートの陸地だが、所々海に面しているぞ!落ちないように注意してくれ!!』

「海と港と埋立地か……」
「すげぇ、ボートもある!」
 シュウが、港を模した所にある小型ボートを指差す。
「あのボート、使えそうだな」
「フィールド全体もかなり広いし、何かあったときの逃げ道になりそうね」
「ああ」

『そして、対戦ルールは、アルティメットSHBだ!!
シャドウボムは、これまでと違ってHP制となっている。全員共通で100ポイント設定されているぞ!
当てたショットの威力が強ければ強いほど、与えるダメージも大きくなっている!
更に、このシャドウボムは使用者のビーダマンの強度も測定している!その強度が高ければ高いほどボムの防御力もアップするぞ!!』
 
 各チームにシャドウボムが配られる。
「いよいよ新型シャドウボムを使うのか……」
「ちょ、ちょっと待って!って事は、相手のビーダマンの装甲がかなり有利に働くんじゃ……!」
「た、確かに……!」

 ガードイズストロンガーはこの競技になったことを普通に喜んでいた。
「ふふふ!これは、我々には有利だな」
「ああ。この新型シャドウボムが出た時からビーダマンの装甲を更に強化した甲斐があったというものよ」
 どうやら、彼らのビーダマンの装甲は、パワーに耐えるためだけでなくこの競技に照準を合わせてのものだったらしい。

『そして、更に秘密の機能を紹介するぞ!このシャドウボムの側面を良く見てくれ!』

「え、何々?」
 よく見ると、シャドウボムの、前後左右の四箇所に、ビー玉一つ分の大きさの凹型のボタンのようなものがある。
「なんか、凹むタイプのボタンがあるね」

『そう、そこがこのシャドウボムの急所となっている!
そこに見事ヒットした場合は、通常のダメージにプラスして、ヒットしたビー玉の威力や防御力に関係なく20ポイントダメージが与えられるぞ!!』

「なるほど、パワーが無くてもコントロールに自信があれば、そこを狙えば良いのか」
「でも、ビー玉一個分のアタックポイントを正確に打ち抜くなんて、なかなか難しいよね」
「本当にコントロールに特化してる奴専用だろうな」
「ってことは、俺達は普通に戦うしかないって事だな!相手がどんなに硬くても、バスターブレイグで突破してやる!」

『バトルは1ラウンドのみ。全員のシャドウボムを撃破したチームの勝利だ!そんじゃ、そろそろおっぱじめるぜ!両者とも準備はいいかな?』
 両チームがスタート位置につく。
『レディ、ビー・ファイトォ!!』

 ダッ!!
 両チームが一斉に駆け出す。
「へぇ、海の上って言うけど、結構足場は安定してるのね」
「まぁ、浮島とかじゃないからな」
 
 仲良しファイトクラブチームの視線に、ガードイズストロンガーが映る。
「結構広いフィールドだけど、もう相手チームが見えてきた」
「このフィールドは視界を遮るものが少ない。こりゃ、早くもガチンコか!」
 タケルの予想通り、ガードイズストロンガーが、仲良しファイトクラブの射程圏内に入り、撃ち合いになる構えだ。

『おおっと!両チーム、早くも遭遇!バトル開始早々激しい撃ち合いが予想されます!!』

「ふっ、まずはお手並み拝見と行こうか」
 ガードイズストロンガーは動かず、仲良しファイトクラブの出方を伺っているようだ。
「なめられたもんだな、喰らえ!!」
 タケルのシフトレックスがまず火を噴く。
 
 バーーーン!!
 何の抵抗も無く相手のシャドウボムにヒットした。

『早くもガードイズストロンガー、盾男君のシャドウボムにヒット!初手を制したのは、タケル君のシフトレックスだ!!』
 盾男のシャドウボムのHPが95に減る。

「た、たったの5ダメージ?!」
「そんなもんなの?」

「今度はこちらの番だ!」
 ガードイズストロンガーの攻撃、油断していた琴音は防御を忘れていた。
「きゃっ!」 
 バーーーーン!

