私は法的紛争について依頼者に説明するとき,病気の治療に例えて説明することが多いです。
病気になったとき,誰もが早い治癒を望みますよね。当然のことです。
ところが原因がはっきりしないとか症状が思わしくないとかになりますと,あれこれ検査をしたり治療を継続したりで治療期間が長くなっていきます。
大切な身体のことですから,多くの方は,治療期間が長くなっても,「完治」を求めて長くて苦しい治療を継続するかと思います。
しかし,中には,お仕事の都合などでリハビリを途中で打ち切って治療をストップしてしまう方もいます。
また,長くて苦しい治療を続けてきたがそれ以上の治療による改善が望めなくなり,症状固定ということで治療を止め,後遺障害が残ったという方もおいでかと思います。
裁判の世界では,「適正と迅速」という言葉で昔から議論されてきて,今もなお,裁判員裁判などでホットに議論され続けています。
離婚に話を絞りますと,離婚の法律問題の一応の解決のためには,以下が問題になってきます。
①離婚するかしないか(離婚自体)
②子の親権者
③養育費
④親権者でなくなる親と子との間の面会交流(以前は面接交渉といっていました。)
⑤慰謝料
⑥財産分与
⑦年金分割
以上の全てが問題ににある場合もあれば離婚自体だけが問題になる場合もあります。
なお,離婚に関する法律問題としましては,離婚が成立するまでの生活費(婚姻費用分担)や離婚が成立するまでの面会交流が問題になることもあります。また,別居中の子の引き渡しが問題になることもあります。ほかにも保護命令とかあります。これらの諸問題は,今後,別のシリーズで書いていこうと思っています。
さて,さしあたり,離婚するかしないか(離婚自体)とは別に,②~⑦の要素を「離婚の諸条件」ということにしましょう。
離婚の法律問題の一応の解決としましては,離婚自体と離婚の諸条件について決めることとまとめることができます(離婚自体と離婚の諸条件のそれぞれにつきましては,後の記事で順次お話していきます。)。
これから,こういう離婚の法律問題について一応の解決について,早い解決と満足できる解決の関係についてお話していきたいと思います。
次の記事へ続く…