心と体を護(まも)る術

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おとといの日曜日の稽古では、ナイフやバットによる攻撃にいかに対処するか、研究しました。

前回書いたように、素手で対処しようとは考えません。
各自、道着を入れてきたバッグを武道場に持ってきてもらい、まずはバッグでナイフを防ぎながら反撃する練習をしました。

次に、ベルトで攻撃をひるませる練習。
攻撃側は、危険防止のためにスーパーセーフ面か、サバゲー用のゴーグルと金属製のメッシュのマスクを着用して、ナイフかバットで攻撃する。
捌き側は、ベルトを弾くように相手の顔面に当てます。

私はゴーグルとマスクをして攻撃しましたが、ベルトの先端が顔や耳にペシーッて当たるとかなり痛かった。
今回はケガをしないようにバックル側は当てなかったけど、実戦ではバックルの方を相手の顔面に当てれば、おそらく戦意喪失に陥るはず。

あと、小銭をバラバラって顔に投げつけて、ひるんだところに飛び込み前蹴りを腹に入れる練習もやろうかと思ったけど、散らかった小銭を拾い集めるのが面倒くさいのでやめました😅

いちばん下にある茶色いのは私の財布。小銭は投げませんでした。

また刃物によるむごい殺傷事件が発生しました。

 

神奈川県内を走行中の東海道新幹線で9日夜に発生した殺傷事件。

無職小島一朗容疑者(22)(愛知県岡崎市)は、ナタで20代の女性乗客2人に切りつけ、止めようとした30代の男性を執拗に切りつけて殺害しました。

この男性の勇気には心から敬意を表します。

小島容疑者は「むしゃくしゃした。誰でも良かった」と供述しているそうです。

 

実は、私は同じ9日夕方に、出張先の名古屋から上りの新幹線で東京に向かっていました。

時間帯も、上り下りも違うとはいえ、同じ日に同じ東海道新幹線の車内で発生した事件だけに、妙に生々しく感じてしまいました。

 

5月には、名古屋市内の漫画喫茶で、やはり22歳の無職の男が、見ず知らずの利用客の30代男性を果物ナイフで切りつけて殺害しました。「ずっといらいらしていた。誰でも良かった」と、小島容疑者と同じような供述をしています。

これらの事件以外にも、ナイフによる通り魔的な殺傷事件はこの1年にあちこちで頻繁に起きています。

 

つまり、ナイフによる理不尽な攻撃は、いつ、どこで我が身に降りかかっても不思議ではないのです。

 

新幹線殺傷事件に話を戻します。


9日夜、あの事件のニュースをテレビで観て、「自分があの現場に遭遇したら、どう対処しただろうか」と考えました。

武道をやっていると、当然そういう発想になりますね。

 

出張は2泊で、普段仕事で使っているショルダーバッグ(ファスナーで拡張できるタイプ)を持参。着替えのワイシャツ2枚や下着、資料などを入れてパンパンに膨らんでいました。

このバッグをそのまま、ナタを防ぐ「盾」にして使うには、重すぎます。

 

だから、中からシャツや資料などを急いで取りだしてバッグを軽くして、盾代わりに片手に持って突進し、相手が態勢を崩したところに、顔面に掌底(てのひらの下の部分)をぶち込むか、距離があれば前蹴りを腹部か金的にぶち込む。

 

しかし、この方法はダメ。

一刻を争う時に、カバンの中から荷物を外に出して・・・なんてやってるヒマはありません。

 

やはり、すでに報道されているように、椅子の座面を手で外して、盾代わりにするのが手っ取り早いかもしれません。

軽くて厚みがあるようですし。

(シートによっては外せない座面もある、という話も聞きましたが…)

 

で、くれぐれもやってはいけないのが、素手で刃物に立ち向かうことです。

武道や格闘技の経験者の中には、「刃物なんて素手で捌(さば)けるよ」「蹴り一発入れればいい」などと安易に思っている人がいるかもしれませんが、刃物による攻撃はそんなに甘いものじゃありません。

 