『やったらやり返す!ガードイズストロンガー、盾郎君のロックバリケードのショットが琴音君のシャドウボムにヒット!!』
 
 琴音のシャドウボムのHPが85になる。
「あいつ、タケルよりも威力があるのか?!」
「いや、これは防御力の差だな。俺達のビーダマンは装甲まで意識して作られてない……!」
「タケルのショットのほうが威力があったとしても、防御力に差がありすぎるから、相手のほうが結果的にダメージが通るんだわ……!」
「くっそー!!」
 今度はシュウが、バスターブレイグでショットを放つ。

 バーーーーン!!!
 ガードイズストロンガーの一人にヒットする。
 HP制のために何発か撃たれても耐えられるからか、精神的にガードが手薄になっている。
 そのせいで互いにシャドウボムにヒットしやすくなっているようだ。

『またもヒット!バスターブレイグの強力なショットが、盾丸君のシャドウボムをアタックだ!!』
 盾丸のHPが80になる。

「ほう、なかなかの威力だな」
「あの機体は要注意なようだ」

「くそ、バスターブレイグでも20ダメージしか与えられないのか?!」

「あいつらのパワーは大体分かった。では、そろそろ行くぞ!」
「おう!」
 ズドドドド!!

『おおっと!ここでガードイズストロンガーが猛ラッシュ!メンバー全員で仲良しファイトクラブを攻撃だ!!』

「くっ!防御だ!このままシャドウボムを撃ち合ったら俺達が不利だ!!」
 喰らうダメージは結果的に仲良しファイトクラブのほうが大きい。ならば、なるべくシャドウボムに攻撃を与えられないようにするしかない。

 シュンッ!ガキンッ!!
 ガードイズストロンガーのショットは、タケルやシュウのパワーショット、琴音の連射でのあっけなく撃ち落せた。
「なんだ、与えられるダメージは向こうのがデカいが、ショットの威力自体はこっちの方が上みたいだな!よし、一旦引くぞ!大勢を立て直すんだ!」
「おう!!」

 タケル達は、相手のショットを防ぎつつも、その場を離れた。

「む、逃げるか!」
「追うぞ!」
 ガードイズストロンガーも追いかける。
 だが、仲良しファイトクラブの方が速い。
「でかい図体だけあって、足は遅いみたいだな」
「港に行くぞ!ボートに乗って、離れるんだ!!」
「「おう!!」」

『仲良しファイトクラブは、港に向かっている!ボートを使って、海を渡る気か!?』

 仲良しファイトクラブの三人は、港に繋がれていたロープを解き、ボートに乗り込む。
「急げ!乗り込むぞ!!」
「ああ!」
 そして、ボートを発進させる。

「結構、あっさり逃げられたね」
「ああ、あいつらの足が遅くてよかったぜ」
「あ、あぁ……」
 一安心なシュウと琴音に対し、タケルは緊張をとかない。
「どうしたんだ?」
「いや、やけにあっさりだなって思ってな」
「心配しすぎだって。あいつら体が重いから足が遅いんだよ」
「だと良いが……」
 シュウの言葉を受けても、タケルは警戒をとかなかった。
「それより、これから先どうするの?」
「そうだな。あいつらの防御力は半端じゃない。こうなったら、一か八か……」
 タケルが作戦を話そうとしたその時だった。
 
 ズドオオオオオオン!!
 物凄い衝撃音がしたかと思ったら、ボードが激しく揺れた。
「な、なんだ!?」
 見ると、ボートのエンジン部分から煙が出ている。
「っ!?」
 慌てて周囲を見回す。
 すると、陸地にビーダマンを構えているガードイズストロンガーがいた。
「お前らっ……!」
 どうやら、ガードイズストロンガーのショットがボートを故障させたようだ。
「ボートに乗ったのが命取りだな」
「もうお前達はそこから動けない」
「袋のネズミという奴だな」
 
