お客様に高いの無いの?って聞かれる事が多いんです。

 

よくよくお話を伺うと、1升○万円とか4合瓶で○万円とかの高額商品を求められるんですが、たいがい銘柄等を伺うと定価はそこまでしないプレミア価格の商品名を言われる事が多いです。

そもそもそんなに高い商品は少ないんです。
中には高価なお米を使ったりお米を極限まで磨くために原料費が高くなって、定価が4合瓶で2万円とかする物もありますが、日本酒ならせいぜいしても1升で1万円とかじゃないでしょうか。

 

酒販店としてプレミア価格での販売についてお伝えしたいと思います。

 

 

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ご来店されるお客様に『ここは安いんだね』とよく言われることがありますが、そのたびにお客様に『ウチは定価販売なんですよ。同じ商品でも市内のスーパーさんとかで高く売っているのはプレミア価格です』と、ご説明させていただいてます。

実際ウチが安いのではなく他店が高く売っているんです。


【安売りはしていません】

 

 

高く売っているお店があるのにはカラクリがありまして、商品に対して蔵元様が決めている≪特約販売店≫というシステムがあります。
これは、地域に1店とか都道府県で1店とか、ある程度のエリア制をとられています。
当店でもそういったお酒がありますが、当然特約販売店なので安く売れませんが高くも売れません。


【何故プレミアがつくの?】

じゃあなんでプレミア価格になってしまうのかと言うと、特約販売店以外のお店さんは仕入れることができないんですけど、ここで登場するのが『ブローカー』と呼ばれる方達です。

やり方は何種類かあるのでしょうが、まず1つめは特約販売店で一般客として定価で購入し、金額を上げて特約販売店以外に卸します。
その間に数件のブローカーが入れば段々価格が高くなってしまうのです。

ウチにもブローカーから商品カタログが届きますが、ウチで定価販売している商品が高い価格で酒販店さんに卸されています。

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特約販売店で買っていただければお釣りがくるようなプレミア価格で販売されています。

仮に1升2,000円の商品があるとして、それをブローカーが特約販売店で一般客として購入し2,500円で特約販売店以外に卸すと、そのお店では3,000円で売るといった形で価格が吊り上っていきます。


【悲しいかな事実です】

2つめは特約販売店さんが在庫をさばききれなくなり、ブローカーに仕入価格プラスαで横流しするパターンです。

例えば1,500円で仕入れて2,000円で売る商品を1,700円でブローカーに横流しすると、ブローカーは2,000円で一般酒販店に卸せば2,500円で販売されてしまいます。

3つめはとある同業者の方に聞いた話ですがブローカーが配送業者さんと組んで、商品の破損と偽ってブローカーに商品を流してしまうパターンです。

大手配送業者さんでは無いそうですが小さな配送業者さんのドライバーさん個人でブローカーと組んでる場合が多いようです。


このような形でプレミア価格になってしまうのが非常に悲しいです。

 

ウチもプレミア価格で販売したり逆に安売りしてしまうと蔵元様からの商品供給が止まってしまうので定価販売とさせていただいてます。

なのでウチは安くありません。
定価販売なだけです。

 

 

それと特約店としての反省も

 

これは僕個人の意見ですけども特約店として、お客様の特約商品を伝えきれていないと反省しています。

お客様にしっかりとお伝え出来ていれば、その商品の適正価格がわかってプレミア価格で買ってしまうお客様がいなくなるんじゃないかと思うんです。

ちゃんとお伝え出来てないばかりに適正価格がわからなくてプレミア価格が当たり前の価格であったり、もともと高い商品なんだと言う認識でお客様に伝わってしまっているんじゃないかと反省しています。

 

 

もちろん蔵元さんの方針でネット掲載不可という商品もありますが、知られないことにはプレミア価格で買ってしまうお客様は減らないのではないかと思います。

 


当店も今から16~7年前に本格焼酎に力を入れ始め、当時は売れませんでしたが地道に知らない銘柄をオススメしたり、香りを嗅いでいただいたりと本格焼酎の良さをお伝えしていました。

ブーム到来すると徐々にお客様に本格焼酎が浸透し、少しずつではありましたけど動き出しました。

当時は本格焼酎の雑誌が数多く出版されていて、その雑誌を片手にご来店され『ここに載ってる焼酎ある?』と聞かれる事が多かったんですけど、そのたびにお客様には『ウチは雑誌に出てたりプレミア価格で売られているような有名銘柄はないんです。そのかわり知名度はまだまだですけど、美味しい焼酎ならいっぱいありますよ。』と説明していました。
その場で無いならいいやって帰られるお客様もいらっしゃいましたが、どんなのあんの?って聞かれて私のオススメを買っていただいたお客様は「次は何かない?」と言って来てくださることが多かったです。

この時に有名銘柄じゃなくてもプレミア価格の銘柄じゃなくても、本当に美味しい物ならばお客様に自信を持っておススメできるし、それに満足していただいたお客様は必ず次も来ていただけると思ったんです。

だからウチは一切プレミア価格の商品は置いていませんし、今後も置くつもりはありません。

だってプレミア価格でも飲んでも本来の味わいを楽しめないと思います。
定価で飲んで初めて本来のおいしさを感じられるんだと思っています。