小島容疑者の体つきは、テレビで観る限り、とても鍛えているようにはみえません。

はっきり言って貧弱です。

それでも、ナタやナイフなどを手にすれば、人を簡単に殺すことができるのです。

 

たとえば、相手のパンチ(突き)が来た場合、空手では手(手首に近い腕)で受け、反撃します。

しかし、パンチは素手だからいいものの、これが刃物だと、手首に当たって血管が切れてしまうかもしれません。リストカットと同じで、へたをすると出血多量で死に至ります。

もちろん、フルコンタクト空手のように突きを体で受ける、なんてことは、相手が刃物だと自殺行為になることは言うまでもありません。

 

ナイフ攻撃に対して素手で捌く練習に力を入れている武道や軍隊格闘術もあります。

私も様々な無料動画やDVDの映像を観て、自分なりに研究もしました。

護身武道をやる以上は、刃物もきちんと捌きたいですからね。

 

たしかに、刃物による攻撃を流れるように捌き、自分の姿勢は保ったまま、相手を抵抗できないように制する、という一連の動作は、かっこよく、美しくさえあります。

しかし、動画を観れば観るほど、攻撃の単調さやスピードの遅さが目に付き、今では、あんなきれいな動きは「幻想」だと考えるようになりました。

 

相手が刃物を持っているのに、こちらが素手である必要はまったくない。

何でもいいから武器や盾になる物を持つべきです。

だからこそ、多くの武道には、素手・素足で戦う「体術」のほかに「武器術」があるのでしょう(私が修行している心体育道には杖術があります)。

 

 

もう一つ、気をつけないといけないのは、犯行が行われたのが新幹線の車内という点です。

 

新幹線車内の通路の幅は数十㎝なので、当然、動きが限定されてしまいます。

たとえば、暴漢が、剣道の面のように真上からナタを振り下ろしたとします。


現場が路上なら、横にステップしてよけることができます。

でも、新幹線の通路では、横にステップすることは不可能です。

ローキックやハイキックなども使えません(刃物相手には回転系の攻撃は使わないけど)。

 

後ろに下がってよけることはできます。

でも、一度下がってしまうと、相手はさらに刃物を振ったり突いたりしながら前へ前へと攻撃してくるでしょう。

こちらの体勢は不利になり、最後には刺されてしまうかもしれません。

 

結局は、シート座面などの盾を使って刃物の攻撃を防御しながら前へ出て、相手がひるんだところに掌底か前蹴りをくらわす、という対処法がベストだと私は考えています。

 

 東京道場では、近い間合いで相手が攻撃してきた時に、前へ出ながら受ける練習を時々やっています。

相手の横や斜め前、後ろではなく、真ん前に出る。


具体的に新幹線の通路をイメージして練習していたわけではありませんが、エレベーターなどの狭い場所でも使える「技と度胸」を身につけようと考えて練習していました。


この動きは、盾があれば、刃物を持った相手にも応用できるはずです。

 


 以上、久しぶりの投稿でした。

 

 

 


右の攻撃側はプラスチック製のナイフ。
左の捌き側はバッグを持って対処。目には安全のためにサバゲー用のゴーグルを付けています。

 

 

 

基本稽古の後、おすみくん(オールストライクミット)を使って、捌きの型のいくつかの技(手による反撃)の練習をしました。

写真は撮りませんでしたが、いい練習になったと思います。

普段はなかなか感触を味わえない「目はじき」(手をパーにして目をはじく)や、「かかと挟み蹴り」(相手の態勢を崩し、後頭部を抑えて下に持ってきて、かかとではじくように顔面を蹴る)を、おすみくんを使って当てる稽古をしました。

その後、ナイフディフェンスの練習もやりました。

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最後は、一人を複数で取り囲み、攻撃。これを捌く練習をしました。

こうした場合、一人ずつ順番に攻撃してくるとは限りません。
一人に対処してるときに、別の一人に後ろから攻撃されることもありえます。

その場合は、ステップで捌くのが間に合わず、上体の柔軟性でよけることも必要になります。

時には、こうした練習もやった方がいいですね。


久しぶりの更新です。

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僕の名前は「押忍己(おすみ)」くんと言います。
さて、何者でしょう?



