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離婚に思い悩む女性の方は,経済的に余裕のない,さらには非常に苦しいという方が多いです。
経済的に弁護士費用の負担ができない方に弁護士利用を選択肢として提供するのは,無意味をとおりこして,有害です。なぜなら,その方を絶望させかねないからです。
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実際は,経済的に余裕のない,非常に苦しいという方でも,
弁護士を利用する方法が用意されています。
法テラス(司法支援センター)
の
民事法律扶助
があります。
また,暴行・傷害等の犯罪やストーカー被害については,
犯罪被害者法律援助制度
もあります。
一度に全部書けませんので,要点を,まず端的に書きます。
(1) 経済的に余裕のない方が対象ですが,
離婚などで思い悩む女性はほぼ該当する
と思います。
法テラス無料法律相談のページへ
いずれ別記事で私なりに解説します。
(2) 法律相談は30分単位
同じ案件の相談について3回まで無料です。
なお同じ弁護士に継続的に3回の法律相談をする方法もあります。
(3) 弁護士に正式に依頼する場合,次のようなとっても素敵なメリットがあります。
① 弁護士報酬・費用は法テラスの基準で法テラスが決めます。
たとえば離婚の調停ですと,着手金84,000円~106,000円(税込)です。
費用が別途20,000円かかります。
石川県の法テラスでいいますと,これまで私が扱った事案では,全て着手金は84,000円でした。
ちなみに弁護士会の旧基準では離婚の調停の着手金は420,000円(税込)でした。
法テラスを利用しない場合の離婚の調停の着手金水準は,離婚弁護士さん達のHPをご覧下さい。
② 法テラスが着手金・費用を立替え払いします。
利用者は法テラスが決めた金額を毎月法テラスに返していきます(償還といいます。)。
その返済金(償還金)は,月5,000円~10,000円です。
③ 経済的に余裕のない方の場合,上記②の償還を猶予してもらえます。
私がこれまで扱った事案では,離婚の事件では,そのほとんどが償還を猶予されました。
④ 経済的に余裕のない方の場合,申請により,法テラスの立替金の返還(償還)が最終的に免除になる場合があります。
つまり,ご自身の負担なく弁護士を利用できたということになります。
(4)
離婚に限らず,ストーカーの被害にお悩みの方は,犯罪被害者法律援助制度を是非使っていただければと思います。DV加害者に殴られたりして警察に加害者の処罰を求めていく場合も,この制度を利用できます。
犯罪被害者法律援助制度は,相手方から賠償金などのお金が入らない限り,原則無料で弁護士の継続的な援助(一緒に警察に行くとか告訴状を出すとかストーカーに警告文を送るとかいろいろできる!)を利用できます。
このシリーズでは,法テラスを有効に活用するあれやこれやをどんどんお話していきます。
多分,ほかではあまり紹介されていない有益情報をご提供できると思います。
つづく。