=葛河思潮社第一回公演:浮標= | しなもん日記

=葛河思潮社第一回公演:浮標=

夜、吉祥寺シアターへ三好十郎作/長塚圭史演出の舞台<浮標>を観に行きました。
吉祥寺シアターははじめて。ん?はじめてじゃないかな、2度目かな?記憶が曖昧だ、、、かつての近鉄裏(という言い方は今は誰もしないだろうけど^^;)にあるとは思えない、モダンな劇場です。帰りがけに劇場外観の写メ撮ろうと思っていたのに、舞台にやられすぎてすっかり忘れました、、、劇場内は、今回ステージ部分をかなり広く取っていたため、とても舞台と客席が近い構造になってました。演者の表情までとてもよく見える、良い距離です。舞台美術の影響もあって、全然タイプの違う劇場だけれど、今はもうないベニサンピットを思い出しました。バルコニー席があるという意味では新国立劇場小ホールぽくもあるけど、もっともっとこぢんまり。良い劇場だなあ。わたしはそのバルコニー席だったので、下手側は全く見えなくなりますが、ほぼ中央でお芝居が進んで行くので、ほとんど鑑賞に支障はなかったです。当日券アリの張り紙がしてありましたが、場内ほとんど満席でした。関係者デーだったのか、いろんな演劇人の方が客席にいらしてました。
今回のお芝居は、上演時間が4時間という長さです。オープニングで長塚さんから口上があるくらい、長いのです。途中2回休憩が入ります。でもでも、4時間なんて、あっという間でした。あっという間。
現在のわたしには、非常に身につまされる内容でもあり、もう、途中から涙が止まりませんでした、、、ああ、苦しい。苦しい。生きることは苦しいけれど、その苦しさは苦しみだけにとどまらず、素晴らしくもある。このお芝居を、もっと若い頃に観たら、どんな感想を自分は持っただろう?そして、これから先、もっと年を重ねた自分が観たらどういう風に感じ方が変わるのだろう?
主人公五郎の、確固たるものの筈だった信念が揺らぐさま。ほとばしる矛盾。それでも足掻く。どんなに予想したとしても、実際に「それ」が目の前に迫ったとき、何段階にも渡り、波のように襲ってくる自分がどうなってしまうのか分からない恐怖。舞台上では、そういった不可避な現実をどうやれば克服出来るというような具体的な提示はありません。五郎が事後、どうなるのかも、分かりません。でも、わたしには、ラストシーンの彼の姿だけで、十分でした。あう、思い出したら、また涙が、、、
とにかく、役者さんが素晴らしかったです。ただ、今日は昼夜公演ってことで、ちょっと台詞のトチリ多かったかも。てか、疲れますよね、通して8時間ほぼしゃべりっぱなしの田中哲司さん、すごいスタミナ、、、最近、わたしが拝見する舞台では哲司さんが脇を演じられる場合が多かったので、今回、すんごくがっつり彼の芝居を観られて、本当に感動しました。素晴らしい。やさしさと狂気、人間の美しさと醜さ、そういった相反する単語だけでは表現するのが難しい生そのものみたいなものを余すところなく演じてらっしゃいました。藤谷美紀さん、細っ。役作りで痩せたのもあるのかな、、、浴衣から出ている腕の細さがはかなくて、、、肉体的なはかなさと裏腹の精神の強さがしっかり伝わって来ました。他の出演者のみなさまも素晴らしかったです。南朋さんが胡座で頭を下げるときに、「身体やわらけー」と思いました。わたしも柔軟性取り戻すべくヨガしよ。
舞台美術は長塚さんが数年前にベニサンピットで上演した<失われた時間を求めて>を思い出しました。枯れ葉と砂の違いはあるけれど。内容は全然…いや、全然でもないけれど、違いますが。

今日は日が暮れる頃から頭痛がしていて、とうとうわたしも風邪を引いたか?と思っていたら、単に寝不足と食事取ってなかったから、でした、、、睡眠大事。食事大事。でも、念のため葛根湯飲んでおこっと。
普段通らない場所を通ると奇妙な空間があるな、と思ったり。
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<ドラマ鑑賞>
スクール!!=2話。なんかやっぱシナリオについてバランスの悪さを感じる、、、隠し撮りした写メをバラまいたことは咎められないのか(>_<) でも、テーマは興味深いです。成瀬校長が絶対ではないのが良い部分でもあり、不安な部分でもあり、、、なんだかんだと見続けそうな気がします。教師同士の単純な対立構造にはならなさそうなとこが楽しみ。西島さんと塚本くんがとても素敵♪