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最初はこんな箱に入ってました。

正式名称は「オールストライクミット」。頭文字をとって「お・す・み」くんです。



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もうお分かりですね。

僕は、顔面の形をした、格闘技や武道用のミットなのです。


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後ろにグリップがあり、こうして握って使います。

今日の稽古で、僕のご主人が使ってくれるそうです。
僕をたくさん殴ったり蹴ったりしてほしいな!

昨日の稽古の最後に、バット(プラスチック)による攻撃と、ナイフ(ゴム)による攻撃を捌く練習(研究)をそれぞれやりました。

最初は自分のカバンで防ぐ練習、次は素手で防ぐ練習です。

カバンがあるのとないのとでは、捌く側の安心感がまったく違います。ナイフよりカバンの方が面積が広いから、それを盾のように使え、心に余裕ができるのです。

カバンを両手に持ち、突いたり振ったりしてきたナイフの刃先に覆い被せて相手の体に押し込み、即、相手の顔面に掌底(しょうてい=てのひらの下側の厚い部分)や肘打ちをぶちかます。

バットの場合は、例えば2㍍くらい離れた距離で双方が立ち、用意ドン!で相手がバットを振り上げるのなら、すぐに前に飛び込んで、「上げ受け」の要領で腕を抑えて制することができます。

しかし、遠くからバットを振り上げて「ウワーッ」と叫びながら走って来られた場合、どの時点でバットを振り下ろしてくるのか、こちらの反応すべきポイントが分からず、最初は思わず逃げてしまいました(^_^;)

それでも、何度か繰り返すうちに、前に入って制するタイミングが少し分かるようになりました。

道場生のIさんは、この練習を繰り返すなかで、相手がバットを振り上げて走ってきたら、こっちも走って向かっていけばいい、と気づいたそうです。

「バットを持つと、自分がすごく強くなった気がする。振り回せば、相手は逃げるはず。それなのに、その相手に思い切り向かって来られたら、びっくりして焦るんじゃないか」

なるほど。そんなものかもしれませんね。
人間の心理の「真理」です。

そもそもバットを手にした時点で、その人はバットに意識がとらわれてしまいます。そこさえ無力化すれば、心も無力になってしまうのかもしれません。

あと、バットをビュンビュンとめちゃくちゃに振られると、なかなか前に入りにくい。でも、下に振り下ろした後、次に振り上げる前のほんの一瞬、必ず隙ができます。そこを飛び込んで抑えればいい。

これも繰り返しているうちに、少しできるようになりました。

私にとっても他の道場生にとっても、いろいろな発見があったようです。


で、前回のブログで、武道の黒帯は、誰かがバットや刃物で誰かを襲っている現場に居合わせたら、それを制する責務がある、と書きました。

補足すると、これは「航空機内で急病人が出た時の医師」に似ています。

フライト中の航空機の中で急病人が出た時、キャビンアテンダントさんが「誰か、医療関係者はいらっしゃいませんか?」と呼びかけますよね。

そんなとき、手を挙げられない医師もいる、と聞いたことがあります(もう10年以上も前に聞いた話なので、今はどうかわかりません。そもそもそんな統計はないでしょうし)。

救命処置のトレーニングを受けていないので、的確に対応する自信がなく、医師を名乗れない、というわけです。

しかし、医師免許を持っている以上、普段はあまり救命医療に関わることのない、例えば眼科医や皮膚科医であっても、死にそうな人を前に最低限の救命処置はできてほしい、と思うのは、私たち一般市民の普通の感覚ではないでしょうか。

空手であれ何の武道であれ、黒帯というのは、こうした医師の世界における医師免許に近い価値と責任があると思います(ただし、医師のように社会的な評価や高い地位、高収入が得られる保証はまったくありませんけどね)。

繰り返しになりますが、武道の黒帯取得者は、目の前の暴力に見て見ぬふりをすることなど、あってはならない。だからこそ、武器に対する練習は必要だと思うのです。

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