シムズ教授のパワポ資料のライセンスについて


[ ]は質問者2の補記など
2〜6頁、ごるぞら さんのご協力、感謝


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物価水準のマネタリスト理論(非技術的要約)


人々は実際の取引を容易にするために実質的な収支バランスを求める

より多くの貨幣が発行された場合、現在の物価レベルの取引では、人々は余分に消費しようとする

実際の物価が流通している貨幣の量に一致するまで物価を引き上げる

このプロセスはもちろん、デフレを起こすために逆に操作することもできる


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物価水準の財政理論(非技術的要約)第1部


●人々は政府と日銀を合わせた統合政府の債務である貨幣を2つの理由で欲しいと考える

取引を容易にするため、そして、他の資産と同等の利益をもたらす可能性があるため

人々が持ちたいと思うよりも多くの政府の貨幣が発行されれば超過分を使おうとする

●統合政府債務の実際の価値が流通貨幣量に一致するまで物価を引き上げる

このプロセスはもちろんデフレを起こすために逆に操作することもできる

統合政府債務とはマネタリーベース(通貨と日銀当座預金)と資産負債で相殺後に残った負債側の国債の合計、と理解。通貨含まれ、私も 'government-issued paper' を欲しがります。最初は政府の裏付けがある借金証書≒紙幣≒貨幣と訳した。単なる paper と区別しているか分からず明確な区別がない場合は「貨幣」で統一]


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物価水準の財政理論(非技術的要約)第2


●統合政府債務に利益をもたらすために使える実質的なリソースは、将来の基礎的財政収支[以降、PB]黒字の源であり、政府債務とは独立した政策変数である

もしも政府が将来のPBの黒字を下げるよう明確にコミットすれば、貨幣への信用を下げ、人々が貨幣を使うように仕向けるだろう

●この政府のコミットメントは、貨幣への実質的な信用度が、人々が持ち続けたいと思える物価になるまでインフレを生み出す

もしくは逆に将来のPB黒字の増加はデフレを引き起こす


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理論の比較


マネタリスト理論は1次元的である。マネーストックか金利が政策手段であり、一方が他方を決定する

財政理論は2次元的である。将来のPB黒字と現在の財政赤字が別々の方向に動くことができる

故に、増大した財政赤字が必ずしも将来のインフレを起こすとは限らない


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理論の比較


教科書の経済モデルは一般に、財政赤字の増加は、インフレにおける財政赤字の効果を中和するのに必要な量だけ、PB黒字の増加を意味すると想定している

しかし、実際には、現実の財政赤字の政治経済を観察する者にとっては誰でもわかるように、そのような両者の間に自動的に決まる関係は存在しない


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インフレの制御に対する示唆


インフレには二種類の非常にまずい帰結がある。貨幣が資産として非常に魅力がなくなるか、非常に魅力的になるかのどちらかである

両者とも簡単に理解可能なフィードバックループを含む。インフレ率上昇が起き、金利も上昇する。これが貨幣価値を下げ、これがさらにインフレ率を押し上げる。金利が過度にマイナスな物価下落に追いつけない事を除けば、デフレにおいても同様である

私たちは、金利の急速な上昇がこのフィードバックループを止められると考えがちだが、これは適切な財政による後支え無しには正しくない


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ハイパーインフレーションの例


国の政治経済が機能不全であるとすると、政府支出や税金に関する決定は膠着状態にあり、債務水準やインフレに反応しない

インフレと債務が高いため、利子費用は政府支出の大部分を占める

従来の考え方では、中央銀行は金利をインフレ率を上回る水準まで引き上げるべきである。しかし、PB赤字や黒字はインフレや負債には反応しないので、利上げは新たな貨幣の発行率を上昇させるだけであることは明らかである

中央銀行は、金利の上昇がインフレ率を上昇させるだけであると見ているため、インフレを抑制したい場合は、金利の上昇を抑制する


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財政支援


このようなハイパーインフレ状況は、財政改革、すなわちインフレ縮小を目的としたPB黒字によってのみ終了することができる

インフレ率が高まった場合にそのような介入が起こることを資産市場参加者が信じている場合、金融政策はインフレ抑制に効果的である


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赤字への財政支援


多くのエコノミストは、このハイパーインフレの例を理解している。ブラジルの高インフレのエピソードについてエドゥアルド・ロヨによる詳細に調査された

しかし、この例における論理は、あまり広く理解されていない、持続的に低いまたはマイナスのインフレにも適用される

低金利は従来の赤字を縮小する。財政政策が支出の増加や税金の引き下げによって対応できない場合、金利を引き下げることでインフレ率が低下する


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ゼロ金利制約から抜け出る政策


必要なのは、インフレ目標を達成するために明示的に結びつけられた拡張的な財政政策である

これは現在の赤字の増加を必ずしも必要としない。日本では消費税率引き上げの予定を日付ではなく、インフレまたは物価水準の目標を満たすように宣言することによって実行される可能性がある

その政策は、インフレが債務の一部を「支払う」と予想されることを明示すべきであり、増税を延期できるのはこのためである

これは、政府債務をあまり魅力的でなくし、それによって需要を刺激することに成功するはずである


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しかし、インフレは起きず財政赤字が大きくなっています!


日本、米国、英国では、将来の年金や政府の保健医療を減らす必要性により財政赤字が発生する

米国では、議会の両議院で共和党が多数派になる前でさえ、人々が社会保障の将来について非常に悲観的なこが世論調査で示されている

したがって、通常は、それらによる財政赤字のため、需要を刺激しない


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「政府債務を膨らませる」提案ですか?


インフレは政府債務の実質的負担を減らすことができ、インフレ目標に結びついた財政拡大はそうなるだろう

しかし、インフレが非常に速い場合を除いて、政府債務は控えめにしか削減できない

提案された政策は、適度なインフレを目指すものであるため、政府債務の負担を緩和することは控えめである可能性が高い


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そのような政策で手に負えないインフレを誘発する危険はありますか?


実際に調整された金融政策と財政政策の方針があるのではない

インフレが達成され、理想的には2%の目標を一時的にわずかに上回った場合、政府債務の実質的価値を安定させることを目的としたPB黒字が作用する

金融政策は、従来の金利政策でインフレを抑制するのに有効である


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マイナス金利については?


支持的な財政政策がない場合、マイナス金利は景気を刺激するものではない

銀行や債券保有者から資金を引き出す。これがPB黒字またはPB赤字の削減につながることが可能でれば、それはデフレ圧力を強化するだけである

一部のエコノミストは、名目金利の下限を取り除くために通貨をなくすことを提案している

財政支援がなければ、これはZLB[ゼロ金利制約]の状況をハイパーインフレに変換するだけである:デフレの無限の加速、無制限の金利低下


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結論:一般原則


●インフレ率が目標水準を大幅に上回るか、目標水準を継続的に下回っている場合には、通常の市場操作を用いた従来の金融政策だけではなく、財政的行動が物価安定に必要である

●債務を安定させることを無視して、インフレの結果に関係なく行う財政政策は、極端なインフレにおいては金融政策を完全に無効にする可能性がある


結論:ゼロ金利から抜け出すための政策


必要なのは、調整された財政政策と金融政策

●インフレ目標に達することを前提とした両面の拡大を維持する

●その拡大が将来の代償となる収縮の恐れがないことを明確にする

●インフレが債務負担の軽減にどのように寄与できるかを説明する