「っ、しまった……!」

『おおっと、これは仲良しファイトクラブの作戦ミスか!?ボートに乗って上手く逃げたかと思われたが、そのボートによって足止めを喰らってしまった!!』

「さぁ、ゆっくり仕留めさせてもらうぞ!」
 ガードイズストロンガー達の猛攻が襲い掛かる。
 キュンッ!キュンッ!!
「うわわ!!くそっ、こんな狭いボートじゃよけようがない!!」
「ちぃ!迎撃だ!!迎撃するんだ!!」
 仲良しファイトクラブの三人は立ち上がって向かってくる玉を撃ち落す。
 しかし、不安定な足場のせいでショットが安定しない。
 そして、奴らは広い陸地によって仲良しファイトクラブのショットを悠々とよけている。
「くそっ!」
 
 バーン!バーン!!
『これは、仲良しファイトクラブは完全に詰みか!?どんどんシャドウボムのダメージが蓄積していく!!』

 何発も攻撃を受けて、タケルはHP67。琴音はHP73。シュウはHP59になってしまった。
「さすがのバスターブレイグも装甲まで考えられてないからなぁ……こうなったら、あれしかない!」
 シュウは、相手に向かって思いっきり撃つ。
 バゴオオオン!!
「ふん、こんなもの!」
 しかし、相手はサッとよける。
 が、シュウにとってこのショットは布石に過ぎない。
 
 ビュウウウウウウウウウ!!!!
 シュウの回りに風が巻き起こる。
「うおおおお!!!フェイタルストーーーーム!!!!」
 バシュウウウウウウ!!!

 フェイタルストームが、風を切り裂きながらもう突進していき、盾男のシャドウボムにヒットした。
 バーーーーン!!
「なにぃ!?なんてショットだ……!!」
 一気にHPを50も削られてしまった。
「くぅぅ……!!」
 そして、フェイタルストームが巻き上げた水しぶきによって、ガードイズストロンガーのショットが殆ど弾かれてしまい、ガードイズストロンガー自体も怯んでしまった。
「よし、いまだ!あいつを集中狙い!!」
「うん!」
 ズドドドド!!
 その隙に、タケルと琴音とシュウは盾男のシャドウボムに集中砲火を浴びせた。
 
 ズバババババーーーーン!!!
 さすがに、どんなに装甲が厚くても、三人の集中砲火には耐え切れず、ついにシャドウボムが爆発してしまう。

『盾男君!シャドウボム爆破によりリタイヤ!!』

「くっ、負けてしまったか……あとは頼んだぞ、盾郎!盾丸!!」
 盾男はガクッと膝をつき、盾郎と盾丸に後を託した。
「了解!」
「仇は必ずとる!!」

「よし、一人倒せた!!」
「シュウ!もう一度フェイタルストーム、いけるか!?」
「おお!!」
 再び構えるシュウだが……。
「ぐっ……!」
 腕に激痛が走り、バスターブレイグを落としてしまう。
「どうした?」
「いや、なんでもねぇ……」
 慌てて拾うのだが、シュウの腕はプルプルと震えている。
「なんでもない事ないだろ。さすがにバスターブレイグでのフェイタルストームは、まだ負担が大きすぎたか……」
「大丈夫だ。必殺ショットは無理でも、普通に撃つ事は出来る……あっ!」

 バーーーン!!
 そんな事している間に、シャドウボムが攻撃されてしまう。
「くっ!」
「きゃっ!」
 タケルのHPは、37。琴音は40。シュウは28にまで減少してしまった。

「くそっ、悠長に構えてる暇は無いな」
 タケルは懐からパーツを取り出した。
 それは、ロックオンバレルだ。
「琴音、これを付けて、センターグリップモードにチェンジだ」
「え?」
「俺もモードチェンジする」
 シフトレックスにもバレルを取り付け、グリップモードにチェンジした。
「でも、そしたらパワーが下がるんじゃ?」
「一か八か。あれを狙うぞ」
 タケルは、シャドウボムの急所を指した。
「多少威力は下がっても、あそこを狙えれば」
「でも、かわされたら?!」
「また撃つだけだ!シュウ、水面を撃って水しぶきで相手の攻撃をシャットダウンするんだ!しぶきが晴れた瞬間に、俺達が撃つぞ!俺は盾郎を狙うから、琴音は盾丸だ!!」
「了解!!」
 タケルと琴音がオプチカルボードを展開させ、その上にビーダマンを置いて安定させて、じっくりと狙いを定める。
「うおおおお!!!」
 シュウは、水面を撃って水しぶきをあげ、相手の攻撃をすべてガードした。

