ビクター、自動車用オーディオの国内販売撤退 | 株で儲けよう!!

ビクター、自動車用オーディオの国内販売撤退

 日本ビクターは国内の市販カーオーディオ事業から撤退する。海外での自社ブランド販売は続けるが、国内はOEM(相手先ブランドによる生産)に特化する。2007年3月期に3期連続の最終赤字となった同社は事業の絞り込みを進めており、主力の薄型テレビやビデオカメラに経営資源を集中する。
 今月末をメドに国内の自動車用品店への出荷を終了する。国内10カ所の営業拠点を閉鎖し、国内営業に携わる30人は別事業への配置転換で対応する。生産拠点であるインドネシア工場は海外向けや国内自動車メーカーのOEMに振り向ける。国内市販カーオーディオ事業の売上高は数十億円とみられ撤退による業績の影響は小さいという。
 同社は1985年に国内カーオーディオに参入。「JVC」ブランドでCDプレーヤーやスピーカーシステムを販売しており、シェアは15%程度という。ただ、国内は純正オーディオの装着率が高く市販市場は急速に縮小。売り上げ減少が続いていた。
 ビクターは5月末に2007年度の事業計画を策定。液晶テレビやビデオカメラなどに注力するとともにカーエレクトロニクスも成長分野に位置づける方針を打ち出した。ただ、同社のカーエレの収益源は欧米が中心で、国内の成長性は低い。今後も事業の選択と集中を進めて今期中の営業黒字への転換を目指す。
 同社を巡ってはケンウッドとの統合に向けた交渉が進んでいる。カーエレクトロニクス事業はケンウッドの主力で、国内でも強い営業基盤を持つ。ビクターの事業再編でケンウッドとの事業の重複が減り、補完関係が成り立つことにもつながるとみられる。