「くっ!水のバリアか!」
「だが、晴れたところを狙い打つ!!」
 ガードイズストロンガーは、ビーダマンを構え、水しぶきが晴れるのを待つ。
「それは……!」
「あたし達も同じ!!」
「なにっ!!」
 ドギュッ!!!
 タケルと琴音がコントロールショットを放つ。
 攻撃に専念しようとした盾郎と盾丸は、咄嗟に動けない。
「ぐぅぅ!!」
「あたるか!?」
 バーーーーン!!
 タケルのパワーコントロールショットと琴音の連射コントロールショットが盾郎と盾丸のシャドウボムにヒットした。

『ヒット!なんと、見事にシャドウボムの急所を捕らえたぞ!!盾郎君は一気に27ダメージ!盾丸君は一気に43ダメージ喰らった!!』

 盾丸に関しては、二発も急所に当てられたらしい。

「ぐぅぅ!!」
「よし、もう一発だ!!」
 バシュッ!!バーーーーン!!!
 再びヒット!急所は外したものの、連続ショットで相手のHPをどんどん削っていく。

「くっ、我々も攻撃の手を緩めるな!!」
「おう!!」
 互いに、防御する事は忘れ、攻撃に専念した。
 シャドウボムがどんどんヒットし、HPが削られていく。

『壮絶な撃ち合いになったぞ!勝つのは、防御で勝るガードイズストロンガーか!総合攻撃力で勝る仲良しファイトクラブか……!』
 
 そして……。

 バーーーーーン!!

 最後の一人のシャドウボムが爆発する。

『決まったぁぁ!!満身創痍の大接戦!!最後に生き残ったのは、琴音君一人だけだ!!その琴音君のHPもあと14!!
凄まじいバトルだったが、それを制したのは、仲良しファイトクラブ!!熱いバトルを見せてくれた!!!』

「か、勝ったぁ……!」
 ドサッとシュウは尻餅をついた。
「まさか、我々の装甲が敗れるとは……」
「まだまだ修行が足りなかったようだ。さぁ、東武動物遊園地に行って、またサイと特訓の日々だ!」
「おう!!」
 そう言って、ガードイズストロンガーはえっほえっほと駆けて行った。

「あいつら、動物園のサイと特訓してたんだな……」
「さすが、埼玉出身……」
 そういう問題なのだろうか……?
「それより、俺達、ここからどうやって戻ろうか?」
 ボートも壊れちゃったし、ここは池のど真ん中だ。

『あ~、すまない。すぐに救命ボートの準備するから、しばらくそのままで待ってくれ!!』

「あ、分かりましたー!」
 ビーダマスターに言われたとおり、仲良しファイトクラブは大人しく待つことにした。
 
 そして、会場の裏でその仲良しファイトクラブを見つめている黒い影が三人……。
「あれが、噂の仲良しファイトクラブか」
「ながなか面白そうな奴らだな」
「だが、俺達の敵ではねぇ!」
「そうだな、俺達インセクターズこそが、最強だ!ひゃっはっは!!」
 彼らは一体……!

 
 
      つづく

 次回予告

「さぁ、団体戦も決勝戦だ!次の相手は……群馬県出身の虫取り少年達!なるほど、さすがはグンマー、田舎だぜ!
だが、田舎のグンマーはとんでもない田舎パワーで俺達を追い詰めてきた!い、田舎にしてはなかなかやるぜ!!

 次回!『関東予選決勝!爆走トロッコリレーレース!!』

熱き魂で、ビー・ファイトォ!!』